iscsiadm - iSCSI イニシエータの管理の有効化
iscsiadm subcommand direct-object [options] [operand]
iscsiadm コマンドは、ホスト上で iSCSI (インターネット SCSI) イニシエータを管理できるようにします。iscsiadm は、独自のオプションを備えた一連のサブコマンドとして実装されています。これらのオプションについては、各サブコマンドのセクションで説明します。特定のサブコマンドに関連付けられていないオプションは、「オプション」で説明されています。
iscsiadm は、次のサービスがオンラインの場合にのみ動作します。
svc:/network/iscsi/initiator:default
iscsiadm コマンドは次のサブコマンドをサポートしています。各サブコマンドについては、以降のサブセクションで詳細に説明します。
オブジェクトに要素を追加します。
オブジェクトの要素を一覧表示します。
オブジェクトの属性を変更します。
オブジェクトから要素を削除します。
iscsiadm サブコマンドは、直接オブジェクト (direct-object) に対して動作します。これらについては、各サブコマンドのセクションで説明します。
iscsiadm コマンドでは、iSCSI ターゲットの発見のために iSNS (Internet Storage Name Service) がサポートされています。このコマンドではまた、認証のために CHAP (Challenge Handshake Authentication Protocol) がサポートされています。
add サブコマンドの構文は次のとおりです。
# iscsiadm add direct_object [operands...]
add サブコマンドは、次の直接オブジェクトを追加します。
発見アドレスのリストにターゲットを追加します。発見アドレス (下に示す構文で指定される) は、SendTargets 発見セッションで使用される IP address:port の組み合わせです。この発見アプローチを使用すると、ターゲットデバイスはターゲットアドレスと、そのデバイスによって公開された各ターゲットのターゲット名をイニシエータに通知できます。ターゲットへの接続は、SendTargets 発見方式がホスト上で有効になっていないかぎり試行されません。この方式は modify サブコマンドで有効にします。
discovery-address パラメータの形式は次のとおりです。
<IP address>[:port]
port が指定されていない場合は、3260 のデフォルト値が使用されます。
iSNS サーバーアドレスのリストに iSNS サーバーを追加します。iSNS サーバーアドレス (下に示す構文で指定される) は、iSNS 発見セッションで使用される IP アドレスとポートの組み合わせです。iSNS 発見を使用すると、iSNS サーバーはイニシエータにポータルに関する情報や、そのイニシエータと同じ発見ドメインに属する各ターゲットの名前を提供できます。iSNS サーバーへの接続は、iSNS 発見方式がホスト上で有効になっていないかぎり、試行されません。この方式は、後述の modify サブコマンドで有効にします。
isns-server パラメータの形式は次のとおりです。
IP_address[:port]
ポートが指定されていない場合は、3205 のデフォルト値が使用されます。
静的に構成されたターゲットのリストにターゲットを追加します。ターゲットへの接続は、静的な構成による発見方式が有効になっていないかぎり試行されません。
static_target パラメータの形式は次のとおりです。
<target-name>,<target address>[:port-number][,tpgt]
<target-name> には最大 223 文字を指定できます。
list サブコマンドの構文は次のとおりです。
# iscsiadm list direct-object [options]
list サブコマンドは、次の直接オブジェクトのデータを表示します。
発見方式と、それらの現在の有効化状態 (有効または無効) を一覧表示します。発見方式には次のものがあります。
iSNS (Internet Storage Name Service)
静的
SendTargets
ホスト上のイニシエータノードに関する情報を一覧表示します。iSCSI イニシエータノードは論理 HBA を表し、iSCSI ターゲットのための論理的なホスト接続ポイントです。応答に一覧表示されるパラメータ値は、このイニシエータのデフォルトのパラメータ設定です。イニシエータに接続されている各ターゲットには、イニシエータノード上のパラメータ値とは異なるパラメータ値を設定できます。
指定されたターゲットのターゲット名とアドレスを一覧表示します。静的なターゲットが指定されていない場合は、静的に検出されたすべてのターゲットが表示されます。
ターゲットの現在のパラメータ、接続状態、およびそのターゲットの発見に使用された方式を一覧表示します。指定されたターゲットに関する情報を報告します。ターゲットが指定されていない場合は、検出されたか、または modify target サブコマンドによって変更されたパラメータを持っていたすべてのターゲットが報告されます。
指定されたターゲットに対して –S オプションとともに使用された場合は、次の情報が返されます。
ターゲット名
論理ユニット番号
ベンダー ID
製品 ID
OS デバイス名 (たとえば、/dev/rdsk/c0t2d0s0)
–v オプションを指定すると、現在のログインパラメータ、詳細な接続情報、そのターゲットのディスカバリに使用されたディスカバリ方式などの、さらに詳細な情報が返されます。
発見方式のパラメータとして NA が返された場合は、そのターゲットが iscsiadm modify target-param コマンドを使用して作成され、検出されたオブジェクトとしては存在していないことを示します。このようなターゲットを削除するには、iscsiadm remove target-param を使用します。
ログインプロセス時にターゲット側から「Max Receive Data Segment Length」が返されます。これはターゲット側でのみ設定でき、ネゴシエーションの対象になりません。この表示された値は、PDU をターゲット側に転送する際にイニシエータ側によって監視されます。
ターゲットのデフォルトパラメータおよびユーザー定義パラメータを一覧表示します。出力は Default/Configured の形式になります。Default はこのパラメータのデフォルト値を表し、Configured はこのパラメータの構成済みの値を表します。
たとえば、「Max Receive Data Segment Length」に「8192/65536」と表示された場合、これは PDU をイニシエータ側に転送するために、ターゲットが最大構成済み制限の 65536 を監視することを意味します。
iscsiadm add discovery-address サブコマンドを使用して追加された discovery-address オブジェクトを一覧表示します。
–v オプションとともに使用された場合は、指定された discovery-address にあるすべての既知のターゲットを一覧表示します。–v オプションを指定すると、1 つ以上のターゲット名が、0 個以上のターゲットアドレス、および関連付けられたターゲットポータルグループタグ (TPGT) (該当する場合) とともに返されます。
iscsiadm add isns-server サブコマンドを使用して追加された isns-server オブジェクトを一覧表示します。
–v オプションとともに使用された場合は、指定された isns-server アドレスにあるすべての既知のターゲットを一覧表示します。 –v オプションを指定すると、1 つ以上のターゲット名が、0 個以上のターゲットアドレス、および関連付けられたターゲットポータルグループタグ (該当する場合) とともに返されます。
modify サブコマンドの構文は次のとおりです。
# iscsiadm modify direct_object [options]
modify サブコマンドは、次の直接オブジェクトをサポートしています。
発見方式を有効にすると、その方式を使用した発見が開始されます。現在有効になっている発見方式を無効にしても、その方式によってすでに検出されたターゲットへの接続には影響を与えません。
modify discovery のオプションは次のとおりです。
iSNS 発見を有効または無効にします。
静的な発見を有効または無効にします。
SendTargets 発見を有効または無効にします。
イニシエータのプロパティーを変更します。ターゲットが現在接続されている場合、この操作は成功します。ただし、変更された一連のパラメータは、既存の接続セッションが存在しなくなって新しい接続が確立されるまで、そのターゲットに対して有効になりません。オプション –C と ––CHAP-secret を指定した場合は、プロンプトで CHAP シークレットを入力する必要があります。
Solaris I/O マルチパス機能 (以前は Sun StorEdge Traffic Manager [STMS] または MPxIO と呼ばれていた) が無効になっている場合の iSCSI ブートでは、次の initiator-node オプションだけを変更できます。
–r, –-radius-server
–R, –-radius-access
–P, –-radius-shared-secret
Solaris I/O マルチパス機能が有効になっている場合の iSCSI ブートでは、次の initiator-node オプションだけを変更できます。
–h, –-headerdigest
–d, –-datadigest
–c, –-configured-sessions
modify initiator-node のオプションは次のとおりです。
イニシエータノードの別名を変更します。最大長は 223 文字です。
認証モードを設定します。
CHAP シークレットの値を設定します。デフォルト値はありません。最大長は 16 文字、最低限必要な長さは 12 文字です。
各 iSCSI ターゲットに対して作成される構成済みの iSCSI セッションの数を構成します。この機能は、scsi_vhci(7D) で説明されている Solaris I/O マルチパス機能と組み合わせて使用してください。
SCSI データ転送をチェックするために CRC32 を有効にするかどうかを設定します。
CHAP ユーザー名を指定します。このオプションを使用しない場合は、初期化時に CHAP 名がイニシエータノード名に設定されます。認証方式が CHAP に設定されている場合 (上の –a/––authentication オプションを参照)、CHAP ユーザー名は iscsiadm list initiator-node コマンドで表示されます。
SCSI パケットヘッダーをチェックするために CRC32 を有効にするかどうかを設定します。
iSCSI セッションの最大接続数を変更します。デフォルト値は 1 です。各セッションの最大接続数は 65535 です。
イニシエータノード名を変更します。最大長は 223 文字です。
RADIUS 共有シークレットを設定します。
RADIUS サーバーを使用するかどうかを設定します。
使用する RADIUS サーバーの IP アドレスとポートを設定します。
イニシエータノードが接続されているすべてのターゲットに対して 1 つ以上の調整可能なパラメータを指定します。
サポートされている tunable-prop オプションは次のとおりです。
セッションログインの応答時間
recv-login-rsp-timeout オプションは、iSCSI イニシエータが iSCSI ターゲットからの iSCSI セッションログイン要求の応答を待つ時間を指定します。有効な値は 0 - 60*60 であり、デフォルト値は 60 秒です。
接続再試行の最大時間
conn-login-max オプションを指定すると、指定された時間ウィンドウ中に入出力タイムアウトまたは接続の失敗が発生した場合に、iSCSI イニシエータはターゲットへの接続を再確立できます。有効な値は 0 - 60*60 であり、デフォルト値は 180 秒です。
ログイン再試行の時間間隔
polling-login-delay オプションは、入出力タイムアウトまたは接続の失敗が発生した場合の iSCSI イニシエータからターゲットへの各ログイン再試行の時間間隔を指定します。有効な値は 0 - 60*60 であり、デフォルト値は 60 秒です。
ターゲットのパラメータを変更します。ターゲットが現在接続されている場合、この変更操作は成功します。ただし、変更された設定が有効になるまでに数秒かかることがあります。これらの設定が有効なことを確認するには、iscsiadm list target –v を使用します。指定されたターゲットがどの発見方式にも関連付けられていない場合は、指定されたパラメータを使用してターゲットオブジェクトが作成されます。このコマンドを使用してターゲットのパラメータを変更したあと、新しいパラメータは、そのターゲット上で iscsiadm remove target-param コマンドで変更または削除されるまで持続します。オプション –C と ––CHAP-secret を指定した場合は、プロンプトで CHAP シークレットを入力する必要があります。
modify target-param のオプションは次のとおりです。
双方向オプションを設定します。enable に設定されている場合、イニシエータは、指定されたターゲットに対して双方向認証を実行します。
ターゲットの CHAP シークレットの値を設定します。デフォルト値はありません。指定できる最大長は 16 文字です。
各 iSCSI ターゲットに対して作成される構成済みの iSCSI セッションの数を構成します。この機能は、scsi_vhci(7D) で説明されている Solaris I/O マルチパス機能と組み合わせて使用してください。
データのために CRC32 を有効または無効のどちらにするかを設定します。
CHAP ユーザー名を設定します。このオプションを使用しない場合は、初期化時に CHAP 名がターゲット名に設定されます。認証方式が CHAP に設定されている場合 (上の initiator-node 直接オブジェクトの下にある –a/––authentication オプションを参照)、CHAP ユーザー名は iscsiadm list initiator-node コマンドで表示されます。
ヘッダーのために CRC32 を有効または無効のどちらにするかを設定します。
1 つ以上のログインパラメータ設定を指定します。
ログインパラメータは、iSCSI 標準 RFC 3720 から派生しています。 有効な値は次のとおりです。
yes または no
0–3600
0–3600
512 から 224–1
yes または no
yes または no
512 から 224–1
yes または no
1 から 65535
512 から 224–1
イニシエータは、このオプション設定によって、独自の maxrecvdatasegmentlen を設定できます。ログインプロセス時、イニシエータ側はこのパラメータをターゲットに送信し、その最大受信セグメント長を宣言します。このパラメータ設定は、iscsiadm list target-param -v target コマンドで表示できます。
イニシエータノードが接続されているすべてのターゲットに対して 1 つ以上の調整可能なパラメータを指定します。
サポートされている tunable-prop オプションは次のとおりです。
セッションログインの応答時間
recv-login-rsp-timeout オプションは、iSCSI イニシエータが iSCSI ターゲットからの iSCSI セッションログイン要求の応答を待つ時間を指定します。有効な値は 0 - 60*60 であり、デフォルト値は 60 秒です。
接続再試行の最大時間
conn-login-max オプションを指定すると、指定された時間ウィンドウ中に入出力タイムアウトまたは接続の失敗が発生した場合に、iSCSI イニシエータはターゲットへの接続を再確立できます。有効な値は 0 - 60*60 であり、デフォルト値は 180 秒です。
ログイン再試行の時間間隔
polling-login-delay オプションは、入出力タイムアウトまたは接続の失敗が発生した場合の iSCSI イニシエータからターゲットへの各ログイン再試行の時間間隔を指定します。有効な値は 0 - 60*60 であり、デフォルト値は 60 秒です。
remove サブコマンドの構文は次のとおりです。
# iscsiadm remove direct_object
remove サブコマンドは、次の直接オブジェクトをサポートしています。
発見アドレスのリストからターゲットデバイスを削除します。発見アドレス (下に示す構文で指定される) は、SendTargets 発見セッションで使用される IP アドレスとポートの組み合わせです。この発見アプローチを使用すると、ターゲットデバイスはターゲットアドレスと、そのデバイスによって公開された各ターゲットのターゲット名をイニシエータに通知できます。発見アドレスによって公開されたいずれかのターゲットが現在マウントされているか、またはそのデバイス上にアクティブな I/O が存在する場合は、「論理ユニット使用中」のエラーが返され、操作は失敗します。 関連付けられたデバイスが使用されていない場合、それらのデバイスは削除されます。
discovery-address は、次の形式である必要があります。
<IP address>[:<port>]
この直接オブジェクトに関連付けられたオプションはありません。
iSNS サーバーアドレスのリストから iSNS サーバーを削除します。iSNS サーバーアドレス (下に示す構文で指定される) は、iSNS 発見セッションで使用される IP アドレスとポートの組み合わせです。iSNS 発見を使用すると、iSNS サーバーはイニシエータにポータルに関する情報や、そのイニシエータと同じ発見ドメインに属する各ターゲットの名前を提供できます。iSNS によって検出されたいずれかのターゲットが現在マウントされているか、またはそのデバイス上にアクティブな I/O が存在する場合は、「論理ユニット使用中」のエラーが返され、操作は失敗します。関連付けられたデバイスが使用されていない場合、それらのデバイスは削除されます。
isns-server は、次の形式である必要があります。
IP_address[:port]
この直接オブジェクトに関連付けられたオプションはありません。
静的に検出されたターゲットのリストからターゲットを削除します。削除されるターゲットが現在マウントされているか、またはそのデバイス上にアクティブな I/O が存在する場合は、「論理ユニット使用中」のエラーが返され、操作は失敗します。デバイスが使用されていない場合、そのデバイスは削除されます。
static_target は、次の形式である必要があります。
<target-name>,<target-address>[:port-number][,tpgt]
この直接オブジェクトに関連付けられたオプションはありません。
target-name で指定されたターゲットを削除します。ターゲット名の形式は次のとおりです。
<target-name>
この直接オブジェクトに関連付けられたオプションはありません。Solaris I/O マルチパス機能 (以前は Sun StorEdge Traffic Manager [STMS] または MPxIO と呼ばれていた) が有効になっている場合の iSCSI ブートでは、ターゲットを削除することはできません。
単一のターゲットを、静的な発見方式と動的な発見方式の両方で検出されるようには構成しないでください。発見方式を重複して使用すると、iSCSI ターゲットデバイスとの通信時にパフォーマンスが低下する恐れがあります。
以下の汎用オプションがサポートされています。
バージョン情報を表示します。以降の引数の解釈を停止します。
ヘルプ情報を表示します。引数のない iscsiadm コマンドのあと、サブコマンドのあと、またはサブコマンドと直接オブジェクトの組み合わせのあとに使用できます。入力に適したヘルプ情報が表示されます。たとえば、次の行を入力したとします。
# iscsiadm modify initiator-node --help
...iscsiadm によって、そのサブコマンドと直接オブジェクトの組み合わせに使用可能なオプションが表示されます。
次のコマンドは、add サブコマンドを使用して発見アドレスを追加します。
# iscsiadm add discovery-address 10.0.0.1:3260 10.0.0.2:3260使用例 2 静的なターゲットの追加
次のコマンドは、add サブコマンドを使用して静的なターゲットを追加します。
# iscsiadm add static-config \ iqn.1999-08.com.array:sn.01234567,10.0.0.1:3260使用例 3 現在の発見設定の一覧表示
次のコマンドは、list サブコマンドを使用して現在の発見設定を一覧表示します。
# iscsiadm list discovery Discovery: Static: enabled Send Targets: disabled iSNS: enabled使用例 4 詳細な発見出力の取得
次のコマンドは、list サブコマンドで –v オプションを使用して (使用した例と、使用しない例が 1 つずつ)、詳細な出力を取得します。
# iscsiadm list discovery-address Discovery Address: 10.0.0.1:3260 Discovery Address: 10.0.0.2:3260 # iscsiadm list discovery-address -v 10.0.0.1:3260 Discovery Address: 10.0.0.1:3260 Target name: eui.210000203787d1f7 Target address: 10.0.0.1:3260 Target name: eui.210000203787a693 Target address: 10.0.0.1:3260使用例 5 イニシエータに関する情報の表示
次のコマンドは、list サブコマンドを使用してイニシエータに関する情報を表示します。
# iscsiadm list initiator-node Initiator node name: iqn.1986-03.com.company.central.interopv20-1 Initiator node alias: interopv20-1 Login Parameters (Default/Configured): Header Digest: NONE/NONE Data Digest: NONE/NONE Authentication Type: CHAP CHAP Name: iqn.1986-03.com.company.central.interopv20-1 RADIUS Server: NONE RADIUS access: disabled Tunable Parameters (Default/Configured): Session Login Response Time: 60/- Maximum Connection Retry Time: 180/- Login Retry Time Interval: 60/- Configured Sessions: 1使用例 6 静的な構成情報の表示
次のコマンドは、list サブコマンドを使用して静的な構成に関する情報を表示します。
# iscsiadm list static-config Static target: eui.210000203787a693,10.0.0.1:3260使用例 7 ターゲットの情報の表示
次のコマンドは、list サブコマンドをさまざまなオプションとともに使用してターゲットに関する情報を表示する方法を示しています。
# iscsiadm list target Target: iqn.2004-05.com.abcStorage:Tgt-1 Alias: - TPGT: 12288 ISID: 4000002a0000 Connections: 1 # iscsiadm list target -v iqn.2004-05.com.abcStorage:Tgt-1 Target: iqn.2004-05.com.abcStorage:Tgt-1 Alias: - TPGT: 12288 ISID: 4000002a0000 Connections: 1 CID: 0 IP address (Local): 10.4.52.158:32803 IP address (Peer): 10.4.49.70:3260 Transport Type: socket Discovery Method: SendTargets Login Parameters (Negotiated): Data Sequence In Order: yes Data PDU In Order: yes Default Time To Retain: 20 Default Time To Wait: 2 Error Recovery Level: 0 First Burst Length: 65536 Immediate Data: yes Initial Ready To Transfer (R2T): yes Max Burst Length: 262144 Max Outstanding R2T: 1 Max Receive Data Segment Length: 65536 Max Connections: 1 Header Digest: NONE Data Digest: NONE # iscsiadm list target -S iqn.2004-05.com.abcStorage:Tgt-1 Target: iqn.2004-05.com.abcStorage:Tgt-1 Alias: - TPGT: 12288 ISID: 4000002a0000 Connections: 1 LUN: 6 Vendor: ABCStorage Product: iSCSI Target OS Device Name: /dev/rdsk/c3t1d0s2 LUN: 5 Vendor: ABCStorage Product: iSCSI Target OS Device Name: /dev/rdsk/c3t0d0s2使用例 8 ターゲットのパラメータ情報の表示
次のコマンドは、list サブコマンドを使用して、特定のターゲットに関するターゲット情報を表示します。
# iscsiadm list target-param -v iqn.2004-05.com.abcStorage:Tgt-1 Target: iqn.2004-05.com.abcStorage:Tgt-1 Alias: - Bi-directional Authentication: disabled Authentication Type: NONE Login Parameters (Default/Configured): Data Sequence In Order: yes/- Data PDU In Order: yes/- Default Time To Retain: 20/- Default Time To Wait: 2/- Error Recovery Level: 0/- First Burst Length: 65536/- Immediate Data: yes/- Initial Ready To Transfer (R2T): yes/- Max Burst Length: 262144/- Max Outstanding R2T: 1/- Max Receive Data Segment Length: 65536/- Max Connections: 1/- Header Digest: NONE/- Data Digest: NONE/- Tunable Parameters (Default/Configured): Session Login Response Time: 60/- Maximum Connection Retry Time: 180/- Login Retry Time Interval: 60/- Configured Sessions: 1使用例 9 静的な発見方式の有効化
次のコマンドは、modify サブコマンドを使用して静的な発見方式を有効にします。
# iscsiadm modify discovery --static enable使用例 10 RADIUS サーバーの IP アドレスの設定
次のコマンドは、modify サブコマンドを使用して、CHAP 認証に使用される RADIUS サーバーの IP アドレスを設定します。
# iscsiadm modify initiator --radius-server 10.0.0.1使用例 11 イニシエータのノード名の設定
次のコマンドは、modify サブコマンドを使用してイニシエータノードのノード名を設定します。
# iscsiadm modify initiator-node -N iqn.2004-10.com.SUN.host-1使用例 12 イニシエータノードの最大接続数の設定
次のコマンドは、modify サブコマンドを使用してイニシエータノードの最大接続数を設定します。これにより、1 つのセッションに複数の接続が存在できるようになります。
# iscsiadm modify initiator-node -m 3使用例 13 ターゲットのパラメータの変更
次のコマンドは、modify サブコマンドを使用して、指定されたターゲットのターゲットパラメータの最大接続数を変更します。
# iscsiadm modify target-param -m 3 eui.210000203787a693使用例 14 発見アドレスの削除
次のコマンドは、remove サブコマンドを使用して発見アドレスを削除します。
# iscsiadm remove discovery-address 10.0.0.1:3260使用例 15 ターゲットのパラメータの削除
次のコマンドは、remove サブコマンドを使用して一連のターゲットパラメータを削除します。
# iscsiadm remove target-param eui.210000203787a693使用例 16 最大接続数の変更
次のコマンドは、イニシエータのプロパティーで各セッションの最大接続数を変更します。変更された値は、すべてのセッションで、すべてのターゲットに使用されます。
# iscsiadm modify initiator-node --max-connections 4
属性についての詳細は、マニュアルページの attributes(5) を参照してください。
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attributes(5), iscsi(7D), scsi_vhci(7D)
Oracle Solaris 11.2 でのデバイスの管理