ネットワーク上で、あるホストは、別のホストシステムに宛てられたデータパケットを受信できます。受信側のローカルシステムでパケット転送を有効にすることによって、そのシステムは、データパケットを宛先ホストに転送できます。このプロセスは IP 転送と呼ばれ、Oracle Solaris ではデフォルトで無効になっています。
パケット転送は、IP インタフェースと TCP/IP プロトコルのどちらにも設定できるプロパティーによって管理されます。パケットの転送方法を選択できるようにする場合は、IP インタフェース上でパケット転送を有効にできます。たとえば、一部の NIC が外部ネットワークに接続されているのに対して、ほかの NIC はプライベートネットワークに接続されている場合のように、システムに複数の NIC が存在することがあります。そのため、すべてのインタフェースではなく、一部のインタフェース上でのみパケット転送を有効にします。
TCP/IP プロトコルのプロパティーを設定することで、システム上でグローバルにパケット転送を有効化することもできます。詳細は、Oracle Solaris 11.2 での TCP/IP ネットワーク、IPMP、および IP トンネルの管理 のグローバルなパケット転送の有効化を参照してください。
たとえば、次のように IP インタフェースでパケット転送を有効にします。
# ipadm set-ifprop -p forwarding=on -m protocol-version interface
ここで、protocol-version は IPv4 または IPv6 のどちらかです。このコマンドは、IPv4 パケットと IPv6 パケットで別個に入力する必要があります。
次の例は、システム上で IPv4 パケット転送のみを有効にする方法を示します。
# ipadm show-ifprop -p forwarding net0 IFNAME PROPERTY PROTO PERM CURRENT PERSISTENT DEFAULT POSSIBLE net0 forwarding ipv4 rw off off off on,off net0 forwarding ipv6 rw off -- off on,off # ipadm set-ifprop -p forwarding=on -m ipv4 net0 # ipadm show-ifprop net0 IFNAME PROPERTY PROTO PERM CURRENT PERSISTENT DEFAULT POSSIBLE ... net0 forwarding ipv4 rw on on off on,off ...