既存のユーザーのため、このセクションでは、このリリースでの重要な変更点を示します。
Oracle Solaris エラスティック仮想スイッチ (EVS) 機能 - Oracle Solaris ネットワーク仮想化機能は、仮想スイッチを直接管理できるように拡張されています。Oracle Solaris エラスティック仮想スイッチ機能は、複数のサーバー上に存在する仮想マシンを相互接続するデータセンターやマルチテナントクラウド環境に、仮想ネットワークインフラストラクチャーを提供します。同じエラスティック仮想スイッチに接続された仮想マシンは、互いに通信できます。EVS を使用すると、複数のホスト上の仮想スイッチを集中管理でき、したがってエラスティック仮想スイッチに接続された VNIC を集中管理できます。詳細は、Chapter 5, エラスティック仮想スイッチについてを参照してください。エラスティック仮想スイッチを管理する方法についての詳細は、Chapter 6, エラスティック仮想スイッチの管理を参照してください。
仮想拡張ローカルエリアネットワーク (VXLAN) のサポート - Oracle Solaris は、大規模なデータセンターでの仮想化をサポートするための分離方法を提供する、VXLAN テクノロジをサポートします。これにより、クラウド環境で異なるレイヤー 2 ネットワークに属する物理サーバーの間で、仮想マシンを移行できます。詳細は、Chapter 3, 仮想拡張ローカルエリアネットワークを使用することによる仮想ネットワークの構成を参照してください。
シングルルート I/O 仮想化 (SR-IOV) のサポート - この機能により、SR-IOV をサポートするネットワークデバイスに、仮想機能 (VF) ベースの VNIC を作成できます。詳細は、VNIC でのシングルルート I/O 仮想化の使用を参照してください。
ゾーンでの仮想ネットワークインタフェースカード (VNIC) の一時的な作成 – VNIC を一時的に、大域ゾーンから非大域ゾーン内に直接作成できます。一時的な VNIC を作成するには、dladm create-vnic コマンドで –t オプションを使用する必要があります。一時的な VNIC はゾーンの次回のリブートまで保持されます。一時的な VNIC の作成に加えて、ゾーンに VLAN と IP over InfiniBand (IPoIB) のパーティションを一時的に作成することもできます。詳細は、ゾーンで一時的に VNIC を作成する方法を参照してください。
外部スイッチを使用することによる VNIC 間の通信 - Oracle Solaris 11.2 の反射型リレー機能を使用すると、ベースとなる同じ物理 NIC を共有するローカルの Oracle Solaris ゾーンまたは Oracle VM の間のトラフィックが、ホストの仮想スイッチではなく、常に強制的に物理ネットワークに送信されるようにすることができます。これらのエンティティー間の通信は、反射型リレー機能をサポートする外部スイッチ上で構成されたポリシーに従います。詳細は、同じ物理ポート上の VM 間の切り替えの制御を参照してください。
ネットワークトラフィックの統計情報をモニターするための拡張機能 - 拡張された dlstat コマンドと flowstat コマンドを使用すると、ネットワークトラフィックの統計情報を効果的にモニターできます。ネットワークトラフィックの統計情報をモニターするための拡張機能は次のとおりです。
ネットワークトラフィックの統計情報は現在の時間とともに表示されます。
ネットワークトラフィックの統計情報は、指定された間隔とカウントの値に基づいて表示およびリフレッシュされます。
ネットワークトラフィックの統計情報は、指定された間隔値に基づく 1 秒あたりの変化量で表示されます。
拡張機能の詳細は、ネットワークデバイスのネットワークトラフィックの統計情報の表示および フロー上のネットワークトラフィックの統計情報の表示を参照してください。
フロー構成の変更 – 拡張された flowadm add-flow コマンドを使用すると、さらに多くの属性とその新しい組み合わせに基づいてデータリンク上にフローを構成することができ、さまざまなポート、トランスポートプロトコル、および IP アドレスから受信されるネットワークパケットを選択的に整理できます。詳細は、フローを使用することによるネットワークリソースの管理を参照してください。
フローを管理するために使用する帯域幅プロパティーに加えて、flowadm set-flowprop コマンドを使用してフローの priority プロパティーを設定できます。priority プロパティーを設定することによって、フローの優先順位を設定できます。新しい読み取り専用プロパティー、hwflow を使用すると、フローがどのようにインスタンス化されているかを確認できます。詳細は、フローの構成を参照してください。
VNIC に関連付けられた複数の MAC アドレスの表示 - 拡張された dladm show-vnic コマンドを使用すると、VNIC に関連付けられた複数の MAC アドレスを表示できます。詳細は、複数の MAC アドレスを持つ VNIC を表示を参照してください。
システムで作成された VNIC - dladm create-vnic コマンドを使用することによって作成できる VNIC に加えて、システムも VNIC を作成します (システムで作成された VNIC と呼ばれます)。詳細は、仮想ネットワークのコンポーネントを構成するためのコマンドを参照してください。
データリンクの物理および仮想リンク状態の表示 – dladm show-phys コマンドと dladm show-ether コマンドを使用すると、データリンクの物理リンク状態を表示できます。データリンクの仮想リンク状態を表示するには、dladm show-link コマンドを使用できます。詳細は、データリンクの物理および仮想リンク状態の表示を参照してください。
データリンクプロパティーの有効値の表示 - dladm show-linkprop コマンドは、データリンクプロパティーの EFFECTIVE フィールドを表示するように拡張されています。EFFECTIVE フィールドの値は、リソースの可用性、ベースとなるデバイスの容量、またはピアとのネゴシエーションに基づいて、システムによって決定されます。有効値は構成した値と同じである必要はありません。データリンクプロパティーは、プロパティーに値が構成されていない場合でも、有効値を持つことができます。