エラスティック仮想スイッチ用の VNIC の作成

言語:

dladm および zonecfg コマンドを使用して、エラスティック仮想スイッチ用の VNIC を作成できるようになりました。

エラスティック仮想スイッチの VNIC を作成する方法

始める前に

evsadm set-prop コマンドを使用して、EVS ノードに controller プロパティーを設定する必要があります。詳細は、EVS コントローラを構成する方法を参照してください。

Elastic Virtual Switch Administration 権利プロファイルを持つ管理者またはユーザーになります。
詳細は、Oracle Solaris 11.2 でのユーザーとプロセスのセキュリティー保護 の割り当てられている管理権利の使用を参照してください。
エラスティック仮想スイッチの VNIC を構成します。
```
# dladm create-vnic -t -c EVS-switch-name[/VPort-name] [-T tenant-name] VNIC-name
```
–t

VNIC を一時的なものとして指定します。

–c EVS-switch-name[/VPort-name]

VNIC を接続する必要があるエラスティック仮想スイッチの名前を指定します。VPort の名前を指定すると、VNIC が指定された VPort に接続されます。VPort 名を指定しない場合は、システムが自動的に VPort を生成し、VNIC に VPort を割り当てます。エラスティック仮想スイッチに VNIC が接続されると、VNIC は指定されたエラスティック仮想スイッチまたは VPort のいずれかからプロパティーを継承します。

–T tenant-name

エラスティック仮想スイッチを所有するテナントの名前を指定します。テナントを指定しないと、システムはデフォルトの sys-global テナントを仮定します。

VNIC-name

VNIC の名前。
(オプション) エラスティック仮想スイッチに接続された VNIC に関する情報を表示します。
```
# dladm show-vnic -c
```
–c オプションは、エラスティック仮想スイッチに接続されている VNIC に関する情報を表示します。

使用例 6-4 エラスティック仮想スイッチ用の VNIC の作成

この例は、一時的な VNIC vnic1 を作成し、エラスティック仮想スイッチ ORA と VPort vport0 に VNIC を接続する方法を示しています。

# dladm create-vnic -t -c ORA/vport0 vnic1
# dladm show-vnic -c
LINK     TENANT        EVS      VPORT       OVER              MACADDRESS        VIDS
vnic1    sys-global    ORA      vport0      evs-vxlan10000    2:8:20:b0:6e:63   0

エラスティック仮想スイッチの VNIC `anet` リソースの作成

拡張された zonecfg コマンドを使用すると、エラスティック仮想スイッチのゾーンの VNIC anet リソースを構成できます。

ゾーンを構成する際は、anet リソースに次のプロパティーを設定できます。

tenant – テナントの名前を指定します。ゾーンを構成するときに値を指定しないと、システムがデフォルト値、sys-global テナントを割り当てます。
vport – VPort の名前を指定します。ゾーンを構成するときに値を指定しないと、システム VPort が自動的にエラスティック仮想スイッチに対して生成され、VPort はエラスティック仮想スイッチのプロパティーを継承します。
evs – anet リソースを接続する必要のあるエラスティック仮想スイッチの名前を指定します。

データセンター内の VPort は、テナント名、エラスティック仮想スイッチ名、および VPort 名によって一意に識別されます。詳細は、Oracle Solaris ゾーンの作成と使用 を参照してください。

使用例 6-5 エラスティック仮想スイッチの VNIC anet リソースの作成

この例は、テナント tenantA の ORA および vport0 に接続されている、VNIC anet リソース evszone/net1 を含むゾーンを作成する方法を示しています。

# zonecfg -z evszone
Use 'create' to begin configuring a new zone
zonecfg:evszone> create
create: Using system default template 'SYSdefault'
zonecfg:evszone> set zonepath=/export/zones/evszone
zonecfg:evszone> set tenant=tenantA
zonecfg:evszone> add anet
zonecfg:evszone:net> set evs=ORA
zonecfg:evszone:net> set vport=vport0
zonecfg:evszone:net> end
zonecfg:evszone> exit
# zoneadm -z evszone install
# zoneadm -z evszone boot
# zlogin -C evszone
# dladm show-vnic -c
LINK          TENANT   EVS  VPORT   OVER  MACADDRESS       VIDS
evszone/net1  tenantA  ORA  vport0  net2  2:8:20:89:a1:97  200

evszone がブートするときに、VNIC anet evszone/net1 が VPort ORA/vport0 の MAC アドレス、IP アドレス、および SLA プロパティーに関連付けられます。エラスティック仮想スイッチのゾーンの VNIC anet リソースの構成の詳細は、ユースケース: エラスティック仮想スイッチの構成を参照してください。