Oracle® Solaris 11.2 カーネルのチューンアップ・リファレンスマニュアル

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更新: 2014 年 12 月
 
 

mdb コマンド

モジュラーデバッガ mdb は、簡単に拡張できるため、Solaris デバッガの中では珍しいものです。このデバッガのプログラミング API を使用して、モジュールをコンパイルすることによって、デバッガのコンテキスト内で希望するタスクを実行することができます。

さらに、mdb には、コマンド行での編集、コマンド履歴、組み込み出力ページャ、構文チェック、コマンドパイプラインなどの、いくつかの便利な機能があります。カーネルに対する事後検査用のデバッガとしては、mdb をお勧めします。

詳細は、mdb(1) を参照してください。

使用例 1-2  mdb を使用した情報の表示

システムのメモリー使用量の概要を表すビューを表示します。例:

# mdb -k
Loading modules: [ unix genunix specfs dtrace mac cpu.generic 
cpu_ms.AuthenticAMD.15 uppc pcplusmp scsi_vhci zfs mpt sd ip 
hook neti arp usba sockfs kssl qlc fctl stmf stmf_sbd md lofs 
random idm fcp crypto cpc smbsrv nfs fcip sppp ufs logindmux 
ptm nsmb scu mpt_sas pmcs emlxs ]
> ::memstat
Page Summary                Pages                MB  %Tot
------------     ----------------  ----------------  ----
Kernel                     160876               628   16%
ZFS File Data              303401              1185   30%
Anon                        25335                98    2%
Exec and libs                1459                 5    0%
Page cache                   5083                19    1%
Free (cachelist)             6616                25    1%
Free (freelist)            510870              1995   50%

Total                     1013640              3959
Physical                  1013639              3959
> $q

モジュラーデバッガの使用についての詳細は、Oracle Solaris モジュラーデバッガを参照してください。

kmdb デバッガまたは mdb デバッガを使用する場合、モジュール名の接頭辞は不要です。モジュールのロード後、そのシンボルはコアカーネルのシンボルやすでにロードされている他のモジュールのシンボルとともに共通の名前空間を形成するからです。