ドメインに仮想スイッチまたは仮想ネットワークデバイスを追加する場合、id プロパティーを設定することでデバイス番号を指定できます。
primary# ldm add-vsw [id=switch-id] vswitch-name domain-name primary# ldm add-vnet [id=network-id] if-name vswitch-name domain-name
ドメインの各仮想スイッチおよび仮想ネットワークデバイスには、ドメインがバインドされるときに割り当てられる一意のデバイス番号があります。id プロパティーを設定して仮想スイッチまたは仮想ネットワークデバイスを明示的なデバイス番号で追加した場合、指定したデバイス番号が使用されます。デバイス番号を指定しなかった場合、使用可能なもっとも小さいデバイス番号が自動的に割り当てられます。その場合、割り当てられるデバイス番号は、仮想スイッチまたは仮想ネットワークデバイスがシステムに追加された方法によって異なります。仮想スイッチまたは仮想ネットワークデバイスに最終的に割り当てられたデバイス番号は、ドメインがバインドされるときに ldm list-bindings コマンドの出力で確認できます。
次の例は、primary ドメインに 1 つの仮想スイッチ primary-vsw0 が構成されていることを示しています。この仮想スイッチのデバイス番号は 0 (switch@0) です。
primary# ldm list-bindings primary ... VSW NAME MAC NET-DEV DEVICE DEFAULT-VLAN-ID PVID VID MTU MODE primary-vsw0 00:14:4f:fb:54:f2 net0 switch@0 1 1 5,6 1500 ...
次の例は、ldg1 ドメインには 2 つの仮想ネットワークデバイス vnet および vnet1 が構成されていることを示しています。デバイス vnet のデバイス番号は 0 (network@0) で、デバイス vnet1 のデバイス番号は 1 (network@1) です。
primary# ldm list-bindings ldg1 ... NETWORK NAME SERVICE DEVICE MAC MODE PVID VID MTU vnet primary-vsw0@primary network@0 00:14:4f:fb:e0:4b hybrid 1 1500 ... vnet1 primary-vsw0@primary network@1 00:14:4f:f8:e1:ea 1 1500 ...
同様に、仮想ネットワークデバイスが構成されたドメインで Oracle Solaris OS を実行している場合、仮想ネットワークデバイスはネットワークインタフェース vnetN を備えています。ただし、仮想ネットワークデバイスのネットワークインタフェース番号 N は、仮想ネットワークデバイスのデバイス番号 n と同じとはかぎりません。
注意 - Oracle Solaris OS では、ネットワークインタフェースの名前と、仮想スイッチまたは仮想ネットワークデバイスとの間のマッピングが、デバイス番号に基づいて保存されます。デバイス番号が仮想スイッチまたは仮想ネットワークデバイスに明示的に割り当てられていない場合、ドメインのバインドがいったん解除されたあとでふたたびバインドされると、デバイス番号が変更されることがあります。その場合、ドメインで動作している OS によって割り当てられたネットワークインタフェース名が変更され、システムの既存の構成が使用できなくなることもあります。この状況は、たとえば、仮想スイッチまたは仮想ネットワークインタフェースがドメインの構成から削除されたときに起こる場合があります。 |
ldm list-* コマンドを使用して、仮想スイッチまたは仮想ネットワークデバイスに対応する Oracle Solaris OS のネットワークインタフェース名を直接判定することはできません。ただし、ldm list l コマンドの出力と、Oracle Solaris OS の /devices 配下のエントリを組み合わせて使用すると、この情報を取得できます。
Oracle Solaris 11 システムでは、ldm list-netdev コマンドを使用して Oracle Solaris OS ネットワークインタフェース名を検索できます。詳細については、ldm(1M) のマニュアルページを参照してください。
次の例は、ldm list-netdev コマンドと ldm list -o network コマンドを示しています。ldm list -o network コマンドは、仮想ネットワークデバイスを NAME フィールドに示します。ldm list-netdev 出力は、対応する OS インタフェース名を NAME 列に示します。
primary# ldm list -o network ldg1 .... NETWORK NAME SERVICE ID DEVICE MAC MODE PVID VID MTU MAXBW LINKPROP vnet0-ldg1 primary-vsw0@primary 0 network@0 00:14:4f:fa:eb:4e 1 1500 vnet1-ldg1 svcdom-vsw0@svcdom 1 network@1 00:14:4f:f8:53:45 4 1500 PVLAN :400,community primary# ldm list-netdev ldg1 DOMAIN ldg1 NAME CLASS MEDIA STATE SPEED OVER LOC ---- ----- ----- ----- ----- ---- --- net0 VNET ETHER up 0 vnet0 primary-vsw0/vnet0-ldg1 net1 VNET ETHER up 0 vnet1 svcdom-vsw0/vnet1-ldg1 net2 VNET ETHER unknown 0 vnet2 svcdom-vsw1/vnet2-ldg1
ldm list-netdev 出力が正しいことを確認するには、dladm show-phys コマンドと dladm show-linkprop -p mac-address コマンドを ldg1 から実行します。
ldg1# dladm show-phys LINK MEDIA STATE SPEED DUPLEX DEVICE net0 Ethernet up 0 unknown vnet0 net1 Ethernet up 0 unknown vnet1 net2 Ethernet unknown 0 unknown vnet2 ldg1# dladm show-linkprop -p mac-address LINK PROPERTY PERM VALUE EFFECTIVE DEFAULT POSSIBLE net0 mac-address rw 0:14:4f:fa:eb:4e 0:14:4f:fa:eb:4e 0:14:4f:fa:eb:4e -- net1 mac-address rw 0:14:4f:f8:53:45 0:14:4f:f8:53:45 0:14:4f:f8:53:45 --
この手順では、net-c に対応する ldg1 内の Oracle Solaris OS ネットワークインタフェース名を検索する方法について説明します。この例では、仮想ネットワークデバイスではなく仮想スイッチのネットワークインタフェース名を検索する場合の相違点も示します。次の例では、ゲストドメイン ldg1 には net-a および net-c の 2 つの仮想ネットワークデバイスが含まれています。
primary# ldm list -l ldg1 ... NETWORK NAME SERVICE DEVICE MAC net-a primary-vsw0@primary network@0 00:14:4f:f8:91:4f net-c primary-vsw0@primary network@2 00:14:4f:f8:dd:68 ...
net-c の仮想ネットワークデバイス番号は 2 (network@2) です。
仮想スイッチのネットワークインタフェース名を確認するには、switch@n として表示される仮想スイッチデバイス番号 n を見つけます。
ldg1# uname -n ldg1 ldg1# find /devices/virtual-devices@100 -type c -name network@2\* /devices/virtual-devices@100/channel-devices@200/network@2:vnet1
ネットワークインタフェース名は、コロンのあとのエントリの部分で、この場合は vnet1 です。
仮想スイッチのネットワークインタフェース名を判定するには、–name オプションの引数を virtual-network-switch@n\* に置換します。次に、vswN という名前のネットワークインタフェースを探します。
ldg1# dladm show-phys |grep vnet1 net2 Ethernet up 0 unknown vnet1
# dladm show-linkprop -p mac-address net2 LINK PROPERTY PERM VALUE EFFECTIVE DEFAULT POSSIBLE net2 mac-address rw 00:14:4f:f8:dd:68 00:14:4f:f8:dd:68 -- --
この MAC アドレスの例は、手順 1 にある ldm list -l コマンドの net-c に関する出力に一致しています。
ldg1# ifconfig vnet1 vnet1: flags=1000842<BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 1500 index 3 inet 0.0.0.0 netmask 0 ether 0:14:4f:f8:dd:68