Oracle® Solaris 11.2 での ZFS ファイルシステムの管理

印刷ビューの終了

更新: 2014 年 12 月
 
 

ZFS ストレージプール内でディスクを使用する

ストレージプールのもっとも基本的な要素は、物理ストレージです。128M バイト以上のサイズであれば、任意のブロック型デバイスを物理ストレージとして利用できます。このデバイスは通常、/dev/dsk ディレクトリとしてシステムから認識されるハードドライブです。

ディスク全体 (c1t0d0) または個別のスライス (c0t0d0s7) をストレージデバイスとして利用できます。推奨される操作モードは、ディスク全体を使用する方法です。この場合、ディスクが特別なフォーマットである必要はありません。ZFS によって、EFI ラベルを使用する 1 つの大きなスライスのディスクとしてフォーマットされます。この方法を使用した場合に、format コマンドで表示されるパーティションテーブルは、次のような内容になります。

Current partition table (original):
Total disk sectors available: 143358287 + 16384 (reserved sectors)

Part      Tag    Flag     First Sector         Size         Last Sector
0        usr    wm               256       68.36GB          143358320
1 unassigned    wm                 0           0               0
2 unassigned    wm                 0           0               0
3 unassigned    wm                 0           0               0
4 unassigned    wm                 0           0               0
5 unassigned    wm                 0           0               0
6 unassigned    wm                 0           0               0
8   reserved    wm         143358321        8.00MB          143374704

Oracle Solaris 11.1 をインストールすると、ほとんどの場合、EFI (GPT) ラベルが x86 ベースシステムのルートプールディスクに適用され、次のように表示されます。

Current partition table (original):
Total disk sectors available: 27246525 + 16384 (reserved sectors)

Part      Tag    Flag     First Sector        Size        Last Sector
0  BIOS_boot    wm               256     256.00MB         524543
1        usr    wm            524544      12.74GB         27246558
2 unassigned    wm                 0          0              0
3 unassigned    wm                 0          0              0
4 unassigned    wm                 0          0              0
5 unassigned    wm                 0          0              0
6 unassigned    wm                 0          0              0
8   reserved    wm          27246559       8.00MB         27262942

上記の出力では、パーティション 0 (BIOS boot) に必要な GPT ブート情報が含まれています。パーティション 8 と同様に、それは管理を必要としないため、変更しないようにしてください。ルートファイルシステムは、パーティション 1 に含まれています。

GPT 対応ファームウェアが搭載された SPARC システムには、EFI (GPT) ディスクラベルが貼付されます。例:

Current partition table (original):
Total disk sectors available: 143358320 + 16384 (reserved sectors)

Part      Tag    Flag     First Sector         Size         Last Sector
0        usr    wm               256       68.36GB          143358320
1 unassigned    wm                 0           0               0
2 unassigned    wm                 0           0               0
3 unassigned    wm                 0           0               0
4 unassigned    wm                 0           0               0
5 unassigned    wm                 0           0               0
6 unassigned    wm                 0           0               0
8   reserved    wm         143358321        8.00MB          143374704

ストレージプールのディスク全体を使用する場合は、次の考慮事項を確認してください。

  • ディスク全体を使用するとき、一般に、ディスクには /dev/dsk/cNtNdN という命名規則を使用して名前が付けられます。サードパーティーのドライバの中には、異なる命名規則を使用したり、ディスクを /dev/dsk ディレクトリ以外の場所に配置するものがあります。これらのディスクを使用する場合は、ディスクの名前を手動で付けて、ZFS にスライスを渡す必要があります。

  • x86 ベースのシステムでは、有効な Solaris fdisk パーティションがディスクに含まれている必要があります。Solaris fdisk パーティションの作成または変更の詳細については、Oracle Solaris 11.2 でのデバイスの管理 のZFS ファイルシステム用のディスクの設定を参照してください。

  • ディスク全体を使ってストレージプールを作成するときは、EFI ラベルが適用されます。EFI ラベルの詳細については、Oracle Solaris 11.2 でのデバイスの管理 のEFI (GPT) ディスクラベルを参照してください。

  • Oracle Solaris インストーラは、ほとんどの場合に、GPT 対応ファームウェアを搭載した SPARC ベースのシステムおよび x86 ベースのシステムでルートプールディスクの EFI (GPT) ラベルを適用します。詳細については、ZFS ルートプールの要件を確認するを参照してください。

  • ルートプールの回復目的の場合は、archiveadm コマンドを使用してルートプールデバイスを作成することを検討してください。新しいブートデバイスの設定、おそらく /etc/vfstab ファイルの更新、既存のダンプデバイスのリセットなど、追加の手動手順が必要になるため、ルートプールを分割するとエラーのリスクが生じます。

    ルートプールアーカイブの作成の詳細については、Oracle Solaris 11.2 でのシステム復旧とクローン を参照してください。

ディスクは、/dev/dsk/c1t0d0 などの完全なパス、または /dev/dsk ディレクトリ内のデバイス名で構成される短縮名 (c1t0d0 など) を使用して指定できます。たとえば、有効なディスク名は次のとおりです。

  • c1t0d0

  • /dev/dsk/c1t0d0

  • /dev/foo/disk