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Oracle® VM Server for SPARC 3.4 管理ガイド

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更新: 2016 年 8 月
 
 

ドメイン移行の制限

次のセクションでは、ドメイン移行の制限について説明します。Logical Domains Manager ソフトウェアおよびシステムファームウェアのバージョンは、移行を許可するために相互に互換している必要があります。また、ドメイン移行を正常に完了するためには、特定の CPU 要件を満たす必要があります。

ソースとターゲットのプラットフォームおよびシステムファームウェアバージョンのすべての組み合わせにおいて、ライブ移行は認定もサポートもされていません。それらのライブ移行を実行できない組み合わせには、代わりにコールド移行を実行できます。

移行におけるバージョン制限

    このセクションでは、ライブ移行を実行する際のバージョン制限について説明します。

  • Logical Domains Manager のバージョン。一方のシステムで最新バージョンの Logical Domains Manager が動作し、他方のシステムで少なくとも直前のバージョンの Logical Domains Manager が動作している場合は、どちらの方向でもライブ移行を実行できます。

  • Oracle Solaris OS のバージョン。少なくとも Oracle Solaris 10 9/10 OS を実行するゲストドメインのライブ移行を実行できます。Oracle Solaris 10 10/09 OS 以前の Oracle Solaris OS のバージョンを実行するゲストドメインのライブ移行を実行することはできません。これらの古い Oracle Solaris OS バージョンをブートし、このようなドメインのコールド移行を実行することは引き続き可能です。

  • システムファームウェアのバージョン。一般に、ソースマシンとターゲットマシンの両方が適切な最小バージョンのシステムファームウェアをサポートしている場合は、2 つのシステム間でのライブ移行を実行できます。Oracle VM Server for SPARC 3.4 インストールガイド の 最小のシステムファームウェアバージョンを参照してください。

移行における CPU 間の制限

UltraSPARC T2、UltraSPARC T2 Plus、または SPARC T3 サーバー、および SPARC T5 サーバー以降のサーバーの間ではライブ移行操作を実行できません。

perf-counters の設定に関する移行の制限

perf-counters プロパティー値が設定されているドメインの移行を実行するときは注意が必要です。

perf-counters プロパティー値が global に設定されているドメインの移行を実行する前に、perf-counters プロパティー値が global に設定されているほかのドメインがターゲットマシン上にないことを確認します。

移行操作中、perf-counters プロパティーは、パフォーマンスアクセス機能がソースマシン、ターゲットマシン、またはその両方で使用可能かどうかに基づき、異なる方法で扱われます。

    perf-counters プロパティー値は次のように扱われます。

  • ソースマシンのみ。perf-counters プロパティー値はターゲットマシンに伝搬されません。

  • ターゲットマシンのみ。移行されるマシンの perf-counters プロパティー値は、perf-counters= と同等になるように更新されます。

  • ソースマシンとターゲットマシン。perf-counters プロパティー値は、移行されるドメインからターゲットマシン上の移行されたドメインに伝搬されます。

perf-counters プロパティーの詳細については、パフォーマンスカウンタプロパティーの使用およびldm(1M) のマニュアルページを参照してください。

linkprop=phys-state の設定における移行の制限

物理 NIC 補助デバイスを持ち、linkprop=phys-state が設定されている仮想ネットワークデバイスは、物理 NIC を補助デバイスとして持たない (net-dev=) ターゲットドメインに移行できます。linkprop=phys-state 制約はハード要件ではないため、使用可能な net-dev 値を持たないマシンにこのようなドメインが移行された場合、この制約は維持されますが満たされません。linkprop プロパティーが phys-state として保持され続け、ネットワークデバイスリンク状態はリンクが稼働中であると示されます。

多数の仮想デバイスを持つドメインにおける移行の制限

場合によって、多数の仮想デバイスを持つドメインを移行すると、ターゲットマシン上の制御ドメインは通常より応答性が低くなります。この期間中、ldm コマンドはハングアップしたように見え、標準の Oracle Solaris OS コマンドの完了まで通常よりも長くかかります。

この中断は、移行されたドメインに関連付けられた受信中の多数の仮想デバイスを処理している仮想サーバーによって発生します。この処理が完了すると、制御ドメインは通常の状態に戻り、すべてのストールした ldm コマンドが完了します。

ドメインによって使用される仮想デバイスの数を 1000 以下に制限することによって、この種の中断を最小限に抑えることができます。