システム上の VNIC に関する情報を取得するには、dladm show-vnic コマンドを使用します。
使用例 2-7 システム上の VNIC の表示# dladm show-vnic LINK OVER SPEED MACADDRESS MACADDRTYPE VIDS vnic1 net0 1000 2:8:20:c2:39:38 random 123 vnic2 net0 1000 2:8:20:5f:84:ff random 456
出力には次の情報が表示されます。
仮想データリンク (名前で識別されます)。
VNIC が構成されている物理または仮想データリンク。
VNIC の最大速度 (M ビット/秒単位)。
VNIC の MAC アドレス。
VNIC の MAC アドレスのタイプ (次のいずれかを設定できます)。
random – VNIC に割り当てられたランダムなアドレス
factory – VNIC によって使用される NIC のファクトリ MAC アドレス
fixed – ユーザーが割り当てる MAC アドレス
VNIC の VLAN ID。
VNIC がシステム上に存在する場合は、データリンクに関する情報を表示する任意の dladm コマンドを使用して、それらの VNIC に関する情報を含めることができます。たとえば、dladm show-link コマンドでは、VNIC とその他のデータリンクが表示されます。dladm show-linkprop コマンドを使用すると、VNIC のプロパティーを表示できます。
単一の VNIC のデータリンクプロパティーに関する情報を取得するには、次のコマンド構文に VNIC を指定します。
# dladm show-linkprop [-p property] vnic使用例 2-8 ゾーンに接続されている VNIC の表示
この例では、ゾーンに接続されたプライマリデータリンクと VNIC の情報が表示されます。プライマリデータリンク net0 は大域ゾーンに接続されています。VNIC、vnic1 と vnic2 は、それぞれ zone1 と zone2 に接続されています。
# dladm show-link -Z LINK ZONE CLASS MTU STATE OVER net0 global phys 1500 up -- zone1/vnic1 zone1 vnic 1500 up net0 zone2/vnic2 zone2 vnic 1500 up net0
Oracle VM Server for SPARC のシステムで作成された VNIC と、Oracle Solaris カーネルゾーンの anet リソースには、複数の MAC アドレスが関連付けられます。Oracle VM Server for SPARC でゲストドメイン内部の VNIC とゾーンをサポートするには、alt-mac-addrs プロパティーを使用して vnet を作成する必要があります。この場合、システムは自動的に複数の MAC アドレスを持つ VNIC を作成します。これらの複数の MAC アドレスは、作成した vnet から取得されます。詳細は、『Oracle VM Server for SPARC 3.1 管理ガイド』を参照してください。
カーネルゾーン内部のゾーンまたは VNIC をサポートするには、複数の MAC アドレスを持つ anet リソースを構成します。カーネルゾーンでのネットワークアクセスのために作成された anet リソースに複数の MAC アドレスを指定するには、zonecfg コマンドを使用します。詳細は、solaris-kz(5) のマニュアルページを参照してください。カーネルゾーンの構成についての詳細は、Oracle Solaris カーネルゾーンの作成と使用 を参照してください。
VNIC に複数の MAC アドレスが関連付けられている場合は、仮想ネットワークドライバによって 1 つの MAC アドレスが使用されます。残りの MAC アドレスを使用して、カーネルゾーンまたはゲストドメイン内に VNIC を作成できます。たとえば、VNIC が 3 つの MAC アドレスに関連付けられている場合は、1 つの MAC アドレスが仮想ネットワークドライバに割り当てられています。そのため、残りの 2 つの MAC アドレスを使用して作成できる VNIC は 2 つだけです。
次のコマンドを使用すると、VNIC に関連付けられた複数の MAC アドレスを表示できます。
# dladm show-vnic -m使用例 2-9 カーネルゾーン内の複数の MAC アドレスを持つ VNIC の表示
# dladm show-vnic -m LINK OVER MACADDRESSES MACADDRTYPES VIDS gz_vnic0 net0 2:8:20:d7:27:9d random 0 zone1/net0 net0 2:8:20:70:52:9 random 0 2:8:20:c9:d:4c fixed 2:8:20:70:db:3 random zone1/net1 net0 0:1:2:3:4:5 fixed 0 0:1:2:3:4:6 fixed
この例では、カーネルゾーン zone1 に net0 と net1 の 2 つの anet リソースが存在します。どちらのリソースにも複数の MAC アドレスが構成されています。そのため、カーネルゾーン zone1 内では、データリンク net0 に関連付けられた仮想 NIC ドライバ zvnet の最上位に最大 2 つの VNIC を作成できます。データリンク net1 に関連付けられた仮想 NIC ドライバ zvnet の最上位に作成できる VNIC は 1 つだけです。
使用例 2-10 複数の MAC アドレスを持つ、システムで生成された VNIC の表示# dladm show-vnic -m LINK OVER MACADDRESSES MACADDRTYPES VIDS ldoms-vsw0.vport0 net1 0:14:4f:fb:e1:8f fixed 0,21 0:14:4f:f8:6b:9 fixed 0:14:4f:fa:48:7f fixed ldoms-vsw0.vport1 net1 0:14:4f:f9:1b:8d fixed 45,44 0:14:4f:f9:27:4 fixed
この例では、ldoms-vsw0.vport0 に関連付けられたゲストドメインの仮想ネットワークドライバ vnet の最上位に、最大 2 つの VNIC を作成できます。ldoms-vsw0.vport1 に関連付けられた仮想 NIC ドライバ vnet の最上位には、最大 1 つの VNIC を作成できます。
データリンクの物理リンク状態は、物理デバイスに外部ネットワークとの接続があるかどうかを識別します。ケーブルが接続され、そのケーブルの反対側にあるポートの状態が up の場合は、物理デバイスに外部ネットワークとの接続があります。
次のコマンドを使用すると、データリンクの物理リンク状態を表示できます。
# dladm show-phys [link]
# dladm show-ether [link]
詳細については、dladm(1M) のマニュアルページを参照してください。
使用例 2-11 データリンクの物理リンク状態の表示次の例では、dladm show-phys コマンドを使用して、システム上のデータリンクの物理リンク状態を表示します。
# dladm show-phys LINK MEDIA STATE SPEED DUPLEX DEVICE net1 Ethernet down 0 unknown e1000g1 net2 Ethernet down 0 unknown e1000g2 net3 Ethernet down 0 unknown e1000g3 net0 Ethernet up 1000 full e1000g0
次の例では、dladm show-enter コマンドを使用して、システム上のデータリンクの物理リンク状態を表示します。
# dladm show-ether LINK PTYPE STATE AUTO SPEED-DUPLEX PAUSE net1 current down yes 0M bi net2 current down yes 0M bi net3 current down yes 0M bi net0 current up yes 1G-f bi
NIC 上に複数の VNIC が作成されると、同じ VLAN 上にあるときに VNIC とプライマリデータリンクが通信できるように、内部的に仮想スイッチが作成されます。物理データリンクが外部ネットワークに接続されていない場合でも、これらのデータリンクは互いに通信できます。これにより、データリンクの仮想リンク状態が形成され、その状態は up、down、unknown のいずれかになります。データリンクの仮想リンク状態は、物理ケーブルが抜かれている場合でも、データリンクがシステム内の内部ネットワークに接続されているかどうかを識別します。
データリンクの仮想リンク状態を表示するには、次のコマンドを使用します。
# dladm show-link [link]使用例 2-12 データリンクの仮想リンク状態の表示
この例では、システム上のデータリンクの仮想リンク状態が表示されます。
# dladm show-link LINK CLASS MTU STATE OVER net0 phys 1500 up -- net2 phys 1500 down -- net4 phys 1500 down -- net1 phys 1500 up -- net5 phys 1500 up -- vnic0 vnic 1500 up net5 vnic1 vnic 1500 up net5 vnic2 vnic 1500 up net1