Oracle® Solaris 11.2 でのネットワークコンポーネントの構成と管理

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更新: 2014 年 7 月
 
 

永続的 (静的) ルートの作成

route コマンドを使用して手動でネットワークルーティングテーブルを操作します。変更をリブート後も永続させるには、–p オプションを使用します。/etc/defaultrouter ファイルは Oracle Solaris 11 では非推奨であるため、このファイルを使用してルート (デフォルトまたはそれ以外) を管理できなくなりました。route コマンドの使用は、手動でリブート後もルートを永続させることのできる唯一の方法です。


注 -  route コマンドは、アクティブなプロファイルのルートのみを操作します。デフォルトルート、およびほかのすべてのルートは、アクティブなプロファイルが変更された場合に置き換えられる可能性があります。ただし、システムで同じプロファイルを常に使用する場合、これは関係ありません。

ルートを永続的に追加する場合は、追加するルートが永続的構成にすでに存在しないことを確認する必要があります。これらのルートが永続的構成内に存在する場合、ネットワークルーティングテーブルは永続的ルートを更新せずに変化する可能性があります。1 つの例は、システムのデフォルトルートがシステムのプライマリインタフェースにマップされる状況です (Oracle Solaris インストール後によくあるケースです)。その後、システムのプライマリインタフェースを別のインタフェースに変更すると、システムのデフォルトルートも永続的に変更されます。ベストプラクティスは、新しいルートを追加する前に、永続的ルート構成を削除することです。詳細は、Oracle Solaris 11.2 でのネットワーク管理のトラブルシューティング の永続的なルートを追加するときの問題のトラブルシューティングを参照してください。

    永続的ルートの作成および表示に関する、次の追加情報を確認してください。

  • route コマンドと –p オプションを使用して、ルートを永続的に追加します。

    # route -p add default ip-address

    この方法を使用して作成されるルートの場合、route – p show コマンドを使用して、永続的な静的ルートをすべて表示します。

    # route -p show
  • netstat コマンドと次のオプションを使用して、現在システムでアクティブなルートを表示します。

    # netstat -rn

    netstat(1M) およびroute(1M) のマニュアルページを参照してください。

詳細は、netstat(1M)route(1M) のマニュアルページを参照してください。

リアクティブモード使用時のデフォルトルートの作成および表示に関する情報は、Chapter 5, Oracle Solaris でのプロファイルベースのネットワーク構成の管理についてを参照してください。

ルーティングテーブルに静的ルートを追加する方法

  1. 通常のユーザーアカウントを使用して、ルーティングテーブルの現在の状態を表示します。
    % netstat -rn

    出力は次のようになります。

    Routing Table: IPv4
      Destination          Gateway            Flags  Ref     Use     Interface 
    -------------------- -------------------- ----- ----- ---------- ---------
    192.168.5.125        192.168.5.10         U     1     5879       net0
    224.0.0.0            198.168.5.10         U     1     0          net0
    default              192.168.5.10         UG    1     91908
    127.0.0.1            127.0.0.1            UH    1     811302     lo0
    
    Routing Table: IPv6
      Destination/Mask            Gateway                   Flags Ref   Use    If
    --------------------------- --------------------------- ----- --- ------- -----
    ::1                         ::1                         UH      2       0 lo0
    
  2. 管理者になります。
  3. (オプション) ルーティングテーブル内の既存のエントリを消去します。
    # route flush
  4. 永続的なルートを追加します。
    # route -p add -net network-address -gateway gateway-address
    –p

    リブート後も保持されるルートを作成します。現在のセッションでのみ永続するルートを作成する場合は、–p オプションを使用しないでください。

    –net network-address

    network-address で指定されたアドレスを持つネットワークへのルートであることを示します。

    –gateway gateway-address

    指定されたルートのゲートウェイシステムの IP アドレスが gateway-address であることを示します。

使用例 3-7  ルーティングテーブルに静的ルートを追加する

次の例は、ルーター (ルーター 2) に静的ルートを追加する方法を示します。静的ルートは AS のボーダールーター 10.0.5.150 で必要です。この特定の設定の図については、Figure 3–1を参照してください。

次のようにして、ルーター 2 のルーティングテーブルを表示します。

# netstat -rn
Routing Table: IPv4
Destination           Gateway           Flags  Ref   Use   Interface
-------------------- -------------------- ----- ----- ------ ---------
default              172.20.1.10          UG        1    249 ce0
224.0.0.0            172.20.1.10          U         1      0 ce0
10.0.5.0             10.0.5.20            U         1     78 bge0
127.0.0.1            127.0.0.1            UH        1     57 lo0

Routing Table: IPv6
  Destination/Mask            Gateway                   Flags Ref   Use    If
--------------------------- --------------------------- ----- --- ------- -----
::1                         ::1                         UH      2       0 lo0

このルーティングテーブルは、ルーター 2 に既知のルートが 2 つあることを示しています。デフォルトのルートは、ルーター 2 の 172.20.1.10 インタフェースをゲートウェイとして使用します。2 番目のルート 10.0.5.0 は、ルーター 2 で実行中の in.routed デーモンによって検出されました。このルートのゲートウェイはルーター 1 で、その IP アドレスは 10.0.5.20 です。

次のようにして、ボーダールーターとして機能するゲートウェイを持つネットワーク 10.0.5.0 に 2 番目のルートを追加します。

# route -p add -net 10.0.5.0/24 -gateway 10.0.5.150
add net 10.0.5.0: gateway 10.0.5.150

これで、IP アドレス 10.0.5.150/24 を持つボーダールーターへのルートが、ルーティングテーブルに追加されました。

# netstat -rn
Routing Table: IPv4
Destination           Gateway           Flags  Ref   Use   Interface
-------------------- -------------------- ----- ----- ------ ---------
default              172.20.1.10          UG        1    249 ce0
224.0.0.0            172.20.1.10          U         1      0 ce0
10.0.5.0             10.0.5.20            U         1     78 bge0
10.0.5.0             10.0.5.150           U         1    375 bge0
127.0.0.1            127.0.0.1            UH        1     57 lo0

Routing Table: IPv6
  Destination/Mask            Gateway                   Flags Ref   Use    If
--------------------------- --------------------------- ----- --- ------- -----
::1                         ::1                         UH      2       0 lo0