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Oracle® VM Server for SPARC 3.4 管理ガイド

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更新: 2016 年 8 月
 
 

仮想デバイス識別子およびネットワークインタフェース名

ドメインに仮想スイッチまたは仮想ネットワークデバイスを追加する場合、id プロパティーを設定することでデバイス番号を指定できます。

primary# ldm add-vsw [id=switch-id] vswitch-name domain-name
primary# ldm add-vnet [id=network-id] if-name vswitch-name domain-name

ドメインの各仮想スイッチおよび仮想ネットワークデバイスには、ドメインがバインドされるときに割り当てられる一意のデバイス番号があります。id プロパティーを設定して仮想スイッチまたは仮想ネットワークデバイスを明示的なデバイス番号で追加した場合、指定したデバイス番号が使用されます。デバイス番号を指定しなかった場合、使用可能なもっとも小さいデバイス番号が自動的に割り当てられます。その場合、割り当てられるデバイス番号は、仮想スイッチまたは仮想ネットワークデバイスがシステムに追加された方法によって異なります。仮想スイッチまたは仮想ネットワークデバイスに最終的に割り当てられたデバイス番号は、ドメインがバインドされるときに ldm list-bindings コマンドの出力で確認できます。

次の例は、primary ドメインに 1 つの仮想スイッチ primary-vsw0 が構成されていることを示しています。この仮想スイッチのデバイス番号は 0 (switch@0) です。

primary# ldm list-bindings primary
...
VSW
    NAME         MAC               NET-DEV DEVICE   DEFAULT-VLAN-ID PVID VID MTU MODE
    primary-vsw0 00:14:4f:fb:54:f2 net0    switch@0 1               1    5,6 1500
...

次の例は、ldg1 ドメインには 2 つの仮想ネットワークデバイス vnet および vnet1 が構成されていることを示しています。デバイス vnet のデバイス番号は 0 (network@0) で、デバイス vnet1 のデバイス番号は 1 (network@1) です。

 

primary# ldm list-bindings ldg1
...
NETWORK
    NAME  SERVICE              DEVICE    MAC               MODE   PVID VID MTU
    vnet  primary-vsw0@primary network@0 00:14:4f:fb:e0:4b hybrid 1        1500
    ...
    vnet1 primary-vsw0@primary network@1 00:14:4f:f8:e1:ea        1        1500
...

同様に、仮想ネットワークデバイスが構成されたドメインで Oracle Solaris OS を実行している場合、仮想ネットワークデバイスはネットワークインタフェース vnetN を備えています。ただし、仮想ネットワークデバイスのネットワークインタフェース番号 N は、仮想ネットワークデバイスのデバイス番号 n と同じとはかぎりません。


注 - Oracle Solaris 11 システムでは、汎用リンクが netn の形式で vswnvnetn の両方に割り当てられます。dladm show-phys コマンドを使用して、vswn デバイスと vnetn デバイスにマップされた netn 名を識別します。

Caution

注意  - Oracle Solaris OS では、ネットワークインタフェースの名前と、仮想スイッチまたは仮想ネットワークデバイスとの間のマッピングが、デバイス番号に基づいて保存されます。デバイス番号が仮想スイッチまたは仮想ネットワークデバイスに明示的に割り当てられていない場合、ドメインのバインドがいったん解除されたあとでふたたびバインドされると、デバイス番号が変更されることがあります。その場合、ドメインで動作している OS によって割り当てられたネットワークインタフェース名が変更され、システムの既存の構成が使用できなくなることもあります。この状況は、たとえば、仮想スイッチまたは仮想ネットワークインタフェースがドメインの構成から削除されたときに起こる場合があります。


ldm list-* コマンドを使用して、仮想スイッチまたは仮想ネットワークデバイスに対応する Oracle Solaris OS のネットワークインタフェース名を直接判定することはできません。ただし、ldm list l コマンドの出力と、Oracle Solaris OS の /devices 配下のエントリを組み合わせて使用すると、この情報を取得できます。

Oracle Solaris 11 ネットワークインタフェース名の検索

Oracle Solaris 11 システムでは、ldm list-netdev コマンドを使用して Oracle Solaris OS ネットワークインタフェース名を検索できます。詳細については、ldm(1M) のマニュアルページを参照してください。

次の例は、ldm list-netdev コマンドと ldm list -o network コマンドを示しています。ldm list -o network コマンドは、仮想ネットワークデバイスを NAME フィールドに示します。ldm list-netdev 出力は、対応する OS インタフェース名を NAME 列に示します。

primary# ldm list -o network ldg1
....
NETWORK
    NAME        SERVICE              ID DEVICE    MAC               MODE
    PVID VID MTU   MAXBW LINKPROP
    vnet0-ldg1  primary-vsw0@primary 0  network@0 00:14:4f:fa:eb:4e 1
             1500
    vnet1-ldg1  svcdom-vsw0@svcdom   1  network@1 00:14:4f:f8:53:45 4
             1500
           PVLAN :400,community

primary# ldm list-netdev ldg1
DOMAIN
ldg1

NAME CLASS MEDIA STATE   SPEED OVER  LOC
---- ----- ----- -----   ----- ----  ---
net0 VNET  ETHER up      0     vnet0 primary-vsw0/vnet0-ldg1
net1 VNET  ETHER up      0     vnet1 svcdom-vsw0/vnet1-ldg1
net2 VNET  ETHER unknown 0     vnet2 svcdom-vsw1/vnet2-ldg1

ldm list-netdev 出力が正しいことを確認するには、dladm show-phys コマンドと dladm show-linkprop -p mac-address コマンドを ldg1 から実行します。

ldg1# dladm show-phys
LINK     MEDIA     STATE      SPEED  DUPLEX         DEVICE
net0     Ethernet  up         0      unknown        vnet0
net1     Ethernet  up         0      unknown        vnet1
net2     Ethernet  unknown    0      unknown        vnet2

ldg1# dladm show-linkprop -p mac-address
LINK PROPERTY    PERM VALUE            EFFECTIVE        DEFAULT          POSSIBLE
net0 mac-address rw   0:14:4f:fa:eb:4e 0:14:4f:fa:eb:4e 0:14:4f:fa:eb:4e --
net1 mac-address rw   0:14:4f:f8:53:45 0:14:4f:f8:53:45 0:14:4f:f8:53:45 --

Oracle Solaris OS ネットワークインタフェース名を検索する方法

この手順では、net-c に対応する ldg1 内の Oracle Solaris OS ネットワークインタフェース名を検索する方法について説明します。この例では、仮想ネットワークデバイスではなく仮想スイッチのネットワークインタフェース名を検索する場合の相違点も示します。次の例では、ゲストドメイン ldg1 には net-a および net-c の 2 つの仮想ネットワークデバイスが含まれています。

  1. ldm コマンドを使用して、net-c の仮想ネットワークデバイス番号を探します。
    primary# ldm list -l ldg1
    ...
    NETWORK
    NAME         SERVICE                     DEVICE       MAC
    net-a        primary-vsw0@primary        network@0    00:14:4f:f8:91:4f
    net-c        primary-vsw0@primary        network@2    00:14:4f:f8:dd:68
    ...

    net-c の仮想ネットワークデバイス番号は 2 (network@2) です。

    仮想スイッチのネットワークインタフェース名を確認するには、switch@n として表示される仮想スイッチデバイス番号 n を見つけます。

  2. ldg1 で対応するネットワークインタフェースを検出するには、ldg1 にログインして、/devices 配下でこのデバイス番号に対するエントリを探します。
    ldg1# uname -n
    ldg1
    ldg1# find /devices/virtual-devices@100 -type c -name network@2\*
    /devices/virtual-devices@100/channel-devices@200/network@2:vnet1

    ネットワークインタフェース名は、コロンのあとのエントリの部分で、この場合は vnet1 です。

    仮想スイッチのネットワークインタフェース名を判定するには、–name オプションの引数を virtual-network-switch@n\* に置換します。次に、vswN という名前のネットワークインタフェースを探します。

  3. 手順 1 の net-c に対する ldm list -l の出力に示されるように、vnet1 の MAC アドレスが 00:14:4f:f8:dd:68 であることを確認します。
    • Oracle Solaris 11 OS。
      1. vnet1 に指定するインタフェースの名前を確認します。
        ldg1# dladm show-phys |grep vnet1
        net2      Ethernet      up      0      unknown   vnet1
      2. net2 の MAC アドレスを確認します。
        # dladm show-linkprop -p mac-address net2
        LINK PROPERTY    PERM VALUE             EFFECTIVE         DEFAULT POSSIBLE
        net2 mac-address rw   00:14:4f:f8:dd:68 00:14:4f:f8:dd:68 --      --

        この MAC アドレスの例は、手順 1 にある ldm list -l コマンドの net-c に関する出力に一致しています。

    • Oracle Solaris 10 OS。
      ldg1# ifconfig vnet1
      vnet1: flags=1000842<BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 1500 index 3
                inet 0.0.0.0 netmask 0
                ether 0:14:4f:f8:dd:68