始める前に
システム上でどの NCP がアクティブであるかを確認して、構成が正しいプロファイルに適用されていることを確認します。Example 6–6 を参照してください。
# ipadm create-interface-class interface
ユーザーが作成できる次の 3 つのインタフェースクラスのうちの 1 つを示します。
IP インタフェース
このインタフェースクラスは、ネットワーク構成を実行するときに作成するもっとも一般的なクラスです。このインタフェースクラスを作成するには、create-ip サブコマンドを使用します。
STREAMS 仮想ネットワークインタフェース (VNI インタフェース)
このインタフェースクラスを作成するには、create-vni サブコマンドを使用します。
Oracle Solaris 11.2 以降、VNI インタフェースにより自由に名前を付けることができます。以前は、VNI インタフェース名には、vni0 のように接頭辞に「vni」を含める必要がありました。この要件は適用されなくなりました。VNI デバイスとインタフェースの詳細は、vni(7d) および ipadm(1M) のマニュアルページを参照してください。
IPMP インタフェース
このインタフェースクラスは、IPMP グループを構成するときに使用されます。このインタフェースクラスを作成するには、create-ipmp サブコマンドを使用します。IPMP グループの詳細は、Oracle Solaris 11.2 での TCP/IP ネットワーク、IPMP、および IP トンネルの管理 の第 2 章IPMP の管理についてを参照してください。
インタフェースの名前を示します。この名前は、インタフェースの作成に使用しているデータリンクの名前と同じです。システム上にあるデータリンクを表示するには、dladm show-link コマンドを使用します。
# ipadm create-addr -a address [interface | addrobj]
インタフェース上に構成する IP アドレスを指定します。
数値 IP アドレスの場合は、CIDR (Classless Inter-Domain Routing) 表記法を使用します。CIDR 表記法を使用しない場合、ネットマスクは svc:/system/name-service/switch:default ネットマスクデータベース検索順序またはクラスフルアドレスのセマンティクスを使用して決定されます。
必要に応じて、数値 IP アドレスの代わりにホスト名を指定できます。ホスト名の使用が有効なのは、そのホスト名に対応する数値 IP アドレスが /etc/hosts ファイルで定義されている場合です。このファイルで数値 IP アドレスが定義されていない場合は、name-service/switch サービスで host に対して指定されているリゾルバの順序を使用して、この数値が一意に取得されます。特定のホスト名に対して複数のエントリが存在する場合は、エラーが生成されます。
Oracle Solaris では、各アドレスは対応するアドレスオブジェクトによって識別され、コマンド内で addrobj によって表されます。そのアドレスに対するその後の構成では、実際の IP アドレスではなくアドレスオブジェクトを参照します。たとえば、ipadm show-addr addrobj や ipadm delete-addr addrobj のように入力します。アドレスオブジェクト名を自動的に生成するには、interface にインタフェース名を指定します。アドレスオブジェクトに手動で名前を付けるには、アドレスオブジェクト名を直接指定します。
インタフェース名を指定すると、アドレスオブジェクトに interface/address-family という形式の名前が自動的に付けられます。Address family は、IPv4 アドレスを示す v4 または IPv6 アドレスを示す v6 のいずれかです。自動生成されたアドレスオブジェクト名を使用して、複数のアドレスがインタフェース上で構成される場合、一意の名前になるよう、アルファベット文字がアドレスオブジェクト名に追加されます。たとえば、net0/v4、net0/v4a、net0/v4b、net0/v6、net0/v6a などのようになります。
addrobj に手動でアドレスオブジェクトを指定する場合は、interface/user-specified-string という形式を使用する必要があります。user-specified-string は、アルファベット文字で始まり、最大長が 32 文字の英数字の文字列を示します。たとえば、net0/static、net0/static1、net1/private などのアドレスオブジェクトを指定できます。
# ipadm create-addr -T address-type [interface | addrobj]
ここで、address-type は dhcp または addrconf のいずれかです。addrconf 引数は、自動的に生成される IPv6 アドレスを指します。
interface および addrobj オプションの詳細は、静的アドレスの作成に関する前の説明を参照してください。
調べる対象の情報に応じて、次のコマンドを使用できます。
# ipadm interface
サブコマンドを指定しない場合は、システム上のすべてのインタフェースの情報が表示されます。
# ipadm show-if interface
interface を指定しない場合は、システム上のすべてのインタフェースの情報が表示されます。
# ipadm show-addr interface|addrobj
interface または addrobj を指定しない場合は、すべてのアドレスオブジェクトの情報が表示されます。
ipadm show-* サブコマンドの出力についての詳細は、IP インタフェースとアドレスのモニタリングを参照してください。
このファイル内のエントリは、IP アドレスとそれに対応するホスト名で構成されています。
# route -p add default address
ルーティングテーブルの内容を確認するには、netstat –r コマンドを使用します。
ルートの管理の詳細は、route(1M) のマニュアルページおよび永続的 (静的) ルートの作成を参照してください。
次の例では、静的 IP アドレスを使用してインタフェースを構成する方法を示します。この例では、最初にシステム上で DefaultFixed NCP を有効化して、dladm および ipadm コマンドによりリアクティブ NCP が変更されないようにします (環境によっては実行する手動ネットワーク構成が無効にされる可能性がある)。
# netadm enable -p ncp DefaultFixed # dladm show-phys LINK MEDIA STATE SPEED DUPLEX DEVICE net3 Ethernet up 100Mb full bge3 # dladm show-link LINK CLASS MTU STATE OVER net3 phys 1500 up -- -- # ipadm create-ip net3 # ipadm create-addr -a 192.168.84.3/24 net3 net3/v4 # ipadm NAME CLASS/TYPE STATE UNDER ADDR lo0 loopback ok -- -- lo0/v4 static ok -- 127.0.0.1/8 lo0/v6 static ok -- ::1/128 net3 ip ok -- -- net3/v4 static ok -- 192.168.84.3/24 # vi /etc/hosts # Internet host table # 127.0.0.1 localhost 10.0.0.14 myhost 192.168.84.3 sales1 # route -p add default 192.168.84.1 # netstat -r Routing Table: IPv4 Destination Gateway Flags Ref Use Interface -------------------- -------------------- ----- ----- ---------- --------- default 192.168.84.1 UG 2 10466 192.168.84.0 192.168.84.3 U 3 1810 net0 localhost localhost UH 2 12 lo0 Routing Table: IPv6 Destination/Mask Gateway Flags Ref Use If --------------------------- ------------------------- ----- --- ------- ----- solaris solaris UH 2 156 lo0
sales1 が /etc/hosts ファイル内で定義されている場合は、次のアドレスを割り当てるときにそのホスト名を使用できます。
# ipadm create-addr -a sales1 net3 net3/v4使用例 3-2 DHCP サーバーから IP アドレスを受信するネットワークインタフェースの構成
次の例では、アドレスを DHCP サーバーから受け取るように IP インタフェースを構成します。通常、DHCP はデフォルトルートもインストールします。そのため、この例にはデフォルトルートを手動で追加する手順も含まれます。
# dladm show-phys LINK MEDIA STATE SPEED DUPLEX DEVICE net3 Ethernet up 100Mb full bge3 # dladm show-link LINK CLASS MTU STATE OVER net3 phys 1500 up -- -- # ipadm create-ip net3 # ipadm create-addr -T dhcp net3 net3v4 # ipadm NAME CLASS/TYPE STATE UNDER ADDR lo0 loopback ok -- -- l0/v4 static ok -- 127.0.0.1/8 net3 ip ok -- -- net3/v4 dhcp ok -- 10.0.1.13/24