仮想スイッチは仮想マシン間の通信を容易にするエンティティーです。Oracle Solaris では、データリンク上に VNIC (リンクアグリゲーション、物理 NIC、etherstub など) を作成すると、仮想スイッチが自動的または暗黙的に作成されます。仮想スイッチは物理マシン内の VM 間のトラフィック (VM 間トラフィック) をループし、このトラフィックをネットワーク上では送信しません。すべての VM が相互に通信するには、同じレイヤー 2 セグメント上に存在する必要があります。詳細は、仮想スイッチを参照してください。
Oracle Solaris 11.2 より前のリリースでは、仮想スイッチは VNIC が作成されたデータリンク経由で間接的に管理されていました。Oracle Solaris 11.2 リリース以降、仮想スイッチは EVS で管理できます。仮想スイッチを明示的に作成して名前を指定したり、仮想スイッチに仮想ポート (VPort) を割り当てたり、IP アドレスのブロックに関連付けたりすることができます。仮想ポートに対しては、優先順位、最大帯域幅、サービスクラス (CoS)、MAC アドレス、IP アドレスなどのプロパティーを設定できます。また、仮想スイッチごとにデフォルトの SLA を構成することもできます。
次の図は、1 つの計算ノード内のエラスティック仮想スイッチ EVS0 を示しています。
図 5-1 計算ノード内のエラスティック仮想スイッチ