Oracle® Solaris Studio 12.4: dbx コマンドによるデバッグ

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更新: 2015 年 1 月
 
 

コンパイラによる OpenMP コードの変換

OpenMP のデバッグをより適切に説明するには、OpenMP コードがコンパイラによってどのように変換されるかを理解することが役立ちます。次に Fortran の例を示します。

1    program example
2        integer i, n
3        parameter (n = 1000000)
4        real sum, a(n)
5    
6        do i = 1, n
7        a(i) = i*i
8        end do
9    
10        sum = 0
11    
12    !$OMP PARALLEL DO DEFAULT(PRIVATE), SHARED(a, sum)
13    
14        do i = 1, n
15        sum = sum + a(i)
16        end do
17    
18    !$OMP END PARALLEL DO
19    
20        print*, sum
21        end program example

行 12 ~ 18 のコードは並列領域です。f95 コンパイラは、コードのこのセクションを、OpenMP 実行時ライブラリから呼び出されるアウトラインサブルーチンに変換します。このアウトラインサブルーチンには、内部で生成された名前が付きます。この場合は _$d1A12.MAIN_ です。次に f95 コンパイラは、OpenMP 実行時ライブラリへの呼び出しによって並列領域用にコードを置換して、アウトラインサブルーチンを引数の 1 つとして渡します。OpenMP 実行時ライブラリはすべてのスレッド関連実行を処理し、アウトラインサブルーチンを並列で実行するスレーブスレッドをディスパッチします。C コンパイラも同様に動作します。

OpenMP プログラムをデバッグするときには、アウトラインサブルーチンは dbx によって別の関数として扱われますが、内部生成された名前を使用して関数内のブレークポイントを明示的に設定することはできません。