Oracle® Solaris 11.2 カーネルのチューンアップ・リファレンスマニュアル

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更新: 2014 年 12 月
 
 

autoup

説明

個々の呼び出しでダーティーページに関して検査するメモリー量と、ファイルシステム同期操作の頻度を、tune_t_flushr とともに制御します。

さらに、autoup の値は、空リストからバッファーを書き出すかどうかの制御にも使用されます。B_DELWRI フラグが付いているバッファー (変更されているファイルコンテンツページを示す) は、空リストに置かれている時間が autoup 秒を超えると書き出されます。autoup の値を増やすと、バッファーがメモリーに置かれている時間が長くなります。

データ型

符号付き整数

デフォルト

30

範囲

1 から MAXINT

単位

動的か

いいえ

検証

autoup がゼロ以下の場合は、30 に再設定され、警告メッセージが出力されます。この確認が行われるのはブート時だけです。

暗黙的制約

autouptune_t_fsflushr の整数倍でなければなりません。最小でも autouptune_t_fsflushr 値の 6 倍以上でなければなりません。そうでないと、fsflush が呼び出されるたびに余計なメモリーが走査されます。

dopageflush がゼロでない場合にメモリーを検査するには、全体のシステムページ数に tune_t_fsflushr を掛け合わせた値が autoup 以上でなければなりません。

どのような場合に変更するか

autoup または tune_t_fsflushr (あるいはその両方) の変更が必要になる状況をいくつか示します。

  • 大きなメモリーをもつシステム – この場合には、autoup を増やすと、fsflush の個々の呼び出しで走査されるメモリー量が少なくなります。

  • メモリーの要求量が最小限のシステム - autouptune_t_fsflushr を両方とも増やすと、走査の回数が減ります。autouptune_t_fsflushr の現在の比率を維持するには autoup も増やす必要があります。

  • 一時ファイルの数が多いシステム (メールサーバーやソフトウェアビルドマシンなど) – 多数のファイルが作成されて削除された時、fsflush によって、これらのファイルのデータページがディスクに不必要に書き込まれるおそれがあります。

コミットレベル

変更の可能性あり