Oracle® Solaris 11.2 での ZFS ファイルシステムの管理

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更新: 2014 年 12 月
 
 

iSCSI LUN として ZFS ボリュームを使用する

Common Multiprotocol SCSI Target (COMSTAR) ソフトウェアフレームワークを使用すると、あらゆる Oracle Solaris ホストを、ストレージネットワークを介してイニシエータホストからアクセスできる SCSI ターゲットデバイスに変換できます。ZFS ボリュームを作成し、iSCSI 論理ユニット (LUN) として共有するように構成できます。

まず、COMSTAR パッケージをインストールします。

# pkg install group/feature/storage-server

次に、iSCSI ターゲットとして使用する ZFS ボリュームを作成し、続いて SCSI ブロック型デバイスベースの LUN を作成します。例:

# zfs create -V 2g tank/volumes/v2
# sbdadm create-lu /dev/zvol/rdsk/tank/volumes/v2
Created the following LU:

GUID                    DATA SIZE           SOURCE
--------------------------------  -------------------  ----------------
600144f000144f1dafaa4c0faff20001  2147483648           /dev/zvol/rdsk/tank/volumes/v2
# sbdadm list-lu
Found 1 LU(s)

GUID                    DATA SIZE           SOURCE
--------------------------------  -------------------  ----------------
600144f000144f1dafaa4c0faff20001  2147483648           /dev/zvol/rdsk/tank/volumes/v2

すべてのクライアントまたは選択したクライアントに LUN ビューを公開できます。LUN GUID を特定し、続いて LUN ビューを共有します。次の例では、LUN ビューがすべてのクライアントに共有されています。

# stmfadm list-lu
LU Name: 600144F000144F1DAFAA4C0FAFF20001
# stmfadm add-view 600144F000144F1DAFAA4C0FAFF20001
# stmfadm list-view -l 600144F000144F1DAFAA4C0FAFF20001
View Entry: 0
Host group   : All
Target group : All
LUN          : 0

次の手順は、iSCSI ターゲットの作成です。iSCSI ターゲットの作成方法については、Oracle Solaris 11.2 でのデバイスの管理 の第 8 章COMSTAR を使用したストレージデバイスの構成を参照してください。

iSCSI ターゲットとしての ZFS ボリュームは、ほかの ZFS データセットと同様に管理されます。ただし、ZFS ボリュームが iSCSI LUN として共有されている間、データセットの名前を変更したり、ボリュームスナップショットをロールバックしたり、プールをエクスポートすることはできません。次のようなメッセージが表示されます。

# zfs rename tank/volumes/v2 tank/volumes/v1
cannot rename 'tank/volumes/v2': dataset is busy
# zpool export tank
cannot export 'tank': pool is busy

iSCSI ターゲットの構成情報はすべてデータセット内に格納されます。NFS 共有ファイルシステムと同様に、別のシステム上にインポートされる iSCSI ターゲットは正しく共有されます。