Oracle® Solaris 11.2 での ZFS ファイルシステムの管理

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更新: 2014 年 12 月
 
 

ACL 継承

ACL 継承を使用する目的は、新しく作成されたファイルまたはディレクトリが、親ディレクトリに対する既存のアクセス権を無視せずに、継承を意図する ACL を継承できるようにすることです。

デフォルトでは、ACL は伝達されません。ディレクトリに非簡易 ACL を設定した場合でも、その ACL はそれ以降に作成されるディレクトリには継承されません。ACL を継承する場合は、ファイルまたはディレクトリにそのことを 指定する必要があります。

省略可の継承フラグを次の表に示します。


注 -  現在、successful_accessfailed_access、および inherited フラグは SMB サーバーにのみ適用されます。
表 7-4  ACL 継承フラグ
継承フラグ
継承フラグのコンパクト表現
説明
file_inherit
f
親ディレクトリの ACL をそのディレクトリのファイルにのみ継承します。
dir_inherit
d
親ディレクトリの ACL をそのディレクトリのサブディレクトリにのみ継承します。
inherit_only
i
親ディレクトリから ACL を継承しますが、新しく作成したファイルまたはサブディレクトリにのみ適用され、そのディレクトリ自体には適用されません。このフラグを使用する場合は、何を継承するかを指定するために、file_inherit フラグまたは dir_inherit フラグ、あるいはその両方を指定する必要があります。
no_propagate
n
親ディレクトリの ACL をそのディレクトリの第 1 レベルの内容にのみ継承します。第 2 レベル以降の内容には継承しません。このフラグを使用する場合は、何を継承するかを指定するために、file_inherit フラグまたは dir_inherit フラグ、あるいはその両方を指定する必要があります。
-
N/A
アクセス権は付与されていません。
successful_access
S
正常にアクセスしたときに、アラームまたは監査記録を開始するかどうかを指定します。このフラグは監査またはアラームの ACE タイプで使用されます。
failed_access
F
アクセスに失敗したときに、アラームまたは監査記録を開始するかどうかを指定します。このフラグは監査またはアラームの ACE タイプで使用されます。
inherited
I
ACE が継承されたことを示します。

また、aclinherit ファイルシステムプロパティーを使用して、デフォルトの ACL 継承ポリシーをファイルシステムに設定することもできます。ポリシーの厳密度はプロパティーによって異なります。詳細については、次のセクションを参照してください。