Oracle® VM Server for SPARC 3.3 管理ガイド

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更新: 2015 年 10 月
 
 

仮想ネットワークパフォーマンスの最大化

このセクションの説明に従ってプラットフォームとドメインを構成すれば、ゲストと外部ネットワークとの通信およびゲスト間の通信の転送速度を速くすることができます。仮想ネットワークスタックでは、ジャンボフレームを使用する必要なく、高い TCP パフォーマンスを実現する LSO (Large Segment Offload) がサポートされています。

ハードウェアおよびソフトウェアの要件

    ドメインのネットワークパフォーマンスを最大にするには、次の要件を満たします。

  • ハードウェア要件。これらのパフォーマンス向上は、SPARC T4 サーバー、SPARC T5 サーバー、SPARC T7 シリーズサーバー、SPARC M5 サーバー、SPARC M6 サーバー、および SPARC M7 シリーズサーバーでのみ使用できます。

  • システムファームウェア要件。これらの SPARC システムは、最新のシステムファームウェアを実行する必要があります。Oracle VM Server for SPARC 3.3 インストールガイド の完全に認定されたシステムファームウェアバージョンを参照してください。

  • Oracle Solaris OS 要件。サービスドメインおよびゲストドメインで次の Oracle Solaris OS バージョンが実行されていることを確認してください。


    注 - 完全に認定された Oracle Solaris OS バージョンを実行すると、新機能へのアクセスが提供されます。Oracle VM Server for SPARC 3.3 インストールガイド の完全に認定された Oracle Solaris OS バージョンを参照してください。
    • サービスドメイン。150031-03 パッチが適用された Oracle Solaris 11.1 SRU 9 OS または Oracle Solaris 10 OS 以上。

    • ゲストドメイン。150031-03 パッチが適用された Oracle Solaris 11.1 SRU 9 OS または Oracle Solaris 10 OS 以上。

  • CPU およびメモリー要件。サービスドメインおよびゲストドメインに十分な CPU およびメモリーリソースが割り当てられていることを確認します。

    • サービスドメイン。サービスドメインはゲストドメインのデータプロキシとして機能するため、サービスドメインに 2 CPU 以上のコアおよび 4G バイト以上のメモリーを割り当てます。

    • ゲストドメイン。10G ビット/秒以上のパフォーマンスが実現されるように、各ゲストドメインを構成します。各ゲストドメインに 2 CPU 以上のコアおよび 4G バイト以上のメモリーを割り当てます。

仮想ネットワークのパフォーマンスを最大にするためのドメインの構成

旧バージョンの Oracle VM Server for SPARC および Oracle Solaris OS では、ジャンボフレームを構成することでネットワークパフォーマンスを改善できました。この構成は必須ではなくなったため、別の理由で必要な場合を除いて、サービスドメインおよびゲストドメインでは標準の MTU 値 1500 を使用することが最適な方法です。

ネットワークパフォーマンスの向上を実現するには、サービスドメインおよびゲストドメインの extended-mapin-space プロパティーを on に設定します。これはデフォルトの動作です。

primary# ldm set-domain extended-mapin-space=on domain-name

extended-mapin-space プロパティー値を確認するには、次のコマンドを実行します。

primary# ldm list -l domain-name |grep extended-mapin
extended-mapin-space=on

注 - extended-mapin-space プロパティー値を変更すると、primary ドメインで遅延再構成がトリガーされます。このような状況では、primary ドメインのリブートが必要です。また、このプロパティー値を変更する前に、まずゲストドメインを停止する必要があります。