Oracle® Solaris 11.2 での ZFS ファイルシステムの管理

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更新: 2014 年 12 月
 
 

ZFS ファイルシステムの共有の問題のトラブルシューティング

次の共有エラー状況を確認してください。

  • 新しい共有または以前の共有が共有されない

    • プールおよびファイルシステムバージョンが最新であることを確認する - share.nfs または share.smb プロパティーを設定することによって新しい共有が共有されない場合は、プールバージョンが 34、ファイルシステムバージョンが 6 であることを確認してください。

    • 共有は NFS サービスが起動する前に存在する必要がある- NFS サーバーサービスは、ファイルシステムが共有されるまで実行されません。最初に NFS 共有を作成し、共有へのリモートアクセスを試してください。

    • 既存の共有を含むシステムはアップグレードされたが、共有が利用できない - 既存の共有を含むシステムはアップグレードされるが、共有を再共有しようとすると失敗します。share.auto プロパティーが無効になっているため、共有は共有されていない可能性があります。share.auto が off に設定されている場合は、名前付き共有のみが利用可能であり、以前の共有構文との互換性が,適用されます。既存の共有は次のようになります。

      # zfs get share
      NAME                        PROPERTY  VALUE  SOURCE
      tank/data                   share     name=data,path=/tank/data,prot=nfs  local
    1. share.auto プロパティーが有効になっていることを確認します。有効でない場合は、有効にします。

      # zfs get -r share.auto tank/data
      # zfs set share.auto=on tank/data
    2. ファイルシステムを再共有します。

      # zfs set -r share.nfs=on tank/data
    3. 前述のコマンドを正常に実行するには、その前に名前付き共有を削除して再作成する必要がある場合もあります。

      # zfs list -t share -Ho name -r tank/data | xargs -n1 zfs destroy
    4. 必要に応じて、名前付き共有を再作成します。

      # zfs create -o share.nfs=on tank/data%share
  • 名前付き共有を含む共有プロパティーがスナップショットに含まれていない - 共有プロパティーおよび .zfs/shares ファイルの扱いが、zfs clone 操作と zfs send 操作では異なります。.zfs/shares ファイルはスナップショットに含まれており、zfs clone および zfs send 操作で保存されます。zfs send 操作と zfs receive 操作中のプロパティーの動作については、ZFS スナップショットストリームに異なるプロパティー値を適用するを参照してください。クローン操作後、プロパティーが ZFS ファイルシステム階層内のクローンの新しい位置から継承されるのに対し、ファイルはすべてクローン前のスナップショットからのものです。

  • 名前付き共有要求が失敗する - 名前付き共有を作成するための要求が共有が自動共有と競合するために失敗したときは、auto.share プロパティーを無効にする必要がある場合があります。

  • 共有を含むプールが以前にエクスポートされた - プールが読み取り専用でインポートされると、そのプロパティーもそのファイルも変更できないため、新しい共有の作成は失敗します。プールがエクスポートされる前に共有が存在していた場合、可能であれば既存の共有特性が使用されます。

次の表は、既知の共有状態と、必要に応じてそれらの解決方法を示しています。

共有状態
説明
解決方法
INVALID
共有が内部で一貫性がないか、別の共有と競合しているために無効になっています。
次のコマンドを使用して、無効な共有を再度共有してみます。
# zfs share FS%share
このコマンドを使用すると、共有のどの側面が検証に失敗しているのかに関するエラーメッセージが表示されます。これを訂正してから、共有を再試行してください。
SHARED
共有は共有されています。
何も必要ありません。
UNSHARED
共有は有効ですが、共有が解除されています。
zfs share コマンドを使用して、個々の共有または親ファイルシステムのどちらかを再度共有します。
UNVALIDATED
共有はまだ検証されていません。その共有を含むファイルシステムが共有可能な状態でない可能性があります。たとえば、マウントされていなかったり、現在のゾーン以外のゾーンに委任されていたりします。あるいは、目的の共有を表す ZFS プロパティーが作成されてはいますが、まだ有効な共有として検証されていません。
zfs share コマンドを使用して、個々の共有または親ファイルシステムを再度共有します。ファイルシステムそのものが共有可能である場合、再共有の試みは共有に成功 (状態が shared に遷移) するか、共有に失敗 (状態が invalid に遷移) するかのどちらかになります。あるいは、share –A コマンドを使用して、マウント済みのすべてのファイルシステム内のすべての共有を一覧表示することもできます。これにより、マウント済みのファイルシステム内のすべての共有が unshared (有効だがまだ共有されていない) と invalid のどちらかとして解決されます。