Oracle® Solaris 11.2 での仮想ネットワークとネットワークリソースの管理

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更新: 2014 年 9 月
 
 

ネットワークデバイスのネットワークトラフィックの統計情報の表示

dlstat show-phys コマンドは、物理ネットワークデバイスに関する統計情報を提供します。Figure 8–1 に示すように、dlstat show-phys コマンドは、ネットワークスタックのデバイス層にあるハードウェアリング上で動作します。

次のコマンド構文を使用すると、ネットワークデバイス上のネットワークトラフィック統計情報を表示できます。

# dlstat show-phys [–r|–t] [–Tu | –Td] [link] [interval [count]]
–r

受信側のネットワークトラフィックの統計情報のみを表示します。–t オプションをこのオプションと一緒に指定しないでください。

–r オプションまたは –t オプションを指定しない場合は、送信側と受信側の両方のネットワークの統計情報が表示されます。

–t

送信側のネットワークトラフィックの統計情報のみを表示します。–r オプションをこのオプションと一緒に指定しないでください。

–r または –t オプションを指定しない場合は、送信側と受信側の両方のネットワークの統計情報が表示されます。

–Tu

現在の時間を内部表現で表示します。

–Td

現在の時間を標準の日付形式で表示します。

link

ネットワーク統計をモニターするデータリンクの名前。データリンクを指定しない場合は、システムに構成されているすべてのデータリンクに関する情報が表示されます。

interval

ネットワーク統計をリフレッシュする時間を秒数で指定します。

count

表示されているネットワークトラフィックの統計情報がリフレッシュされる回数を指定します。カウント値を指定しない場合、統計情報は無期限にリフレッシュされます。

使用例 8-1  システム上の物理リンクのトラフィック統計情報の表示

この例では、システムの各リンク上の受信と送信の両方のネットワークトラフィックが表示されます。パケットの数とそれらのバイトサイズが表示されています。

# dlstat show-phys
LINK    IPKTS   RBYTES     OPKTS    OBYTES
net5        0        0        0        0
net6        0        0        0        0
net0   25.57K    5.10M    1.93K  226.05K
net0      179   26.63K      161   22.75K
net3        0        0        0        0
net4        0        0        0        0
net2        0        0        0        0
net8      238  137.16K      191    8.41K
net1        0        0        0        0
...

出力には次の情報が表示されます。

LINK

物理および仮想データリンク (名前で識別されます)

IPKTS

リンク上のインバウンドパケットの数

RBYTES

リンク上で受信されたバイト数

OPKTS

リンク上のアウトバウンドパケットの数

OBYTES

このリンク上で送信されたバイト数

使用例 8-2  ネットワークデバイスの受信側のトラフィック統計情報の表示

この例では、受信されるネットワークトラックの統計情報が、間隔値 2 秒、カウント値 3 で表示されます。

# dlstat show-phys -r 2 3
LINK  TYPE  INDEX    IPKTS   RBYTES
net0    rx      0    8.03M   12.09G
net1    rx      0        0        0
net0    rx      0    8.79K   13.28M
net1    rx      0        0        0
net0    rx      0    8.50K   12.83M
net1    rx      0        0        0

データリンク net0 および net1 は 1 つのセットと考えてください。最初のデータリンク net0 および net1 のセットは、受信したパケットとバイトの合計数を示しています。この例では、8.03M が受信したパケットの合計数で、12.09Gnet0 で受信したバイトの合計数です。2 番目のデータリンク net0 および net1 のセットは、正規化された値とも呼ばれる、ネットワークトラフィックの統計情報の 1 秒あたりの変化量を示しています。つまり、8.79K は、net0 によって 2 秒間隔で受信されたパケットの正規化された値です。同様に、3 番目のデータリンク net0 および net1 のセットも、2 秒間隔のネットワークトラフィックの統計情報の正規化された値を示しています。

使用例 8-3  ネットワークデバイスの受信側のトラフィック統計情報の表示

この例では、データリンク net0 の受信トラフィックの統計情報が表示されます。

# dlstat show-phys -r net0
LINK     TYPE     ID    INDEX    IPKTS     RBYTES
net0      rx   local      --        0          0
net0      rx      hw       1        0          0
net0      rx      hw       2    1.73M      2.61G
net0      rx      hw       3        0          0
net0      rx      hw       4    8.44M     12.71G
net0      rx      hw       5    5.68M      8.56G
net0      rx      hw       6    4.99M      7.38G
net0      rx      hw       7        0          0

この例では、net0 データリンクに 8 つの受信リングがあり、それらが INDEX フィールドで特定されています。リングごとのパケットの均一な分布は、それらのリングが、各リンクの負荷に応じてリンクに正しく割り当てられていることを示す理想的な構成です。不均一な分布は、リンクごとのリングの不均衡な分布を示します。不均一な配布の解決は、NIC が動的なリング割り当てをサポートしているかどうかによって異なります。サポートしている場合は、パケットをより均等に処理するように、リンクごとにリングを再配布できます。詳細は、NIC リングの管理を参照してください。

使用例 8-4  ネットワークデバイスの送信側のトラフィック統計情報の表示

この例では、ネットワークデバイスとしての net0 の送信リングの使用状況が表示されます。

# dlstat show-phys -t net0
LINK  TYPE  INDEX    OPKTS   OBYTES
net0    tx      0       93    4.63K
net0    tx      1        0        0
net0    tx      2        0        0
net0    tx      3        0        0
net0    tx      4        0        0
net0    tx      5       47   11.02K
net0    tx      6       23    7.13K
net0    tx      7        0        0
使用例 8-5  時間を含むネットワークデバイスのトラフィックの統計情報の表示

次の例では、内部表現の現在の時間とともに、ネットワークデバイスとしての net0 のネットワークトラフィックに関する統計情報が表示されます。

# dlstat show-phys -Tu net0
1401652481
           LINK    IPKTS   RBYTES    OPKTS   OBYTES
           net0      184   27.14K      165   22.91K

次の例では、標準の日付形式の現在の時間とともに、ネットワークデバイスとしての net0 のネットワークトラフィックに関する統計情報が表示されます。

# dlstat show-phys -Td net0
Sun Jun  1 12:54:47 PDT 2014
           LINK    IPKTS   RBYTES    OPKTS   OBYTES
           net0      184   27.14K      165   22.91K