Common Multiprotocol SCSI Target (COMSTAR) ソフトウェアフレームワークを使用すると、あらゆる Oracle Solaris ホストを、ストレージネットワークを介してイニシエータホストからアクセスできる SCSI ターゲットデバイスに変換できます。ZFS ボリュームを作成し、iSCSI 論理ユニット (LUN) として共有するように構成できます。
まず、COMSTAR パッケージをインストールします。
# pkg install group/feature/storage-server
次に、iSCSI ターゲットとして使用する ZFS ボリュームを作成し、続いて SCSI ブロック型デバイスベースの LUN を作成します。例:
# zfs create -V 2g tank/volumes/v2 # sbdadm create-lu /dev/zvol/rdsk/tank/volumes/v2 Created the following LU: GUID DATA SIZE SOURCE -------------------------------- ------------------- ---------------- 600144f000144f1dafaa4c0faff20001 2147483648 /dev/zvol/rdsk/tank/volumes/v2 # sbdadm list-lu Found 1 LU(s) GUID DATA SIZE SOURCE -------------------------------- ------------------- ---------------- 600144f000144f1dafaa4c0faff20001 2147483648 /dev/zvol/rdsk/tank/volumes/v2
すべてのクライアントまたは選択したクライアントに LUN ビューを公開できます。LUN GUID を特定し、続いて LUN ビューを共有します。次の例では、LUN ビューがすべてのクライアントに共有されています。
# stmfadm list-lu LU Name: 600144F000144F1DAFAA4C0FAFF20001 # stmfadm add-view 600144F000144F1DAFAA4C0FAFF20001 # stmfadm list-view -l 600144F000144F1DAFAA4C0FAFF20001 View Entry: 0 Host group : All Target group : All LUN : 0
次の手順は、iSCSI ターゲットの作成です。iSCSI ターゲットの作成方法については、Oracle Solaris 11.2 でのデバイスの管理 の第 8 章COMSTAR を使用したストレージデバイスの構成を参照してください。
iSCSI ターゲットとしての ZFS ボリュームは、ほかの ZFS データセットと同様に管理されます。ただし、ZFS ボリュームが iSCSI LUN として共有されている間、データセットの名前を変更したり、ボリュームスナップショットをロールバックしたり、プールをエクスポートすることはできません。次のようなメッセージが表示されます。
# zfs rename tank/volumes/v2 tank/volumes/v1 cannot rename 'tank/volumes/v2': dataset is busy # zpool export tank cannot export 'tank': pool is busy
iSCSI ターゲットの構成情報はすべてデータセット内に格納されます。NFS 共有ファイルシステムと同様に、別のシステム上にインポートされる iSCSI ターゲットは正しく共有されます。