Oracle® Solaris 11.2 での ZFS ファイルシステムの管理

印刷ビューの終了

更新: 2014 年 12 月
 
 

ストレージプール内のデバイスをオンラインまたはオフラインにする

ZFS では、デバイスを個別にオフラインまたはオンラインにできます。ハードウェアが信頼できない場合または正しく機能しない場合でも、ZFS ではその状態を一時的な状態と見なして、デバイスからのデータの読み取りまたはデバイスへのデータの書き込みを続行します。一時的な状態でない場合には、デバイスをオフラインにして無視されるように設定できます。ZFS は、オフラインデバイスには要求を送信しません。


注 - デバイスを置き換えるときに、オフラインにする必要はありません。

デバイスをオフラインにする

zpool offline コマンドを使用して、デバイスをオフラインにできます。デバイスがディスクの場合は、パスまたは短縮名を使って指定できます。例:

# zpool offline tank c0t5000C500335F95E3d0

デバイスをオフラインにするときは、次の点を考慮します。

  • プールをオフラインにすることはできません。UNAVAIL になります。たとえば、raidz1 構成内の 2 つのデバイスをオフラインにしたり、最上位レベルの仮想デバイスをオフラインにしたりすることはできません。

    # zpool offline tank c0t5000C500335F95E3d0
    cannot offline c0t5000C500335F95E3d0: no valid replicas
  • デフォルトでは、OFFLINE 状態は持続的です。システムをリブートしても、デバイスはオフラインのままです。

    デバイスを一時的にオフラインにするには、zpool offline –t オプションを使用します。例:

    # zpool offline -t tank c1t0d0

    システムをリブートすると、このデバイスは自動的に ONLINE 状態に戻ります。

  • デバイスはオフラインになるとき、ストレージプールから切り離されません。オフラインのデバイスを別のプールで使用しようとすると、元のプールが破棄されたあとであっても、次のようなメッセージが表示されます。

    device is part of exported or potentially active ZFS pool. Please see zpool(1M)

    元のストレージプールを破棄したあとで、オフラインのデバイスを別のストレージプールで使用する場合は、まずデバイスをオンラインに戻してから、元のストレージプールを破棄します。

    元のストレージプールを破棄しないで、デバイスを別のストレージプールから使用する場合は、元のストレージプールにある既存のデバイスを別の類似したデバイスに置き換える方法もあります。デバイスを置き換える方法については、ストレージプール内のデバイスを置き換えるを参照してください。

オフラインのデバイスは、プールステータスのクエリー検索を行うと、OFFLINE ステータスとして表示されます。プールステータスのクエリー検索については、ZFS ストレージプールのステータスのクエリー検索を行うを参照してください。

デバイスの健全性の詳細については、ZFS ストレージプールの健全性ステータスを調べるを参照してください。

デバイスをオンラインにする

デバイスをオフラインにしたあとで、zpool online コマンドを使ってデバイスをオンラインに戻すことができます。例:

# zpool online tank c0t5000C500335F95E3d0

デバイスがオンラインになると、プールに書き込まれたすべてのデータは、新しく使用可能になったデバイスと再同期化されます。デバイスをオンラインにして、ディスクを置き換えることはできません。デバイスをオフラインにし、置き換え、オンラインにしようとした場合、それは UNAVAIL 状態のままとなります。

UNAVAIL のデバイスをオンラインにしようとすると、次のようなメッセージが表示されます。

# zpool online tank c0t5000C500335DC60Fd0
warning: device 'c0t5000C500335DC60Fd0' onlined, but remains in faulted state
use 'zpool clear' to restore a faulted device

ディスクのエラーに関するメッセージがコンソールに表示されるか、/var/adm/messages ファイルに書き込まれる場合もあります。例:

SUNW-MSG-ID: ZFS-8000-LR, TYPE: Fault, VER: 1, SEVERITY: Major
EVENT-TIME: Wed Jun 20 11:35:26 MDT 2012
PLATFORM: ORCL,SPARC-T3-4, CSN: 1120BDRCCD, HOSTNAME: tardis
SOURCE: zfs-diagnosis, REV: 1.0
EVENT-ID: fb6699c8-6bfb-eefa-88bb-81479182e3b7
DESC: ZFS device 'id1,sd@n5000c500335dc60f/a' in pool 'pond' failed to open.
AUTO-RESPONSE: An attempt will be made to activate a hot spare if available.
IMPACT: Fault tolerance of the pool may be compromised.
REC-ACTION: Use 'fmadm faulty' to provide a more detailed view of this event.
Run 'zpool status -lx' for more information. Please refer to the associated
reference document at http://support.oracle.com/msg/ZFS-8000-LR for the latest
service procedures and policies regarding this diagnosis.

障害があるデバイスの置き換えの詳細は、見つからないデバイスまたは削除されたデバイスを解決するを参照してください。

zpool online –e コマンドを使用して LUN を拡張できます。デフォルトでは、プールに追加された LUN は、プールの autoexpand プロパティーが有効でない場合はその最大サイズにまで拡張されません。zpool online –e コマンドを使用すると、LUN がすでにオンラインの場合でも、現在オフラインの場合でも、LUN を自動的に拡張できます。例:

# zpool online -e tank c0t5000C500335F95E3d0