Oracle® VM Server for SPARC 3.3 管理ガイド

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更新: 2015 年 10 月
 
 

自動または手動による MAC アドレスの割り当て

使用する予定の論理ドメイン、仮想スイッチ、および仮想ネットワークに割り当てられるだけの十分な数のメディアアクセス制御 (Media Access Control、MAC) アドレスが必要です。Logical Domains Manager から論理ドメイン、仮想ネットワーク、および仮想スイッチに自動的に MAC アドレスを割り当てるか、割り当てられた MAC アドレスの自身のプールから手動で MAC アドレスを割り当てることができます。MAC アドレスを設定する ldm のサブコマンドは、add-domainadd-vswset-vswadd-vnet、および set-vnet です。これらのサブコマンドで MAC アドレスを指定しない場合は、Logical Domains Manager が自動的に MAC アドレスを割り当てます。

Logical Domains Manager に MAC アドレスの割り当てを実行させる利点は、論理ドメインで使用するための専用の MAC アドレスのブロックを利用できることです。また、Logical Domains Manager は、同じサブネットにあるほかの Logical Domains Manager インスタンスと競合する MAC アドレスを検出し、これを回避します。この動作により、手動で MAC アドレスのプールを管理する必要がなくなります。

論理ドメインが作成されたり、ドメインにネットワークデバイスが構成されたりするとすぐに、MAC アドレスの割り当てが発生します。また、割り当ては、デバイスまたは論理ドメイン自体が削除されるまで保持されます。

ドメインに割り当てられる MAC アドレスの範囲

ドメインには、次の 512K の MAC アドレスのブロックが割り当てられています。

00:14:4F:F8:00:00 - 00:14:4F:FF:FF:FF

下位の 256K のアドレスは、Logical Domains Manager による MAC アドレスの自動割り当てに使用されるため、この範囲のアドレスを手動でリクエストすることはできません。

00:14:4F:F8:00:00 - 00:14:4F:FB:FF:FF

MAC アドレスを手動で割り当てる場合は、この範囲の上位半分を使用できます。

00:14:4F:FC:00:00 - 00:14:4F:FF:FF:FF


注 - Oracle Solaris 11 で、VNIC の MAC アドレスの割り当ては、これらの範囲外のアドレスが使用されます。

自動割り当てのアルゴリズム

論理ドメインまたはネットワークデバイスの作成時に MAC アドレスを指定しない場合、Logical Domains Manager は MAC アドレスを自動的に確保して、その論理ドメインまたはネットワークデバイスに割り当てます。

この MAC アドレスを取得するために、Logical Domains Manager はアドレスの選択を繰り返し試みて、潜在的な競合がないか確認します。MAC アドレスは、この目的のために確保された 256K のアドレス範囲からランダムに選択されます。候補として選択される MAC アドレスが重複する可能性を少なくするために、MAC アドレスはランダムに選択されます。

選択されたアドレスは、ほかのシステムのその他の Logical Domains Manager に対して確認され、重複した MAC アドレスが実際に割り当てられることを防止します。使用されているアルゴリズムは、重複した MAC アドレスの検出 に記載されています。アドレスがすでに割り当てられている場合、Logical Domains Manager は、別のアドレスを選択し、競合を再度確認します。このプロセスは、まだ割り当てられていない MAC アドレスが見つかるか、30 秒の制限時間が経過するまで続きます。制限時間に達すると、デバイスの作成が失敗し、次のようなエラーメッセージが表示されます。

Automatic MAC allocation failed.  Please set the vnet MAC address manually.

重複した MAC アドレスの検出

同じ MAC アドレスが別のデバイスに割り当てられないようにするために、Logical Domains Manager がデバイスに割り当てようとしているアドレスを含むマルチキャストメッセージを、制御ドメインのデフォルトのネットワークインタフェースを介して送信することで、Logical Domains Manager はほかのシステム上の Logical Domains Manager に確認します。MAC アドレスの割り当てを試行している Logical Domains Manager は、応答を 1 秒待機します。Oracle VM Server for SPARC が有効な別のシステムの異なるデバイスにその MAC アドレスがすでに割り当てられている場合は、そのシステムの Logical Domains Manager が対象となっている MAC アドレスを含む応答を送信します。リクエストを送信した Logical Domains Manager は応答を受け取ると、選択した MAC アドレスがすでに割り当てられていることに注意し、別のアドレスを選択して処理を繰り返します。

デフォルトでは、これらのマルチキャストメッセージは、同じサブネット上のほかのマネージャーにのみ送信されます。デフォルトの有効期限 (TTL) は 1 です。TTL は、サービス管理機能 (SMF) プロパティー ldmd/hops を使用して構成できます。

    各 Logical Domains Manager は、次の処理を担当します。

  • マルチキャストメッセージの待機

  • ドメインに割り当てられた MAC アドレスの追跡

  • 重複の検索

  • 重複が発生しないようにするための応答

何らかの理由でシステム上の Logical Domains Manager が停止すると、Logical Domains Manager が停止している間に MAC アドレスの重複が発生する可能性があります。

論理ドメインまたはネットワークデバイスが作成されるときに MAC の自動割り当てが行われ、そのデバイスまたは論理ドメインが削除されるまで保持されます。


注 - 論理ドメインまたはネットワークデバイスが作成されて論理ドメインが起動すると、重複した MAC アドレスの検出確認が行われます。