少なくとも Oracle Solaris 11.2 SRU 1 OS を実行しているゲストドメイン上の仮想ディスクに使用されるパスを動的に選択できます。
動的なパス選択は、ldm set-vdisk コマンドを使用して volume プロパティーに volume-name@service-name という形式の値を設定することによって mpgroup ディスク内の最初のパスが変更された場合に発生します。動的なパス選択をサポートするアクティブドメインは、選択されたパスのみに切り替えることができます。更新されたドライバが実行されていない場合は、Oracle Solaris OS がディスクインスタンスをリロードしたとき、または次回のドメインリブート時にこのパスが選択されます。
動的なパス選択機能では、ディスクの使用中に次の手順を動的に実行できます。
ディスクの接続時にゲストドメインによって最初に試行されるディスクパスを指定します。
現在アクティブなパスを、すでに接続済みのマルチパスディスク用に示されたパスに変更します。
mpgroup ディスクとともに ldm add-vdisk コマンドを使用すると、volume-name@service-name によって示されたパスが、ディスクにアクセスするために選択されたパスとして指定されます。
選択されたディスクパスは、関連する mpgroup が作成されたときのランクに関係なく、ゲストドメインに提供されるパスのセットの最初にリストされます。
ldm set-vdisk コマンドは、バインドされたドメイン、非アクティブなドメイン、およびアクティブなドメインで使用できます。アクティブなドメインで使用する場合、このコマンドでは、mpgroup ディスクの選択されたパスのみを選択できます。
ldm list-bindings コマンドは次の情報を表示します。
各 mpgroup パスの STATE 列には、次のいずれかの値が表示されます。
active – mpgroup の現在のアクティブなパスです。
standby – パスは現在使用されていません。
unknown – ドメインが動的なパス選択をサポートしていないか、デバイスが接続されていないか、エラーによってパスの状態を取得できません。
ディスクパスは、アクティブなパスの選択に使用される順序でリストされます。
ディスクに関連付けられたボリュームは mpgroup の選択されたパスであるため、最初に表示されます。
次の例は、選択されたパスは vol-ldg2@opath-ldg2 であり、現在使用されているアクティブなパスは ldg1 ドメインを通っていることを示しています。この状況は、選択されたパスが使用できず、2 番目に可能なパスが代わりに使用された場合に発生する可能性があります。選択されたパスがオンラインに復帰しても、選択されたパス以外のパスが引き続き使用されます。最初のパスを再度アクティブにするには、ldm set-vdisk コマンドを再発行して、volume プロパティーに必要なパスの名前を設定します。
DISK NAME VOLUME TOUT ID DEVICE SERVER MPGROUP disk disk-ldg4@primary-vds0 0 disk@0 primary tdiskgroup vol-ldg2@opath-ldg2 1 disk@1 ldg2 testdiskgroup PORT MPGROUP VOLUME MPGROUP SERVER STATE 2 vol-ldg2@opath-ldg2 ldg2 standby 0 vol-ldg1@opath-vds ldg1 active 1 vol-prim@primary-vds0 primary standby
Oracle Solaris 11.2 SRU 1 OS 以上が実行されていないバインドされたドメインの mpgroup ディスクに対して ldm set-vdisk コマンドを使用した場合は、その操作によってパスの優先順位が変更されるため、次のディスク接続またはリブート中に、あるいは OBP からのアクセスが必要になった場合に新しいパスを最初に使用できます。