Oracle® Solaris 11.2 での ZFS ファイルシステムの管理

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更新: 2014 年 12 月
 
 

ZFS ユーザープロパティー

ZFS は、ネイティブプロパティーに加えて、任意のユーザープロパティーもサポートします。ユーザープロパティーは ZFS の動作には影響しませんが、これらを使用すると、使用環境内で意味のある情報をデータセットに注釈として付けることができます。

ユーザープロパティー名は次の規則に準拠している必要があります。

  • ネイティブプロパティーと区別するためのコロン(': ') を含んでいる必要がある。

  • 小文字の英字、数字、または次の句読文字を含んでいる必要がある。「:」、「+」、「.」、「_」。

  • ユーザープロパティー名の最大長は、256 文字である。

想定されている規則では、プロパティー名は次の 2 つの部分に分割しますが、この名前空間は ZFS によって強制されているものではありません。

module:property

ユーザープロパティーをプログラムで使用する場合、プロパティー名の module コンポーネントには、逆順にした DNS ドメイン名を使用してください。これは、それぞれ単独で開発された 2 つのパッケージが、異なる目的で同じプロパティー名を使用する可能性を減らすためです。com.oracle. で始まるプロパティー名は、Oracle Corporation が使用するために予約されています。

ユーザープロパティーの値は次の規則に準拠する必要があります。

  • 常に継承され、決して検証されることのない任意の文字列から構成されている必要がある。

  • ユーザープロパティー値の最大長は、1024 文字である。

例:

# zfs set dept:users=finance userpool/user1
# zfs set dept:users=general userpool/user2
# zfs set dept:users=itops userpool/user3

プロパティーを処理するコマンド (zfs listzfs getzfs set など) はすべて、ネイティブプロパティーとユーザープロパティーの両方の操作に使用できます。

例:

zfs get -r dept:users userpool
NAME            PROPERTY    VALUE           SOURCE
userpool        dept:users  all             local
userpool/user1  dept:users  finance         local
userpool/user2  dept:users  general         local
userpool/user3  dept:users  itops           local

ユーザープロパティーをクリアするには、zfs inherit コマンドを使用します。例:

# zfs inherit -r dept:users userpool

プロパティーがどの親のデータセットにも定義されていない場合は、完全に削除されます。