Oracle Solaris Studio 12.4 Man Pages

印刷ビューの終了

更新: January 2015
 
 

er_archive(1)

名前

er_archive - パフォーマンスアナライザの実験用の関連付けられたアプリケーションバイナリとソースのアーカイブ

形式

er_archive  [ -nqF ] [-s option [-m regexp ] ]
     experiment-name

er_archive -V

説明

er_archive は、パフォーマンスアナライザの実験内にアプリケーションバイナリとソースをコピーして、実験を自己完結型で移植性のあるものにします。

-s all または -s used を指定すると、ソースとオブジェクトファイルがアーカイブされます。ソースのアーカイブは、プロファイリングされたアプリケーションにソースレベルの違いがあるときに、実験の比較を行うために必要です。

アプリケーションバイナリのアーカイブ

デフォルトでは、実験が作成されると自動的にバイナリがアーカイブされます。ただし、次の状況ではアーカイブは行われません。

  • プロファイリングされたアプリケーションが、正常に終了する前に終了する場合

  • 実行中のプロセスをプロファイリングしている場合

  • プロファイリングするときに、(たとえば、collect -A off を使用して) アーカイブを明示的に無効にした場合

そのような場合は、プロファイリングデータが記録されているマシンと同じマシンで、er_archive を明示的に実行する必要があります。

一部の Java アプリケーションは共有オブジェクトを jar ファイルに格納します。デフォルトでは、そのような共有オブジェクトは自動的にはアーカイブされません。jar ファイルに格納されている共有オブジェクトをアーカイブするには、.er.rc ファイルに addpath ディレクティブを含める必要があります。addpath ディレクティブは jar ファイルへのパス (jar ファイル自体を含む) を指定するようにしてください。.er.rc ファイルはユーザーホームディレクトリまたは実験の親ディレクトリに保存してください。

アプリケーションソースのアーカイブ

デフォルトでは、アプリケーションソースファイルは実験内にアーカイブされません。ソースレベルの違いを調べたい場合は、実験を比較する前に各実験で er_archive -s all または er_archive -s used を実行してください。これにより、元のソースファイルが変更されたりアクセスできなくなった場合でも、ソースファイルを確実に実験で使用できるようになります。

er_archive -s は、見つからなかったソースファイルを報告します。見つけられなかったファイルをアーカイブするには、.er.rc ファイルに addpath および pathmap ディレクティブを追加してください。addpath および pathmap の詳細は、 er_print (1) のマニュアルページを参照してください。

アプリケーションソースの自動アーカイブ

環境変数 SP_ARCHIVE_ARGS を設定して、実験の完了時に自動的にソースのアーカイブが行われるようにすることができます。SP_ARCHIVE_ARGS 環境変数には、引数のペアとして -s 引数および -m 引数と、1 つ以上の空白で区切られたオプションを含めることができます。コマンド行で -s 引数が複数指定されている場合は、最後の引数が優先されます。-s がコマンド行で渡されると同時に、環境変数によっても設定されている場合は、環境変数のオプションが優先されます。

データ収集中のソースの自動アーカイブを、SP_ARCHIVE_ARGS 変数を使用するか、collect -A src、または collect -A usedsrc を使用して有効にする場合は、er_archive -s all または er_archive -s used を実行することでソースファイルが正しく解決されていることを確認する必要があります。

オプション

-n

名前付きの実験のみをアーカイブし、子孫はアーカイブしません。

-q

どの警告も stderr に書き込みません。警告は .archive ファイルに組み込まれ、analyzer または er_print の出力に表示されます。

-F

.archive ファイルを強制的に書き込み、または再書き込みします。この引数を使用すると、er_archive を手動で実行し、警告を含むファイルを再書き込みできます。

-A

必要なくなっており、使用されている場合は無視されます。

-s option

ソースファイルのアーカイブを指定します。option に使用できる値は次のとおりです。

no

どのソースファイルもアーカイブしません。

all

見つかったすべてのソース、オブジェクト、および .anc ファイルをアーカイブします。

used[src]

実験で記録されたデータの対象となる関数に関連しており、かつ見つかったソース、オブジェクト、および .anc ファイルをアーカイブします。

コマンド行または環境変数で -s 引数が複数指定されている場合は、指定されたすべてのオプションが同じである必要があります。そうでない場合、er_archive はエラーで終了します。

-m regex

-s フラグで指定されており、かつ実行可能ファイルまたは共有オブジェクト内に記録されているそのフルパス名が指定されている regex に一致するソース、オブジェクト、および .anc ファイルのみをアーカイブします。regex の詳細は、regex(5) のマニュアルページを参照してください。

コマンド行または環境変数で複数の -m 引数を指定できます。ソースファイルがいずれかの式に一致している場合は、そのファイルがアーカイブされます。

-V

er_archive のバージョン番号の情報を書き込み、終了します。

互換性

互換性

er_archive は、以前のバージョンのツールで記録された実験では機能しません。このような実験で呼び出された場合は、警告が出力されます。その実験が記録されたリリースの er_archive のバージョンを使用してください。

関連項目

analyzer (1) , collect (1) , collector (1) , er_print (1)

パフォーマンスアナライザマニュアル