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マニュアルページ セク ション 1M: シ ステム管理コマン ド

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更新: 2016年12月6日
 
 

format(1M)

名前

format - ディスクのパーティション分割および保守のためのユーティリティー

形式

format [-f command-file] [-l log-file] [-x data-file] 
     [-d disk-name] [-t disk-type] [-p partition-name] 
     [-s] [-m] [-M] [-e] [disk-list]
format -L label-type -d disk-name

説明

format を使用すると、システムディスクのフォーマット、ラベル付け、修復、および分析が行えます。従来のディスク保守用プログラムとは異なり、format は SunOS 環境で実行します。システムの稼働中はシステムディスクへの操作が制限されるので、format はメモリー常駐型のシステム環境でも使用することができます。しかし、大部分のアプリケーションでは、SunOS 環境で format を実行する方が簡単です。

–x オプションが指定されると、format は最初に data-file で定義されているディスクリストを使用します。次に format は、FORMAT_PATH 環境変数、コロンで区切られたファイル名またはディレクトリ (あるいはその両方) のリストを調べます。ディレクトリの場合、format はそのディレクトリで format.dat というファイルを検索します。ファイル名は絶対パス名でなければならず、そのまま使用されます。format は指定された各ファイルのディスクおよびパーティション定義をすべて作業用セットに追加します。複数の同じ定義は無視され、そのことが通知されることはありません。FORMAT_PATH が設定されていない場合、パスはデフォルトで /etc/format.dat になります。

disk-list は、c?t?d?/dev/rdsk/c?t?d?s?、または /dev/chassis/?/disk 形式のディスクリストです。最後の 2 つの形式では、シェルのワイルドカード指定がサポートされています。たとえば、/dev/rdsk/c2* を指定すると、format はコントローラ c2 だけに接続されている全ドライブを操作対象とします。disk-list が指定されていない場合、format は、操作対象となり得る、システム上に存在するすべてのディスクを一覧表示します。

着脱式メディア装置がリストに含まれるのは、ユーザーがエキスパートモード (–e オプション) で format を実行した場合だけです。この機能は、下位互換性を確保するために用意されています。再書き込み可能なリムーバブルメディアデバイスには、rmformat(1) を使用します。

オプション

サポートしているオプションは、次のとおりです。

–d disk-name

format プログラム開始時にカレントにするディスクを指定します。ディスクは、その論理名 (–d c0t1d0/dev/chassis/SYS/HD0/disk など) で指定します。ディスクリストにディスクを 1 つだけ指定しても、同じ結果が得られます。

–e

SCSI エキスパートメニューを有効にします。ただし、このオプションは、不用意に使用しないでください。

–f command-file

標準入力ではなく、command-file からコマンド入力を受け付けます。ファイルにはキーボードから入力した場合とまったく同じコマンドが指定されていなければなりません。このオプションが指定されている場合、formatcontinue? プロンプトを出力しません。command-file 内に y(es) または n(o) の応答を指定する必要はありません。非対話モードの場合、format はディスク選択番号の入力を求めることはありません。format を起動するときに、–d disk-name オプションを使用して現在の作業用ディスクを指定するか、または command-filedisk およびディスク選択番号を指定する必要があります。

–l log-file

指定された log-fileformat セッションのトランスクリプトを記録します。これには標準入力、標準出力、および標準エラー出力が含まれます。

–L label-type

ただちに、かつ非対話形式でタイプ label-type のデフォルトラベルを、–d で指定されたディスクに書き込みます。label-type には efi または vtoc を指定する必要があります。既存のラベルがある場合は、label-type で上書きされます。x86 マシンでは、ディスク全体がデフォルトで、label-type のラベルが付いた 1 つの Solaris パーティションになり、すべての fdisk パーティションは失われます。

–m

拡張メッセージを有効にします。エラー発生時に詳細情報が得られます。

–M

拡張メッセージおよび診断メッセージを有効にします。フォーマット中に、 SCSI デバイスのモードページの状態についてさまざまな情報が得られます。

–p partition-name

プログラムの開始時にカレントにするディスクのパーティションテーブルを指定します。このテーブルは、データファイルで定義されている名前を使用して指定します。このオプションを使用できるのは、ディスクがカレントになっており、さらにディスクタイプが指定されているか、ディスクタイプがディスクラベルから取得できる場合に限られます。

–s

サイレント。あらゆる標準出力を抑制します。エラーメッセージは引き続き表示されます。このオプションは通常、–f オプションと組み合わせて使用します。

–t disk-type

プログラムの開始時にカレントにするディスクのタイプを指定します。ディスクタイプは、データファイルで定義されている名前を使用して指定します。このオプションを使用できるのは、前述のとおり、ディスクがカレントになっている場合に限られます。

–x data-file

data-file に指定されているディスクのリストを使用します。

使用法

オプションを指定しないで format を起動した場合、あるいは、–e–l–m–M、または –s オプションを指定して format を起動した場合、使用できるディスクを示した番号付きリストが表示され、リスト内の番号でディスクを指定するように求められます。マシンに 2 画面以上のディスクが搭載されている場合は、スペースキーを押して、次の 1 画面分のディスクを表示します。

ディスクが現在の画面に表示されていなくても、リスト内の番号でディスクを指定できます。たとえば、画面にディスク 11 - 20 が表示されている場合に 25 を入力すると、リスト内の 25 番目のディスクを指定できます。現在の画面に表示されていないディスクの番号を入力した場合は、選択の確認を求めるプロンプトが表示されます。表示リストに含まれている番号を入力した場合は、そのまま選択が受け入れられ、プロンプトは出力されません。

ディスクを指定すると、メインメニューが表示されます。このメニューでは次のタスクを実行できます。

analyze

読み取り、書き込み、比較テスト、およびデータ消去を実行します。データ消去機能には、米国コンピュータセキュリティーセンター (National Computer Security Center、NCSC) の『A Guide to Understanding Data Remanence in Automated Information Systems』(NCSC-TG-025 バージョン 2) による上書きアルゴリズムが実装されています。「注意事項」を参照してください。

backup

バックアップラベルを検索します。

cache

書き込みキャッシュおよび読み取りキャッシュを有効または無効にします。またはその状態を照会します。このメニュー項目が表示されるのは、–e オプションを指定して format を起動した場合だけです。このオプションを使用できるのは、SCSI デバイスに限られます。

current

デバイス名、ディスクジオメトリ、およびディスク装置のパス名を表示します。

defect

欠陥領域リストを検索して出力します。このオプションを使用できるのは、SCSI デバイスに限られます。IDE ディスクの場合は、自動欠陥領域管理機能が実行されます。defect オプションを IDE ディスクで使用すると、次のメッセージが出力されます。

Controller does not support defect management
or disk supports automatic defect management.
disk

以降の操作で使用するディスク (カレントディスク) を選択します。

fdisk

fdisk(1M) プログラムを実行し、Solaris ソフトウェア (x86 ベースのシステムのみ) 用の fdisk パーティションを作成します。

format

カレントディスクをフォーマットして検証します。このオプションを使用できるのは、SCSI デバイスに限られます。IDE ディスクは製造元により、あらかじめフォーマットされています。IDE ディスクに対して format オプションを使用すると、次のメッセージが出力されます。

Cannot format this drive. Please use your 
manufacturer-supplied formatting utility.
inquiry

カレントドライブの製造元、製品名、およびリビジョンレベルを表示します。

label

カレントディスクに新しいラベルを書き込みます。

partition

スライスを作成または変更します。

quit

フォーマットメニューを終了します。

repair

ディスク上の特定のブロックを修復します。

save

新しいディスクおよびスライス情報を保存します。

type

ディスクタイプを選択 (定義) します。

verify

ラベルを読み取って表示します。シリンダ数、代替シリンダ数、ヘッド数、セクター数、パーティションテーブルなどの情報を出力します。

volname

8 文字の新しいボリューム名を用いて、ディスクにラベルを付けます。

環境変数

FORMAT_PATH

ディスクとパーティション定義用のコロンで区切られたファイル名またはディレクトリ (あるいはその両方)。ディレクトリを指定した場合、format はそのディレクトリでファイル format.dat を検索します。

ファイル

/etc/format.dat

デフォルトのデータファイル

属性

属性についての詳細は、マニュアルページの attributes(5) を参照してください。

属性タイプ
属性値
使用条件
system/core-os

関連項目

fmthard(1M), prtvtoc(1M), rmformat(1), format.dat(4), attributes(5), sd(7D)

Oracle Solaris 11.2 でのデバイスの管理

x86 のみ

fdisk(1M)

警告

シリンダ 0 にはパーティションテーブル (ディスクラベル) がありますが、raw ディスクパーティションで使用すると、他社のソフトウェアによって上書きされることがあります。x86 ベースのシステムでは、ディスクがラベル付けされているかどうか、およびディスク全体が単一の Solaris パーティションとして指定されているかどうかに応じて、この使用により、シリンダー情報が 1 つずれて、結果として容量にいくらかの違いが発生することがあります。

CHS (シリンダ/ヘッド/セクター) ジオメトリは、下位互換性を維持するためにのみ論理的である可能性があり、実際のディスクデバイスへの物理的な関係がありません。

format は容量が 1 TB を超えるディスクまたは LUN をサポートするために、EFI に準拠したディスクラベルの記載をサポートします。しかし、ファイルシステムやボリュームマネージャなど、多くのソフトウェアコンポーネントは容量がまだ 1 TB もしくはそれ以下に制限されているので、注意が必要です。詳細は、Oracle Solaris 11.2 でのデバイスの管理を参照してください。

デフォルトでは、ディスクにラベルがない場合、2T バイトを超えるディスクには EFI ラベルが書き込まれます。format–e オプションを指定して呼び出した場合は、ラベルの書き込み時にラベルの種類を選択できます。これらの EFI ラベル付きドライブをブートするには、GPT (EFI) 対応の SPARC ファームウェアおよび UEFI x86 ファームウェアが必要です。

format にはヘルプ機能が用意されており、入力を求められたときにいつでも使用できます。要求されている情報についてヘルプが必要な場合は、単に疑問符 (?) を入力します。求められている情報についての簡単な説明が出力されます。メニュープロンプトに ? を入力すると、使用できるコマンドの一覧が表示されます。

SCSI ディスクの場合、Primary および Grown 両方の欠陥領域リストでフォーマットがデフォルトで実行されます。フォーマットを実行する前に、欠陥領域メニューで Primary リストだけを抽出しておくと、Primary リストに対するフォーマットだけが実行されます。

キャッシュの状態を変更できるのは、SCSI デバイスだけです。また、すべての SCSI デバイスがキャッシュ状態の変更または保存をサポートしているわけではありません。

上書きのための NCSC-TG-025 アルゴリズムは、DoD 5200.28-M (自動データ処理 (ADP) セキュリティ マニュアル) の「ERASE PROCEDURES」による仕様を満たしています。また、米国立標準技術研究所 (National Institute of Standards and Technology、NIST) による『Guidelines for Media Sanitization』(NIST SP 800-88) もこのアルゴリズムを参照しています。