Oracle® Solaris ゾーンの作成と使用

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更新: 2015 年 5 月
 
 

共有 IP ゾーン内の IP ネットワークマルチパス

Oracle Solaris では、IP ネットワークマルチパス (IPMP) が複数のインタフェースを同一の IP リンク上でグループ化することによって、継続的なネットワーク可用性を確保します。これらのベースとなるインタフェースは、そのいずれかに障害が発生した場合でもネットワークを引き続き利用できるように互いにバックアップします。IPMP も、複数のインタフェースを保持するシステムについて、パケットの負荷分散を提供します。

IPMP は、次の方法で Oracle Solaris に実装されます。

  • net0net1net2 などの複数のインタフェースから、IPMP インタフェース ipmp0 が構成されます。

  • IPMP インタフェース ipmp0 は、データアドレスと呼ばれる複数の IP アドレスで構成されます。これらのアドレスは、ネットワークトラフィックのホストに使用されます。

  • IP アドレスは、ベースとなるインタフェース netN 上に直接構成することもできます。これらのアドレスは、ネットワークトラフィックには使用されませんが、ベースとなるインタフェースに障害が発生しているかどうかを判断する障害検出に使用されます。したがって、ベースとなるインタフェース上のこれらの IP アドレスは検査用アドレスと呼ばれます。

データアドレスは ipmp0 に存在するので、ベースとなる IP インタフェースの 1 つに障害が発生した場合でも、ネットワークを引き続き利用できます。トラフィックは、ipmp0 の別のアドレスを使用して引き続き送られます。

すべてのネットワーク構成タスクと同様に、IPMP は大域ゾーンで構成します。そのあとで非大域ゾーンに機能を拡張します。機能の拡張は、IPMP インタフェースのデータアドレスの 1 つをゾーンに割り当てることによって行います。

指定された非大域ゾーンで ipadm コマンドを使用すると、ゾーンに関連するインタフェースだけが表示されます。

IP ネットワークマルチパス機能を共有 IP 非大域ゾーンに拡張する方法を参照してください。ゾーンの構成手順については、ゾーンの構成方法を参照してください。IPMP の機能、コンポーネント、および使用法の詳細は、Oracle Solaris 11.2 での TCP/IP ネットワーク、IPMP、および IP トンネルの管理 の第 2 章IPMP の管理についてを参照してください。