Oracle® Solaris 11.2 でのネットワークコンポーネントの構成と管理

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更新: 2014 年 7 月
 
 

ネームサービスとディレクトリサービスの構成の概要

ネームサービスは、ホスト名とアドレス、ユーザー名、パスワード、アクセス権などの格納されている情報の検索を実行します。これらの情報はユーザーに使用可能になるため、ユーザーは各自のホストにログインし、リソースにアクセスして、アクセス許可を取得することができます。ネームサービス情報は、ファイル、マップ、または各種の形式のデータベースファイルに格納できます。これらの情報リポジトリは、システムにローカルに格納することも、中央のネットワークベースのリポジトリまたはデータベースに格納することもできます。中央のネームサービスが存在しない場合、各ホストは、これらの情報の独自のコピーを保持する必要があります。すべてのデータを 1 カ所で管理すれば、管理がより簡単になります。ネームサービスは、どのようなコンピュータネットワークにも欠かせないものです。

    次のネームサービスとディレクトリサービスがサポートされています。

  • ドメインネームサービス (DNS)

    DNS は、TCP/IP ネットワーク上に実装された階層的な分散型データベースです。これは主に、インターネットホスト名に対する IP アドレス、および IP アドレスに対するホスト名を検索するために使用されます。これらのデータはネットワーク全体にわたって分散しており、右から左に読み取られる、ピリオドで区切られた名前を使用して検索されます。DNS はまた、メール交換のルーティング情報、場所のデータ、使用可能なサービスなどの、その他のインターネット関連のホスト情報を格納するためにも使用されます。このサービスの階層的な性質により、ローカルドメインのローカルでの管理が可能になるだけでなく、インターネット、イントラネット、またはその両方に接続されたほかのドメインに国際的に対処できるようになります。詳しい手順については、Oracle Solaris 11.2 ディレクトリサービスとネームサービスでの作業: DNS と NIS のDNS ネームサービスの説明を参照してください。

    DNS プロトコルに対する 2 つの拡張機能が svc:network/dns/multicast サービスにより管理されています。マルチキャスト DNS (mDNS) では、従来の DNS サーバーがインストールされていなかった小規模なネットワーク内に DNS が実装されます。また、DNS サービス検出 (DNS-SD) によって、マルチキャスト DNS が単純なサービス検出 (ネットワークブラウジング) を提供するように拡張されます。Oracle Solaris 11.2 ディレクトリサービスとネームサービスでの作業: DNS と NIS のマルチキャスト DNS およびサービス検出の説明を参照してください。

  • ネットワーク情報システム (NIS)

    NIS (このガイドでは「ニス」と発音) は、DNS とは別個に開発されました。NIS は、多様なネットワーク情報を集中管理することによりネットワーク管理機能を高めることに焦点を当てています。NIS には、ネットワーク、マシンの名前とアドレス、ユーザー、およびネットワークサービスに関する情報も格納されます。このようなネットワーク情報の集まりを「NIS の名前空間」と呼びます。詳細は、Oracle Solaris 11.2 ディレクトリサービスとネームサービスでの作業: DNS と NIS のNIS ネームサービスの説明を参照してください。

  • LDAP (Lightweight Directory Access Protocol)

    LDAP は、ディレクトリサーバーにアクセスして分散型ネームサービスやその他のディレクトリサービスを使用するために使用される、セキュアなネットワークプロトコルです。この標準ベースのプロトコルは、階層的なデータベース構造をサポートしています。同じプロトコルを使用して、UNIX とマルチプラットフォームの両方の環境でネームサービスを提供できます。Oracle Solaris は、Oracle Directory Server Enterprise Edition (従来の Sun Java System Directory Server) およびほかの LDAP Directory Server を使用する場合、LDAP をサポートします。詳細は、Oracle Solaris 11.2 ディレクトリサービスとネームサービスでの作業: DNS と NIS のLDAP ネームサービスの説明を参照してください。

Oracle Solaris でのネームサービスサポート (サーバー側およびクライアント側) の完全な概要については、Oracle Solaris 11.2 ディレクトリサービスとネームサービスでの作業: DNS と NIS の第 1 章ネームサービスとディレクトリサービスについておよびOracle Solaris 11.2 ディレクトリサービスとネームサービスでの作業: LDAP を参照してください。