Oracle® Solaris ゾーンの作成と使用

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更新: 2015 年 5 月
 
 

ゾーンの構築

このセクションの内容は、既存のゾーンのクローニングにではなく、初期のゾーン構築に適用されます。

ゾーンは、zoneadm install –m コマンドに渡されるマニフェストによって指定されたパッケージを使用してインストールされます。マニフェストが指定されない場合、デフォルトのマニフェストは pkg:/group/system/solaris-small-server を使用します。新しいゾーンは、デフォルトの solaris 構成とログ (SMF リポジトリの /etc/var) を保持し、これらは、zoneadm install –s に渡されたプロファイル、およびすべての zonecfg add net エントリに指定されたネットワーク接続情報によって変更されるだけです。

システムリポジトリ、ゾーンの構成されたパブリッシャー、および大域ゾーンとの同期が維持されたパッケージについては、Chapter 9, ゾーンがインストールされている Oracle Solaris 11.2 システムでの自動インストールおよびパッケージを参照してください。

ゾーンのルートファイルシステムに必要とされるファイルは、システムによりゾーンのルートパス内にインストールされます。

正常にインストールされたゾーンは、ブートと初期ログインの準備が整っています。

ゾーンのインストール時に、次の場所からデータが参照またはコピーされます。

  • インストールされていないパッケージ

  • CD および DVD 内のデータ

  • ネットワークインストールイメージ

また、大域ゾーンに存在可能な、次のタイプの情報は、インストール中のゾーンにはコピーされません。

  • /etc/passwd ファイル内の新規または変更されたユーザー

  • /etc/group ファイル内の新規または変更されたグループ

  • DHCP アドレスの割り当てなどのネットワークサービスの構成

  • sendmail などのネットワークサービスのカスタマイズ

  • ネームサービスなどのネットワークサービスの構成

  • 新規または変更された crontab、プリンタ、およびメールファイル

  • システムログ、メッセージ、およびアカウンティングファイル

Oracle Solaris 監査を使用する場合、ファイルへの変更が必要になる場合があります。詳細は、ゾーン内での Oracle Solaris 監査の使用を参照してください。

ゾーンの状態がインストール済みから準備完了に移行する際、構成ファイルで指定されたリソースセットが追加されます。システムにより、一意のゾーン ID が割り当てられます。ファイルシステムがマウントされ、ネットワークインタフェースが設定され、デバイスが構成されます。準備完了状態に移行すると、仮想プラットフォームでユーザープロセスを開始する準備が整います。準備完了状態では、仮想プラットフォームを管理するため、zsched および zoneadmd プロセスが開始されます。

  • sched に類似したシステムスケジューリングプロセスである zsched が、ゾーンに関連付けられたカーネルリソースの追跡に使用されます。

  • zoneadmd は、ゾーン管理デーモンです。

準備完了状態のゾーンには、稼働中のユーザープロセスは存在しません。準備完了状態のゾーンと稼働中のゾーンの主な違いは、稼働中のゾーンでは 1 つ以上のプロセスが稼働している点です。詳細は、init(1M) のマニュアルページを参照してください。