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Oracle® ZFS Storage Appliance 管理ガイド、Release OS8.6.x

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更新: 2016 年 9 月
 
 

ファイルシステムとプロジェクト領域の管理

割り当て制限と予約を強制するもっとも簡単な方法は、プロジェクトまたはファイルシステムごとにそれを行うことです。割り当て制限と予約は LUN には適用されませんが、それらの使用状況はプロジェクトの割り当て制限または予約の合計の中で表示されます。

データの割り当て制限 - データの割り当て制限は、ファイルシステムまたはプロジェクトが使用できる領域の量に対して制限を強制します。デフォルトでは、これにはファイルシステム内のデータおよびすべてのスナップショットが含まれます。新しいデータの書き込みを試みているクライアントでは、ファイルシステムがいっぱいになるとエラーが発生しますが、これは割り当て制限のためか、またはストレージプールの領域不足のためです。スナップショットの領域管理で説明しているように、この動作は、特にスナップショットを使用している状況では理解しにくいことがあります。データブロックがスナップショットによって参照される場合、ファイルを削除するとファイルシステムによって新しいデータが書き込まれる可能性があります。このため、領域使用量を減少させる唯一の方法が既存のスナップショットを破棄することになる場合があります。

「スナップショットを含める」プロパティーを設定しない場合、割り当て制限はファイルシステムによって参照される即時データにのみ適用され、スナップショットには適用されません。スナップショットで使用される領域はプロジェクトレベルの割り当て制限によって強制的に設定されますが、それ以外の場合には設定されません。この状況では、スナップショットによって参照されるファイルを削除すると、システムが全体として使用している領域が増えても、ファイルシステムで参照されるデータは減少します。(ファイルシステムが事前設定の割り当て制限に到達した場合とは対照的に) ストレージプールがいっぱいになった場合、領域を解放する唯一の方法がスナップショットを破棄することになる場合があります。

データの割り当て制限は厳格に強制されます。つまり、書き込みが認識されるまで正確なデータの書き込み量がわからないため、領域使用量が限界に近づいたときに、書き込めるデータ量を調整する必要があります。割り当て制限に到達したか、またはそれに近づいた状態で操作すると、パフォーマンスに影響する可能性があります。このため、一般的には、通常の操作手順の実行中には割り当て制限を下回ったままになるようにすることをお勧めします。

BUI で割り当て制限を管理するには、「シェア」>「一般」>「領域の使用」>「データ」に移動します。CLI で管理するには、quota および quota_snap プロパティーを使用します。

データの予約 - データの予約は、システム内のほかのシェアがより多くの領域を使用しようとしている場合でも、ファイルシステムまたはプロジェクトに少なくとも一定量の使用可能な領域を確保するために使用します。この未使用の予約はファイルシステムの一部とみなされるため、プール (またはプロジェクト) の残りが容量に達した場合、ほかのシェアが領域不足になってもファイルシステムでは引き続き新しいデータを書き込むことができます。

デフォルトでは、予約にはファイルシステムのすべてのスナップショットが含まれます。「スナップショットを含める」プロパティーを設定しない場合、予約はファイルシステムの即時データにのみ適用されます。スナップショット取得時の動作は理解しにくいことがあります。(スナップショットではなく) ファイルシステムデータに対する予約が有効な場合、スナップショットを取得するときは必ず、たとえそうなることがなくても、そのスナップショットが完全に分岐するのに十分な領域をシステムで予約する必要があります。たとえば、スナップショットのない 50G のファイルシステムで 100G を予約している場合、最初のスナップショットの取得で 50G の追加領域が予約され、最終的にはこのファイルシステムで合計 150G の領域が予約されます。データの完全な分岐を保証できるだけの十分な領域がない場合、スナップショットの取得は失敗します。

BUI で予約を管理するには、「シェア」>「一般」>「領域の使用」>「データ」に移動します。CLI で管理するには、reservation および reservation_snap プロパティーを使用します。

LUN のレプリケーションのための領域管理 - LUN を作成すると、(シンプロビジョニングされないかぎり) その LUN 用に構成した十分な物理領域が予約され、ほかのファイルシステムでは使用できません。レプリケーションでは、任意のサイズの LUN のスナップショットを取る場合、使用された LUN 領域の大きさに応じて、最大で LUN の 2 倍のサイズの領域も予約されます。

次のリストに、LUN のレプリケート時に必要な最大オーバーヘッド領域を示します。

  • 更新と更新の合間のソースでは最大 100%

  • 更新中のソースでは最大 200%

  • ターゲットでは最大 200%