Oracle Solaris では、SR-IOV をサポートするネットワークデバイスの仮想機能 (VF) を VNIC または VLAN に関連付けることができます。VF VNIC は専用の VF を所有する VNIC です。VF VNIC は、リソースの共有の点で通常の VNIC とは異なります。通常の VNIC はほかの通常の VNIC とリソースを共有する必要がありますが、VF VNIC はリソースを共有する必要がありません。各 VF は VF VNIC 用の個別のハードウェアリソースです。
VF VNIC を作成できるのは、SR-IOV モードをサポートするデータリンク上だけです。デフォルトでは、データリンクの SR-IOV モードは無効になっています。iov プロパティーを on に設定することで、データリンクの SR-IOV モードを有効にすることができます。データリンクの SR-IOV モードを有効にしたあとの VF VNIC の作成の詳細は、VF VNIC の作成を参照してください。
dladm show-linkprop コマンドでリンクプロパティー iov を指定することで、データリンクの SR-IOV モードを確認できます。出力の EFFECTIVE 列の下の値が off の場合、データリンクの SR-IOV モードは無効になっています。
次の例は、データリンク net0 の SR-IOV モードをどのようにして確認できるかを示しています。
# dladm show-linkprop -p iov net0 LINK PROPERTY PERM VALUE EFFECTIVE DEFAULT POSSIBLE net0 iov rw auto off auto auto,on,off
この例では、データリンク net0 の SR-IOV モードは無効になっています。出力には次の情報が表示されます。
iov リンクプロパティーに対して設定した値を指定します。iov リンクプロパティーを変更しなかった場合、iov リンクプロパティーのデフォルト値は auto です。値 auto は、特定の物理データリンクで SR-IOV モードがデフォルトで有効になっているかどうかを OS が確認することを意味します。
データリンクの実際の SR-IOV モード。デフォルトでは、SRIOV 対応のすべての NIC で、EFFECTIVE 列の下に値 off が表示されます。
次のように iov プロパティーを on に設定することで、データリンク net0 の SR-IOV モードを有効にすることができます。
# dladm set-linkprop -p iov=on net0 # dladm show-linkprop -p iov net0 LINK PROPERTY PERM VALUE EFFECTIVE DEFAULT POSSIBLE net0 iov rw on on auto auto,on,off
同様に、iov リンクプロパティーを off に設定することで、データリンクの SR-IOV モードを無効にすることができます。dladm コマンドの詳細は、dladm(1M) のマニュアルページを参照してください。