システムがクラッシュした場合、OS がリブートされるまでクラッシュダンプファイルをメモリーに保存できます。OS のリブート中に、クラッシュダンプファイルはダンプ構成で定義されたファイルシステムにメモリーから抽出されます。これらのファイルが書き込まれたあと、OS は通常のマルチユーザー構成に自動的にリブートされます。このプロセスは遅延ダンプと呼ばれます。遅延ダンプを利用すると、OS はカーネルパニック後に短時間で実行状態に戻ることができます。
また遅延ダンプは、ローカルディスクを搭載していない M7 シリーズシステムなどのシステムに特にメリットがあります。遅延ダンプを使用すると、ネットワーク接続されたブートデバイス (iSCSI ターゲットなど) を代わりに使用できます。通常、このブートデバイスはパニック中にクラッシュダンプデータをディスクに格納できません。 遅延ダンプは、OS がクラッシュおよび再起動している間、ディスクの代わりにメモリーにクラッシュダンプファイルを格納できます。 OS の再起動後、クラッシュダンプデータはメモリーから抽出され、ネットワーク接続されたブートデバイスのダンプファイルに格納されます。 このように、遅延ダンプはネットワーク接続されたブートデバイスを持つシステムがパニックを起こした場合にクラッシュダンプを保存できます。