エラスティック仮想スイッチの仮想ポートのネットワークトラフィック統計をモニターして、次の情報を取得できます。
VM によって送受信されたネットワークトラフィックの量。これにより、その VM 上のワークロードに関する情報が提供されます。
インバウンド (idrops) およびアウトバウンド (odrops) が中断されたパケットの数。これらの値は障害のあるネットワークに関する情報を提供します。
容量計画を行う際に役立つ、計算ノード上のすべての VM で送受信されるネットワークトラフィックの量。
エラスティック仮想スイッチをモニターするには、evsstat コマンドを使用します。evsstat コマンドは、エラスティック仮想スイッチの各 VPort の実行時統計情報を報告します。また、VPort に関連付けられた VNIC の統計情報も報告します。EVS と仮想ポートについての詳細は、evsadm(1M) のマニュアルページを参照してください。
evsstat コマンドは RAD (Remote Administration Daemon) クライアントであり、リモート EVS コントローラと通信してすべての evsstat サブコマンドを実行します。evsstat コマンドを使用する前に、evsadm set-prop コマンドを使用して、EVS コントローラの解決可能なホスト名または IP アドレスを指定する必要があります。コマンドの構文は次のとおりです。
# evsadm set-prop -p controller=ssh://[username@]hostname-or-IP-address
さらに、evsstat コマンドを実行するホストと EVS コントローラの間に事前共有された公開鍵を使用した SSH 認証を設定する必要があります。evsstat コマンドが EVS コントローラと非対話形式で、セキュアに通信できるようにするには、事前共有された公開鍵を使用した SSH 認証が必要です。詳細は、SSH 認証の設定を参照してください。
evsstat のコマンド構文は次のとおりです。
# evsstat [-f {fname=value[,...]}[,...] [[-c] -o field[,...]] [-u R|K|M|G|T|P] \ [EVS-switch-name[/VPort-name]] [interval] [count]
統計をモニターするエラスティック仮想スイッチの名前を指定します。エラスティック仮想スイッチの名が指定されていない場合は、すべてのエラスティック仮想スイッチの統計情報が表示されます。
統計をモニターする VPort の名前を指定します。指定された VPort に接続された VNIC の統計情報のみが表示されます。エラスティック仮想スイッチの名前を指定してから、VPort の名前を指定する必要があります。
出力をフィルタ処理するために使用される、コンマで区切られた名前と値のペア (行の選択)。複数のフィルタが指定されている場合、表示される出力は、フィルタ間での AND 演算の結果です。フィルタ値が複数値である場合、表示される出力は、フィルタ値間での OR 演算の結果です。サポートされているフィルタは、tenant、evs、および host です。
表示する出力フィールドのコンマ区切りのリストを指定します (大文字と小文字は区別されません)。出力に列として表示される次のフィールドを指定できます。
vport
evs
tenant
vnic
host
ipkts
rbytes
opkts
idrops
odrops
統計情報を表示する単位を指定します。指定しない場合、必要に応じて異なる単位が使用され、xy.zU 形式で統計情報が表示されます (x、y、および z は数値、U は該当する単位です)。サポートされる単位は次のとおりです。
R – raw カウント
K – キロビット
M – メガビット
G – ギガビット
T – テラビット
P – ペタビット
ネットワーク統計をリフレッシュする時間を秒数で指定します。
統計情報をリフレッシュする回数を指定します。間隔を指定してから、数を指定する必要があります。
次の例では、すべてのエラスティック仮想スイッチの統計情報が表示されます。
# evsstat VPORT EVS TENANT IPKTS RBYTES OPKTS OBYTES sys-vport0 ORA sys-global 101.88K 32.86M 40.16K 4.37M sys-vport2 ORA sys-global 4.50M 6.78G 1.38M 90.90M sys-vport0 HR sys-global 132.89K 12.25M 236 15.82K sys-vport1 HR sys-global 144.47K 13.32M 247 16.29K
次の例では、指定したエラスティック仮想スイッチ evs0 の統計情報が表示されます。
# evsstat ORA VPORT EVS TENANT IPKTS RBYTES OPKTS OBYTES sys-vport0 ORA sys-global 101.88K 32.86M 40.16K 4.37M sys-vport2 ORA sys-global 4.50M 6.78G 1.38M 90.90M
次の例では、指定した VPort evs0/sys-vport2 の統計情報が表示されます。
# evsstat ORA/sys-vport2 VPORT EVS TENANT IPKTS RBYTES OPKTS OBYTES sys-vport2 ORA sys-global 4.50M 6.78G 1.38M 90.90M
次の例は、間隔値が 1 秒、カウント値が 3 の VPort の統計情報を示しています。この統計情報は 1 秒の間隔で 3 回リフレッシュされます。
# evsstat ORA/sys-vport2 1 3 VPORT EVS TENANT IPKTS RBYTES OPKTS OBYTES sys-vport2 ORA sys-global 4.50M 6.78G 1.38M 90.90M sys-vport2 ORA sys-global 4.50M 6.78G 1.38M 90.90M sys-vport2 ORA sys-global 4.50M 6.78G 1.38M 90.90M
次の例は、指定された出力フィールドの統計を示しています。
# evsstat -o vport,evs,vnic,host,ipkts,opkts VPORT EVS VNIC HOST IPKTS OPKTS sys-vport0 ORA vnic0 host1 101.88K 40.16K sys-vport2 ORA vnic0 host2 4.50M 1.38M sys-vport0 HR vnic1 host1 132.89K 236 sys-vport1 HR vnic1 host2 144.47K 247