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マニュアルページ セク ション 1M: シ ステム管理コマン ド

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更新: 2016年12月6日
 
 

fmthard(1M)

名前

fmthard - ハードディスクへのラベルの設定

形式

SPARC

fmthard -d data | -n volume_name | -s datafile [-i] /dev/rdsk/c? 
     [t?] d?s2

x86

fmthard -d data | -n volume_name | -s datafile [-i] /dev/rdsk/c? 
     [t?] d?s2

説明

fmthard コマンドは、ハードディスクの VTOC (ボリューム構成テーブル) を更新し、さらに x86 システムでは Solaris fdisk パーティションにブート情報を追加します。ディスクラベルへの変更を要求するには、–s datafile– d data、または –n volume_name のうち、1 つ以上のオプションを指定する必要があります。ディスクラベルの内容を出力する場合は、prtvtoc(1M) を参照してください。/dev/rdsk/c?[t?]d?s2 ファイルは、新しいラベルをインストールするデバイスの文字型特殊ファイルでなければなりません。x86 システムの場合、fmthard を使用する前に、ドライブに対して fdisk(1M) を実行する必要があります。

x86 システムを使用しているユーザーは、このページの「パーティション」という用語が、x86 マシン上の x86 fdisk パーティション内のスライスを指していることに注意してください。fmthard で作成されるパーティションと fdisk で作成されるパーティションを混同しないでください。

オプション

サポートしているオプションは、次のとおりです。

–d data

このオプションの data 引数は、現在の VTOC 内の特定のパーティションの情報を表す文字列です。この文字列の形式は part:tag:flag:start:size になっている必要があります。ここで、part はパーティション番号、tag はパーティションの ID タグ、flag は一連のアクセス権フラグ、start はパーティションの開始セクター番号、size はパーティション内のセクター数です。これらのフィールドの詳細については、後述の datafile の説明を参照してください。

–i

このオプションを指定した場合、このコマンドは目的の VTOC テーブルを作成するものの、ディスクの VTOC を変更しないで標準出力に情報を出力します。

–n volume_name

このオプションを使用すると、8 文字までの長さの volume_name がディスクに設定されます。

–s datafile

このオプションを使用すると、ユーザーが作成した datafile に従って VTOC に情報が設定されます。datafile- (ハイフン) の場合、fmthard は標準入力から情報を読み取ります。datafile の形式については後述します。このオプションでは、すべてのディスクパーティションのタイムスタンプフィールドがゼロに設定されます。

fmthard が生成するすべての VTOC には規則上、ディスク全体に対応するパーティション 2 も含まれます。datafile の入力にパーティション 2 のエントリが指定されていなかった場合、パーティション 2 のデフォルトエントリが VTOC 内に自動的に作成され、そのタグは V_BACKUP に、サイズはディスク全体のサイズに等しくなります。

datafile には、パーティション 0 から順に、パーティションごとに指定行が 1 つずつ含まれます。各行は復帰改行文字 (\n) で区切ります。行の先頭文字がアスタリスク (*) の場合、その行はコメント行とみなされます。各行は位置に依存するエントリからなり、スペースで区切ります。形式は次のとおりです。

partition tag flag starting_sector size_in_sectors

この場合、エントリには次の値が含まれます。

partition

パーティション番号。Solaris SPARC では現在のところ、1 つのディスクに 0 から 7 までの最大 8 個のパーティションを作成できます。partition フィールドは 4 ビットですが、現時点では 3 ビットしか使用されていません。x86 の場合は 4 ビットすべてが使用されるため、0 から 15 までのスライスを使用できます。各 Solaris fdisk パーティションには 16 個までのスライスを作成できます。

tag

パーティションタグ: 10 進数。予約済みのコードを次に示します。0 (V_UNASSIGNED)、1 (V_BOOT)、2 (V_ROOT)、3 (V_SWAP)、 4 (V_USR)、5 (V_BACKUP)、6 (V_STAND)、7 (V_VAR)、8 (V_HOME)、12 (V_SYSTEM)、および 24 (V_BIOS_BOOT)。

flag

このフラグを使用すると、マウント不可能と読み取り専用のいずれかのフラグをパーティションに付けることができます。なお、マスクは V_UNMNT 0x01V_RONLY 0x10 です。マウント可能なパーティションでは 0x00 を使用します。

starting_sector

パーティションの開始セクター番号 (10 進数)。

size_in_sectors

パーティションによって占有されるセクターの数 (10 進数)。

prtvtoc コマンドの出力をファイルに保存して編集し、それを –s オプションの datafile 引数として使用できます。

属性

属性についての詳細は、マニュアルページの attributes(5) を参照してください。

属性タイプ
属性値
使用条件
system/core-os

関連項目

uname(1), format(1M), prtvtoc(1M), attributes(5)

x86 のみ

fdisk(1M), installgrub(1M)

既存の VTOC を上書きする際には特に注意してください。不正なエントリが設定されると、現在のデータにアクセスできなくなる可能性があります。念のため、古い VTOC を保存してください。

ディスクの容量が 2 テラバイト未満の場合、fmthard は、ラベルの付いていないディスクに VTOC を書き込むことができません。そのような目的には format(1M) を使用してください。