このセクションでは、エラスティック仮想スイッチに対して次のタスクを実行する方法について説明します。
エラスティック仮想スイッチに関する情報の表示
エラスティック仮想スイッチのプロパティーの設定
エラスティック仮想スイッチのプロパティーの表示
エラスティック仮想スイッチの情報を表示するには、evsadm show-evs コマンドを使用します。コマンドの構文は次のとおりです。
# evsadm show-evs [-f {fname=value[,...]}[,...]] [-L] [[-c] -o field[,...]] [EVS-switch-name]
出力をフィルタ処理するために使用される、コンマで区切られた名前と値のペア (行の選択)。複数のフィルタが指定されている場合、表示される出力は、フィルタ間での AND 演算の結果です。フィルタ値が複数値である場合、表示される出力は、フィルタ値間での OR 演算の結果です。サポートされるフィルタは次のとおりです。
tenant
evs
host
ipnet
vport
エラスティック仮想スイッチに関連付けられた VLAN ID または VXLAN セグメント ID を表示します。
表示する出力フィールドのコンマ区切りのリストを指定します (大文字と小文字は区別されません)。出力に列として表示される次のフィールドを指定できます。
すべての出力フィールドを表示します。
エラスティック仮想スイッチの名前。
エラスティック仮想スイッチを所有するテナントの名前。
エラスティック仮想スイッチのステータス (アイドルまたはビジー)。VNIC が接続されている VPort が 1 つ以上ある場合、エラスティック仮想スイッチはビジーです。
エラスティック仮想スイッチに関連付けられた仮想ポートの数。
EVS に関連付けられた IP ネットワークのリスト。現在、エラスティック仮想スイッチに関連付けることができる IP ネットワークは 1 つだけです。
エラスティック仮想スイッチが複数のサーバーにまたがるホストのリスト。
次の例では、エラスティック仮想スイッチ ORA の情報が表示されます。
# evsadm show-evs ORA EVS TENANT STATUS NVPORTS IPNETS HOST ORA sys-global busy 1 ora_ipnet s11-client
次の例では、エラスティック仮想スイッチ ORA に関連付けられた VLAN ID が表示されます。
# evsadm show-evs -L EVS TENANT VID VNI ORA tenantA 200 --
出力には次の情報が表示されます。
エラスティック仮想スイッチの名前
エラスティック仮想スイッチを所有するテナントの名前
エラスティック仮想スイッチの実装に使用される VLAN ID
エラスティック仮想スイッチの実装に使用される VXLAN セグメント ID
エラスティック仮想スイッチのプロパティーを設定するには、evsadm set-evsprop コマンドを使用します。コマンドの構文は次のとおりです。
# evsadm set-evsprop [-T tenant-name] -p prop=value[,...] EVS-switch-name
指定したエラスティック仮想スイッチのプロパティーの値を設定します。
EVS は次のプロパティーをサポートします。
maxbw - 指定したエラスティック仮想スイッチに接続するすべての仮想ポートの全二重帯域幅を設定します。この帯域幅は、スケール接尾辞 (K ビット/秒、M ビット/秒、G ビット/秒を示す K、M、G) が付いた整数として指定されます。単位が指定されていない場合、入力値は M ビット/秒として読み取られます。デフォルトでは、帯域幅の制限はありません。
priority - 指定したエラスティック仮想スイッチに接続するすべての仮想ポートのデフォルトの優先度を設定します。指定できる値は、high、medium、または low です。デフォルト値は medium です。この優先順位は、回線上のどのプロトコル優先順位フィールドでも反映されませんが、システム内のパケット処理スケジューリングに使用されます。優先順位の高い VPort では、システムリソースの可用性に応じて待機時間が短縮されます。
この例は、エラスティック仮想スイッチ ORA のプロパティーを設定する方法を示しています。
# evsadm set-evsprop -p maxbw=200 ORA # evsadm set-evsprop -p priority=high ORA
エラスティック仮想スイッチのプロパティーを表示するには、evsadm show-evsprop コマンドを使用します。コマンドの構文は次のとおりです。
# evsadm show-evsprop [-f {fname=value[,...]}[,...] [[-c] -o field[,...]] \ [-p prop[,...]] [EVS-switch-name]
出力をフィルタ処理するために使用される、コンマで区切られた名前と値のペア (行の選択)。複数のフィルタが指定されている場合、表示される出力は、フィルタ間での AND 演算の結果です。フィルタ値が複数値である場合、表示される出力は、フィルタ値間での OR 演算の結果です。サポートされるフィルタは次のとおりです。
tenant – エラスティック仮想スイッチのプロパティーをテナント名でフィルタ処理します
evs – エラスティック仮想スイッチのプロパティーをエラスティック仮想スイッチ名でフィルタ処理します
host – エラスティック仮想スイッチのプロパティーをホスト名でフィルタ処理します
Example 6–8 は、フィルタ値に基づいた出力を示しています。
表示する出力フィールドのコンマ区切りのリストを指定します (大文字と小文字は区別されません)。出力に列として表示される次のフィールドを指定できます。
すべての出力フィールドを表示します。
エラスティック仮想スイッチの名前。
エラスティック仮想スイッチを所有するテナントの名前。
エラスティック仮想スイッチのプロパティーの名前。
プロパティーの読み取り権または書き込み権。表示される値は、r- または rw のいずれかです。
現在のプロパティー値。値が設定されていない場合は、-- と表示されます。値が不明な場合は、? と表示されます。
プロパティーのデフォルト値。プロパティーにデフォルト値がない場合は、-- が表示されます。
プロパティーに指定可能な値のコンマ区切りのリスト。指定可能な値が不明または無限の場合は、-- が表示されます。
次の例では、エラスティック仮想スイッチ ORA 用に構成されたプロパティーが表示されます。
# evsadm show-evsprop ORA EVS TENANT PROPERTY PERM VALUE DEFAULT POSSIBLE ORA sys-global maxbw rw 200 -- -- ORA sys-global priority rw high medium low,medium,high ORA sys-global tenant r- -- -- --
次の例では、エラスティック仮想スイッチ HR および ORA の出力が表示されます。この例では、evs フィルタを指定して、エラスティック仮想スイッチ HR および ORA の出力を取得します。
# evsadm show-evsprop -f evs=HR,ORA EVS TENANT PROPERTY PERM VALUE DEFAULT POSSIBLE HR tenantA maxbw rw 300 -- -- HR tenantA priority rw -- medium low,medium,high HR tenantA tenant r- -- -- -- ORA sys-global maxbw rw -- -- -- ORA sys-global priority rw -- medium low,medium,high ORA sys-global tenant r- -- -- --