歴史的に見て、Oracle Solaris OS は SMI VTOC ディスクラベルで構成されたブートディスクにインストールされてきました。Oracle Solaris 11.1 OS 以降は、デフォルトで拡張ファームウェアインタフェース (EFI) GUID パーティションテーブル (GPT) ディスクラベルを使って構成されるブートディスクに OS がインストールされます。UltraSPARC T2、UltraSPARC T2 Plus、および SPARC T3 サーバーを除き、サポートされているすべてのサーバーの現在のシステムファームウェアバージョンは、EFI ラベルをサポートしています。
次のサーバーは、EFI GPT ディスクラベルの付いたディスクからブートできません。
使用されるシステムファームウェアのバージョンに関係なく、UltraSPARC T2、UltraSPARC T2 Plus、および SPARC T3 サーバー
バージョン 8.4.0 より前のシステムファームウェアが実行されている SPARC T4 サーバー
9.1.0 より前のシステムファームウェアバージョンを実行している SPARC T5 サーバー、SPARC M5 サーバー、および SPARC M6 サーバー
9.4.3 より前のシステムファームウェアバージョンを実行している SPARC T7 シリーズサーバーおよび SPARC M7 シリーズサーバー
そのため、最新の SPARC T4 サーバー、SPARC T5 サーバー、SPARC T7 シリーズサーバー、SPARC M5 サーバー、SPARC M6 サーバー、または SPARC M7 シリーズサーバー上で作成された Oracle Solaris 11.1 ブートディスクを、それより古いサーバー、またはそれより古いファームウェアを実行しているサーバー上で使用することはできません。
この制限により、コールド移行またはライブ移行のどちらかを使って新しいサーバーから古いサーバーにドメインを移すことができなくなります。また、この制限により、古いサーバーで EFI GPT ブートディスクイメージを使用することもできなくなります。
Oracle Solaris 11.1 ブートディスクが、使用しているサーバーやそのファームウェアと互換性があるかどうかを判断するには、Oracle Solaris 11.1 OS が SMI VTOC ディスクラベルで構成されたディスクにインストールされていることを確認します。
古いファームウェアが動作しているシステムとの下位互換性を維持するには、次のいずれかの手順を使用します。そうしないと、ブートディスクはデフォルトで EFI GPT ディスクラベルを使用します。これらの手順は、Oracle Solaris 11.1 OS が、少なくともシステムファームウェアバージョン 8.4.0 を実行している SPARC T4 サーバー上、少なくともシステムファームウェアバージョン 9.1.0 を実行している SPARC T5 サーバー、SPARC M5 サーバー、または SPARC M6 サーバー上、および少なくともシステムファームウェアバージョン 9.4.3 を実行している SPARC T7 シリーズサーバーまたは SPARC M7 シリーズサーバー上の SMI VTOC ディスクラベルの付いたブートディスクにインストールされていることを確認する方法を示しています。
解決方法 1: ファームウェアが EFI をサポートしていることを報告しないように gpt プロパティーを削除します。
OpenBoot PROM プロンプトから、自動ブートを無効にし、インストールされるシステムをリセットします。
ok setenv auto-boot? false ok reset-all
システムがリセットされると、ok プロンプトに戻ります。
/packages/disk-label ディレクトリに変更し、gptプロパティーを削除します。
ok cd /packages/disk-label ok " gpt" delete-property
Oracle Solaris 11.1 OS のインストールを開始します。
たとえば、ネットワークインストールを実行します。
ok boot net - install
解決方法 2: format -e コマンドを使用して、Oracle Solaris 11.1 OS がインストールされるディスクに SMI VTOC ラベルを書き込みます。
ディスクに SMI VTOC ラベルを書き込みます。
たとえば、label オプションを選択して、SMI ラベルを指定します。
# format -e c1d0 format> label [0] SMI Label [1] EFI Label Specify Label type[1]: 0
ディスク全体をカバーするスライス 0 とスライス 2 でディスクを構成します。
このディスクにはそのほかにパーティションはありません。たとえば、次のように表示されます。
format> partition partition> print Current partition table (unnamed): Total disk cylinders available: 14087 + 2 (reserved cylinders) Part Tag Flag Cylinders Size Blocks 0 root wm 0 - 14086 136.71GB (14087/0/0) 286698624 1 unassigned wu 0 0 (0/0/0) 0 2 backup wu 0 - 14086 136.71GB (14087/0/0) 286698624 3 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 4 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 5 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 6 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 7 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0
SMI VTOC ディスクラベルを再度書き込みます。
partition> label [0] SMI Label [1] EFI Label Specify Label type[0]: 0 Ready to label disk, continue? y
Oracle Solaris OS をブートディスクのスライス 0 にインストールするように Oracle Solaris Automatic Installer (AI) を構成します。
AI マニフェストの <disk> の抜粋を次のように変更します。
<target> <disk whole_disk="true"> <disk_keyword key="boot_disk"/> <slice name="0" in_zpool="rpool"/> </disk> [...] </target>
Oracle Solaris 11.1 OS のインストールを実行します。