Oracle® Solaris 11.2 カーネルのチューンアップ・リファレンスマニュアル

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更新: 2014 年 12 月
 
 

フラッシュストレージ使用時の ZFS のチューニング

次の情報は、Flash SSD、F20 PCIe Accelerator カード、F40 PCIe Accelerator カード、F5100 フラッシュストレージアレイ、および F80 PCIe Accelerator カードに適用されます。

フラッシュストレージで ZFS を使用する場合は、次の一般的なコメントを確認してください。

  • ZIL (ZFS インテントログ) には、永続的メモリーを使用するコントローラによって管理された LUN または低遅延ディスク (使用可能な場合) の使用を検討してください。このオプションは、コミットの遅延を短縮するためのフラッシュの使用に比べて、費用対効果が大幅に向上する場合があります。ログデバイスのサイズは、最大書き込みスループットを 10 秒間保持するのに十分な大きさのみにとどめる必要があります。例として、ストレージアレイベースの LUN や、バッテリーで保護された書き込みキャッシュを持つ HBA に接続されたディスクがあります。

    このようなデバイスが使用できない場合は、ZFS ストレージプール内のログデバイスとして使用するために、フラッシュデバイスの個別のプールをセグメント分割します。

  • F40、F20、および F80 Flash Accelerator カードは 4 つの独立したフラッシュモジュールを内蔵し、それを OS にエクスポートします。F5100 は、最大 80 の独立したフラッシュモジュールを内蔵します。各フラッシュモジュールは、オペレーティングシステムには 1 つのデバイスとして表示されます。SSD は、OS によって 1 つのデバイスとして表示されます。フラッシュデバイスは、特に NFS サーバーで使用された場合、コミットの遅延を削減するために ZFS ログデバイスとして使用される場合があります。たとえば、フラッシュデバイスの 1 つのフラッシュモジュールを ZFS ログデバイスとして使用することよって、1 つの軽量スレッド操作の遅延を 10 分の 1 に短縮できます。大量の同期操作のスループットを向上させるには、さらに多くのフラッシュデバイスをまとめてストライプ化できます。

  • ログデバイスは、信頼性のためにミラー化してください。最大の保護を実現するために、ミラーは個別のフラッシュデバイス上に作成してください。F20、F40、および F80 PCIe アクセラレータカードの場合は、ミラーを異なる物理 PCIe カード上に配置することによって最大の保護が実現されます。F5100 ストレージアレイでの最大の保護は、ミラーを個別の F5100 デバイス上に配置することによって実現されます。

  • ログデバイスとして使用されていないフラッシュデバイスは、2 番目のレベルのキャッシュデバイスとして使用できます。これは、プライマリディスクストレージから IOPS の負荷を軽減するだけでなく、一般的に使用されるデータの読み取りの遅延を改善させるためにも役立ちます。