ドメインが Oracle Solaris 10 OS を実行している場合、Oracle VM Server for SPARC の一部のネットワーク機能の動作が Oracle Solaris 11 OS と比べて異なります。ドメインで Oracle Solaris 11 OS が実行されている場合の Oracle VM Server for SPARC 仮想ネットワークデバイスおよび仮想スイッチの機能の違いは次のようになります。
vswn デバイスをプライマリネットワークインタフェースとして構成し、サービスドメインがゲストドメインと通信できるようにする
この構成は、Oracle Solaris 10 OS を実行するドメインにのみ必要です。Oracle Solaris 11 の場合、仮想スイッチは Oracle Solaris 11 ネットワークスタックを使用し、自動的にその仮想ネットワークデバイスが、net0 などのそのバックエンドデバイスに対応するネットワークインタフェースと通信できるようにします。Oracle Solaris 11 では、vswn デバイスのネットワークインタフェースとしての構成はサポートされていません。
Oracle Solaris 11 etherstub デバイスをバックエンドデバイスとして使用して、プライベート仮想スイッチを作成する
バックエンドデバイスに接続されていない場合、仮想スイッチは、ゲストドメイン間の通信のみを提供し、ゲストドメインとサービスドメインとの間の通信は提供しません。etherstub をバックエンドデバイスとして使用すると、ゲストドメインは Oracle Solaris 11 サービスドメインで構成されているゾーン (大域ゾーンを含む) と通信できます。この構成は、その etherstub に接続された VNIC を使用して実現されます。
仮想スイッチと仮想ネットワークデバイスに汎用名を使用する
Oracle Solaris 11 OS はvswn デバイスと vnetn デバイスに汎用名を割り当てます。別の vsw デバイスまたは vnet デバイスであるバックエンドデバイスによって仮想スイッチを作成しないでください。汎用ネットワークデバイス名に関連付けられている実際の物理デバイスを表示するには、dladm show-phys コマンドを使用します。
Oracle Solaris 11 VNIC を使用して Ethernet スタブ上に VLAN を作成する
Oracle Solaris 11 サービスドメインの仮想スイッチインタフェース上に VLAN を構成しないでください。この構成はサポートされていません。代わりに、仮想スイッチの net-dev プロパティー値に対応するインタフェース上に VLAN を作成します。
Oracle Solaris 10 の場合は、ルーティングされる仮想スイッチを作成するために null 値を持つ net-dev プロパティーを設定できます。ただし、Oracle Solaris 11 ではこの方法はサポートされていません。代わりに、Ethernet スタブデバイス上に VNIC を構成して VLAN の一部になるようにします。
次の例は、Ethernet スタブ上に VNIC を作成する方法を示しています。dladm create-etherstub コマンドは、Ethernet スタブ estub100 を作成します。これは、仮想スイッチを作成するために ldm add-vsw コマンドによって使用される補助デバイスです。ldm add-vsw コマンドは、仮想スイッチを作成します。dladm create-vnic コマンドは、その仮想スイッチの VLAN を作成するために etherstub 上に VNIC を作成します。
primary# dladm create-etherstub estub100 primary# ldm add-vsw net-dev=estub100 vid=100 inter-vnet-link=off \ primary-vsw100 primary primary# dladm create-vnic -l estub100 -m auto -v 100 vnic100
次の ldm add-vnet コマンドは、ldg1 および ldg2 ドメインが VLAN 100 経由で通信できるようにするための 2 つの VNIC を作成します。
primary# ldm add-vnet vid=100 ldg1-vnet100 primary-vsw100 ldg1 primary# ldm add-vnet vid=100 ldg2-vnet100 primary-vsw100 ldg2
次の例では、dladm コマンドは、ldg1 および ldg2 ゲストドメイン上に VLAN を作成します。ipadm コマンドは、ldg1 および ldg2 ドメイン上に作成した VNIC の IP アドレスを作成します。
ldg1# dladm create-vlan -l net1 -v 100 vlan100 ldg1# ipadm create-ip vlan100 ldg1# ipadm create-ipaddr -T static -a 192.168.100.10/24 vlan100/v4 ldg2# dladm create-vlan -l net1 -v 100 vlan100 ldg2# ipadm create-ip vlan100 ldg2# ipadm create-ipaddr -T static -a 192.168.100.20/24 vlan100/v4
仮想スイッチと仮想ネットワークデバイスに汎用名を使用する
Oracle Solaris 11 OS はvswn デバイスと vnetn デバイスに汎用名を割り当てます。別の vsw デバイスまたは vnet デバイスであるバックエンドデバイスによって仮想スイッチを作成しないでください。汎用ネットワークデバイス名に関連付けられている実際の物理デバイスを表示するには、dladm show-phys コマンドを使用します。
仮想スイッチおよび仮想ネットワークデバイスで VNIC を使用する
vswn デバイスでは、VNIC を使用できません。vswn で VNIC を作成しようとしても失敗します。
Oracle Solaris 11 ゲストドメイン上でネットワーク可観測性コマンドを使用する
ldm list-netdev および ldm list-netstat コマンドを使用して、Oracle Solaris 11 ゲストドメインに関する情報を取得できます。