nscfg - ネームサービス構成のインポート、エクスポート
/usr/sbin/nscfg command [cmd_options] [operands]
/usr/sbin/nscfg import [-fnvq] FMRI]
/usr/sbin/nscfg export [-nvq] FMRI]
/usr/sbin/nscfg unconfig [-nvq] FMRI]
/usr/sbin/nscfg validate [-vq] FMRI]
/usr/sbin/nscfg help
nscfg ユーティリティーは、レガシーネームサービス構成ファイルを、SMF リポジトリにインポートまたは SMF リポジトリからエクスポートします。有効な SMF 構成および対応する FMRI が指定された場合、nscfg は、nsswitch.conf、resolv.conf、nscd.conf などのレガシーネームサービス構成ファイルを従来の場所に再生成します。あるいは、SMF リポジトリに現在データが取り込まれていない場合、nscfg はそれらの同じ構成ファイルをインポートして SMF リポジトリに取り込むことができます。
nscfg のオペランドに指定できる SMF サービスは次のとおりです。多くの場合、SMF サービスによって置き換えられるレガシー構成ファイルが示されています。
レガシーファイル: /etc/nsswitch.conf
ネームサービススイッチの構成 (nscd で使用される)。
レガシーファイル: /etc/nscd.conf
ネームサービスキャッシュ (nscd)。
レガシーファイル: /etc/resolv.conf
DNS ネームサービス。
レガシーファイル: /etc/defaultdomain
レガシーファイル: /var/yp/binding/$DOMAIN/*
共有 NIS ドメイン構成。すべての NIS サービスで使用されます。また、LDAP ネームサービスと (従来) 共有で使用されます。nis/client または ldap/client を使用する場合は、有効にする必要があります。
NIS クライアントのネームサービス (ypbind および関連)
レガシーファイル: /var/ldap/*
LDAP クライアントのネームサービス (ldap_cachemgr および関連)。
NIS サーバーサービス (ypserv)。
NIS サーバー passwd サービス (rpc.yppasswd)。
NIS サーバー xfr サービス (ypxfrd)
NIS サーバー update サービス (rpc.ypupdated)
レガシー構成ファイルを SMF サービスにインポートします。
次のサービスの構成は、場所プロファイルによって管理されます:
svc:/system/name-service/switch:default svc:/network/dns/client:default svc:/network/nis/domain:default svc:/network/nis/client:default svc:/network/ldap/client:default
場所プロファイルの詳細は、netcfg(1M)を参照してください。
これらのプロファイルは、固定 (つまり、ネットワーク構成は従来の方法で管理される) とリアクティブ (つまり、ネットワーク構成は自動的に管理され、プロファイルに指定されたポリシールールに従ってネットワーク環境の変更に反応する) のいずれかです。
固定の場所 (現在、場所として DefaultFixed の 1 つのみが存在できます) がアクティブの場合、その場所が無効のときに、SMF リポジトリに対する変更 (nscfg を使用して行われる変更を含む) がその場所に適用されるため、その場所が後で再度有効にされた場合に、変更が復元されます。
リアクティブな場所がアクティブのときは、変更は SMF リポジトリに直接適用すべきではありません。これらの変更は場所プロファイルに保持されないため、場所が無効にされるか、svc:/network/physical:default および svc:/network/location:default によって管理されるシステムのネットワーク構成がリフレッシュまたは再起動された場合に失われます。代わりに、変更は、netcfg(1M) コマンドを使用して場所自体に適用すべきです。これによって、変更は場所プロファイルリポジトリに保存され、SMF リポジトリにも適用されます (現在アクティブな場所に対して変更が行われた場合)。
nscfg ユーティリティーは、次のサブコマンドをサポートします。オプションについてはサブコマンドの文脈で説明します。
指定された FMRI の SMF リポジトリのプロパティーが現在どれも取り込まれていない場合は、指定された FMRI に関連付けられたレガシー構成ファイルを SMF リポジトリにインポートします。
–f を指定すると、SMF リポジトリに現在データが取り込まれている場合でも、レガシー構成のものが強制的に取り込まれます。
–v を指定すると、要求された操作の実行中、詳細な進捗状況メッセージが発行されます。–q を指定すると、要求された操作の実行中、エラーやその他のメッセージは発行されません。
指定された FMRI の SMF 構成をレガシー構成ファイルにエクスポートします。この操作は、影響を受ける既存のレガシーファイルをすべて削除し、SMF 構成を使用して新しいものを生成します。
指定された FMRI の SMF 構成を構成解除します。この操作は、指定された FMRI および既存のすべてのレガシーファイルを、初期の未構成状態にリセットします。
–v を指定すると、要求された操作の実行中、詳細な進捗状況メッセージが発行されます。–q を指定すると、要求された操作の実行中、エラーやその他のメッセージは発行されません。
指定された FMRI の SMF 構成を検証します。この操作は、現在の構成を検査し、エラーが存在するかどうかを確認します。
–v を指定すると、要求された操作の実行中、詳細な進捗状況メッセージが発行されます。–q を指定すると、要求された操作の実行中、エラーやその他のメッセージは発行されません。
次のコマンドは、resolv.conf に格納されている DNS クライアント構成を SMF リポジトリにインポートします。
# nscfg import svc:/network/dns/client:default使用例 2 SMF LDAP クライアント構成をエクスポートする
次のコマンドは、SMF LDAP クライアント構成を /var/ldap 内のレガシー構成ファイルにエクスポートします。
# nscfg export svc:/network/ldap/client:default使用例 3 ネームサービススイッチの構成をリセットする
次のコマンドは、ネームサービススイッチの構成を、初期の未構成状態にリセットします。このコマンドは出力を生成せず、メッセージを表示することなくステータスのみで終了します。
# nscfg unconfig -q svc:/system/name-service/switch:default使用例 4 LDAP クライアント構成を検証する
次のコマンドは、LDAP クライアント構成にエラーや不整合がないか検証します。このコマンドは出力を生成せず、メッセージを表示することなくステータスのみで終了します。
# nscfg validate -q svc:/network/ldap/client:default
コマンドが正常に実行されました。
エラーが発生した。
構成は変更されていません、変更は不要です。
インポートする構成がありません。
/etc/default/{nss, yppasswd}
/etc/defaultdomain
/etc/nscd.conf
/etc/nsswitch.conf
/etc/resolv.conf
/var/ldap/ldap_client_cred
/var/ldap/ldap_client_file
/var/yp/binding/{nisdomainname}/ypservers
/var/yp/NISLDAPmapping
/var/yp/securenets
/var/yp/updaters
属性についての詳細は、マニュアルページの attributes(5) を参照してください。
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svcs(1), ldapclient(1M), netcfg(1M), nscd(1M), svcadm(1M), svccfg(1M), ypinit(1M), defaultdomain(4), nsswitch.conf(4), resolv.conf(4), ypfiles(4), attributes(5)