Oracle® VM Server for SPARC 3.3 管理ガイド

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更新: 2015 年 10 月
 
 

CPU およびメモリーアドレスのマッピングによるエラー発生箇所の確認

このセクションでは、Oracle Solaris 障害管理アーキテクチャー (FMA) によって報告された情報と、障害としてマークされている論理ドメインリソースを相互に関連付ける方法について説明します。

FMA では、物理 CPU 番号に関する CPU エラーと、物理メモリーアドレスに関するメモリーエラーを報告します。

エラーが発生した論理ドメインと、そのドメイン内の対応する仮想 CPU 番号または実メモリーアドレスを確認する場合は、マッピングを実行する必要があります。

CPU マッピング

特定の物理 CPU 番号に対応しているドメインとそのドメイン内の仮想 CPU 番号を調べることができます。

最初に、次のコマンドを使用してすべてのドメインの解析可能な長形式のリストを生成します。

primary# ldm list -l -p

リストの VCPU セクションで、物理 CPU 番号に等しい pid フィールドを持つエントリを探します。

  • このようなエントリが見つかった場合、CPU はそのエントリが表示されたドメインに存在し、そのドメイン内の仮想 CPU 番号がエントリの vid フィールドに指定されています。

  • このようなエントリが見つからない場合、CPU はどのドメインにも存在しません。

メモリーのマッピング

特定の物理メモリーアドレス (PA) に対応しているドメインとそのドメイン内の実メモリーアドレスを調べることができます。

最初に、すべてのドメインの解析可能な長形式のリストを生成します。

primary# ldm list -l -p

リストの MEMORY セクションの行を検索します。この場合、PA は pa から (pa + size - 1) の包括範囲内にあります。つまり、pa <= PA <= (pa + size - 1) です。pa および size は、行で対応するフィールドの値を指します。

  • このようなエントリが見つかった場合、PA はそのエントリが表示されたドメインに存在し、そのドメイン内の対応する実アドレスが ra + (PA - pa) によって求められます。

  • このようなエントリが見つからない場合、PA はどのドメインにも存在しません。

CPU およびメモリーのマッピングの例

使用例 17-4  ドメイン構成の特定

次のコマンドは、論理ドメイン構成の解析可能な長形式のリストを生成します。

primary# ldm list -l -p
VERSION 1.6
DOMAIN|name=primary|state=active|flags=normal,control,vio-service|
cons=SP|ncpu=4|mem=1073741824|util=0.6|uptime=64801|
softstate=Solaris running
VCPU
|vid=0|pid=0|util=0.9|strand=100
|vid=1|pid=1|util=0.5|strand=100
|vid=2|pid=2|util=0.6|strand=100
|vid=3|pid=3|util=0.6|strand=100
MEMORY
|ra=0x8000000|pa=0x8000000|size=1073741824
IO
|dev=pci@780|alias=bus_a
|dev=pci@7c0|alias=bus_b
...
DOMAIN|name=ldg1|state=active|flags=normal|cons=5000|
ncpu=2|mem=805306368|util=29|uptime=903|
softstate=Solaris running
VCPU
|vid=0|pid=4|util=29|strand=100
|vid=1|pid=5|util=29|strand=100
MEMORY
|ra=0x8000000|pa=0x48000000|size=805306368
...
DOMAIN|name=ldg2|state=active|flags=normal|cons=5001|
ncpu=3|mem=1073741824|util=35|uptime=775|
softstate=Solaris running
VCPU
|vid=0|pid=6|util=35|strand=100
|vid=1|pid=7|util=34|strand=100
|vid=2|pid=8|util=35|strand=100
MEMORY
|ra=0x8000000|pa=0x78000000|size=1073741824
...
使用例 17-5  物理 CPU 番号に対応する仮想 CPU の特定

論理ドメイン構成は、Example 17–4 に示されています。この例では、物理 CPU 番号が 5 であるドメインと仮想 CPU、および物理アドレス 0x7e816000 に対応するドメインおよび実アドレスを特定する方法について説明します。

リストで pid フィールドが 5 である VCPU エントリを探すと、論理ドメイン ldg1 の下に次のエントリが見つかります。

|vid=1|pid=5|util=29|strand=100

したがって、物理 CPU 番号 5 はドメイン ldg1 に存在し、そのドメイン内には仮想 CPU 番号 1 があります。

リストの MEMORY エントリを探すと、ドメイン ldg2 の下に次のエントリが見つかります。

ra=0x8000000|pa=0x78000000|size=1073741824

この場合、0x78000000 <= 0x7e816000 <= (0x78000000 + 1073741824 - 1)、つまり、pa <= PA <= (pa + size - 1) となります。したがって、PA はドメイン ldg2 にあり、対応する実アドレスは 0x8000000 + (0x7e816000 - 0x78000000) = 0xe816000 です。