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Oracle® VM Server for SPARC 3.4 管理ガイド

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更新: 2016 年 8 月
 
 

SR-IOV の概要


注 - ルートドメインはその他のルートドメインとの依存関係を持つことができないため、PCIe バスを所有するルートドメインは、その PCIe エンドポイントデバイスまたは SR-IOV 仮想機能をほかのルートドメインに割り当てることができません。ただし、PCIe バスから、そのバスを所有するルートドメインに、PCIe エンドポイントデバイスまたは仮想機能を割り当てることはできます

Peripheral Component Interconnect Express (PCIe) シングルルート I/O 仮想化 (SR-IOV) 実装は、PCI-SIG に定義されているバージョン 1.1 の規格に基づいています。SR-IOV 標準は、仮想マシン間での PCIe デバイスの効率的な共有を可能にし、ネイティブのパフォーマンスに匹敵する I/O パフォーマンスを達成するためにハードウェアに実装されます。SR-IOV 仕様は、新しいデバイスを作成し、それにより仮想マシンを I/O デバイスに直接接続できるという、新しい標準を定義しています。

物理機能として知られている 1 つの I/O リソースを、多数の仮想マシンで共有することができます。共有デバイスは専用のリソースを提供し、共有の共通リソースも使用します。このようにして、各仮想マシンが固有のリソースにアクセスすることができます。そのため、ハードウェアと OS が適切にサポートされる SR-IOV 対応の Ethernet ポートなどの PCIe デバイスは、それぞれに独自の PCIe 構成スペースがある、複数の別個の物理デバイスのように見えます。

SR-IOV の詳細は、PCI-SIG web site (http://www.pcisig.com/)を参照してください。

次の図は、I/O ドメイン内の仮想機能と物理機能の関係を示しています。

図 3  I/O ドメインでの仮想機能と物理機能の使用

image:図は、I/O ドメインでの仮想機能と物理機能の使用法を示しています。

    SR-IOV には、次の機能タイプがあります。

  • 物理機能 – SR-IOV 仕様によって定義されている SR-IOV 機能をサポートする PCI 機能。物理機能には SR-IOV 機能構造が含まれ、SR-IOV 機能を管理します。物理機能は他の PCIe デバイスと同じように検出、管理、および操作が可能な多機能の PCIe 機能です。物理機能を使用して、PCIe デバイスを構成および制御できます。

  • 仮想機能 – 物理機能に関連付けられた PCI 機能。仮想機能は軽量の PCIe 機能であり、1 つ以上の物理リソースを物理機能と共有したり、その物理機能に関連付けられた仮想機能と共有したりします。物理機能とは異なり、仮想機能はそれ自体の動作しか構成できません。

各 SR-IOV デバイスには 1 つの物理機能があり、各物理機能には最大 256 の仮想機能を関連付けることができます。この数は、特定の SR-IOV デバイスによって異なります。仮想機能は物理機能によって作成されます。

物理機能で SR-IOV が有効になった後、物理機能のバス、デバイス、および機能数によって、各仮想機能の PCI 構成スペースにアクセスすることができます。それぞれの仮想機能には、そのレジスタセットのマップに使用される PCI メモリー領域があります。仮想機能のデバイスドライバは、その機能を有効にするためにレジスタセットで動作し、仮想機能は実際の PCI デバイスのように見えます。作成した後、仮想機能を I/O ドメインに直接割り当てることができます。この機能により、仮想機能で物理デバイスを共有したり、CPU やハイパーバイザソフトウェアのオーバーヘッドなしで I/O を実行したりできます。

    使用中の環境で SR-IOV 機能を使用すると、次のような利点が得られることがあります。

  • パフォーマンスの向上と待ち時間の削減 – 仮想マシン環境からハードウェアへの直接アクセス

  • コストの削減 – 次のような資産および運用上の支出の節約。

    • 省電力

    • アダプタ数の削減

    • 配線の削減

    • スイッチポートの削減

Oracle VM Server for SPARC SR-IOV の実装には、静的構成方法と動的構成方法の両方が含まれます。詳細については、静的 SR-IOV および動的 SR-IOV を参照してください。

    Oracle VM Server for SPARC SR-IOV 機能により、次の操作を実行できます。

  • 指定した物理機能での仮想機能の作成

  • 物理機能の指定した仮想機能の破棄

  • 仮想機能のドメインへの割り当て

  • ドメインからの仮想機能の削除

SR-IOV 物理機能デバイスで仮想機能を作成および破棄するには、まず該当する PCIe バスで I/O 仮想化を有効にする必要があります。ldm set-io または ldm add-io コマンドを使用すると、iov プロパティーを on に設定できます。また、ldm add-domain または ldm set-domain コマンドを使用すると、rc-add-policy プロパティーを iov に設定できます。ldm(1M) マニュアルページを参照してください。


注 - SPARC M7 シリーズサーバー、SPARC T7 シリーズサーバー、および Fujitsu M10 サーバーでは、PCIe バスの I/O 仮想化がデフォルトで有効になっています。

SR-IOV 仮想機能をドメインに割り当てると、SR-IOV 物理機能サービスを提供するドメインに対して暗黙的な依存関係が生まれます。ldm list-dependencies コマンドを使用することで、これらの依存関係を表示したり、この SR-IOV 物理機能に依存しているドメインを表示したりできます。ドメイン I/O の依存関係の一覧表示を参照してください。