Oracle® Solaris 11.2 での ZFS ファイルシステムの管理

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更新: 2014 年 12 月
 
 

ZFS の割り当て制限と予約を設定する

quota プロパティーを使用して、ファイルシステムが使用できるディスク容量を制限できます。また、reservation プロパティーを使用して、指定されたディスク容量をファイルシステムが使用できることを保証することもできます。どちらのプロパティーも、設定対象のファイルシステムとそのファイルシステムのすべての子孫に適用されます。

つまり、割り当て制限を tank/home ファイルシステムに設定した場合は、tank/home およびそのすべての子孫が使用するディスク容量の合計がその割り当て制限を超えることができなくなります。同様に、tank/home に予約を設定した場合は、tank/home およびそのすべての子孫がその予約を利用することになります。ファイルシステムとそのすべての子孫が使用するディスク容量は、used プロパティーによって報告されます。

refquota プロパティーと refreservation プロパティーは、スナップショットやクローンなどの子孫で消費されるディスク容量を計上せずにファイルシステムの容量を管理するために使用されます。

この Solaris リリースでは、特定のユーザーまたはグループが所有するファイルによって消費されるディスク領域の量に割り当て制限を設定することができます。ファイルシステムバージョン 4 より古いファイルシステム上のボリューム、またはバージョン 15 より古いプール上のボリュームには、ユーザーおよびグループの割り当て制限プロパティーを設定できません。

ファイルシステムを管理するために、割り当て制限と予約の機能としてどれがもっとも役立つかを判断するには、次の点を考慮してください。

  • quota プロパティーと reservation プロパティーは、ファイルシステムとその子孫が消費するディスク容量を管理する場合に便利です。

  • refquota プロパティーと refreservation プロパティーは、ファイルシステムが消費するディスク容量を管理する場合に適しています。

  • refquota または refreservation プロパティーに、quota または reservation プロパティーより大きい値を設定しても、何の効果もありません。quota プロパティーまたは refquota プロパティーを設定した場合、どちらかの値を超えるような操作は失敗します。refquota より大きい値の quota 値を超える場合もあります。たとえば、スナップショットのブロックの一部が変更された場合は、refquota を超える前に実際に quota を超える可能性があります。

  • ユーザーおよびグループの割り当てを制限することによって、大学などのような、多数のユーザーアカウントが存在する環境でディスクスペースを簡単に管理できるようになります。

割り当て制限と予約の設定方法の詳細については、ZFS ファイルシステムに割り当て制限を設定するおよびZFS ファイルシステムに予約を設定するを参照してください。