このセクションでは、ldm サブコマンドの構文の使用法、フラグや利用統計情報などの出力項目の定義、および出力として表示されるものと同様の例について説明します。
ldm list コマンドの出力を使用するスクリプトを作成する場合は、常に –p オプションを使用して、マシンが読み取り可能な形式で出力を生成します。
すべての ldm サブコマンドの構文の使用法を表示するには、次のコマンドを使用します。
primary# ldm --help
ldm サブコマンドの詳細は、ldm(1M) マニュアルページを参照してください。
ドメインの出力 (ldm list) では、次のフラグを表示できます。コマンドに長形式および解析可能オプション (–l –p) を使用すると、flags=normal,control,vio-service のように、フラグが省略されずに表示されます。このオプションを使用しない場合は、-n-cv- のように略語が表示されます。リストフラグ値は位置に依存します。次の値が、左から順に 6 つの列のそれぞれに表示される可能性があります。
列 1 – ドメインの起動または停止
s – 起動または停止
列 2 – ドメインのステータス
n – 正常
t – 遷移
d – リソースがないために起動できない縮退ドメイン
列 3 – 再構成のステータス
d – 遅延再構成
r – メモリーの動的再構成
列 4 – 制御ドメイン
c – 制御ドメイン
列 5 – サービスドメイン
v – 仮想 I/O サービスドメイン
列 6 – 移行のステータス
s – 移行のソースドメイン
t – 移行のターゲットドメイン
e – 移行時に発生したエラー
ldm list コマンドの長形式 (–l) オプションによって、仮想 CPU ごとの利用統計情報 (UTIL) が表示されます。この統計情報は、ゲストオペレーティングシステムの代わりに仮想 CPU が実行に費やした時間の割合です。仮想 CPU は、ハイパーバイザに制御が渡される場合を除き、ゲストオペレーティングシステムに代わって実行するものと考えられます。ゲストオペレーティングシステムが仮想 CPU の制御をハイパーバイザに渡さない場合、ゲストオペレーティングシステムの CPU の利用率は常に 100% として表示されます。
論理ドメインについて報告された利用統計情報は、ドメインの仮想 CPU に対する仮想 CPU 利用率の平均です。正規化された利用統計情報 (NORM) は、ゲスト OS の代わりに仮想 CPU が実行に費やした時間の割合です。この値には、サイクルのスキップなどの操作が考慮されます。正規化された仮想化は、システムでバージョン 8.2.0 以上のシステムファームウェアが実行されている場合にのみ使用可能です。
PM でサイクルのスキップ操作が実行されない場合は、100% の利用率が 100% の正規化された利用率と等しくなります。PM でサイクルのスキップを 4/8 に調整すると、100% の利用率が 50% の利用率と等しくなります。これは、CPU の事実上使用可能なサイクル数が半分だけになることを意味します。したがって、完全に利用されている CPU の正規化された利用率は 50% となります。仮想 CPU とゲスト OS の両方の正規化された利用率を表示するには、ldm list または ldm list -l コマンドを使用します。
インストールされている現在のソフトウェアのバージョンを表示するには:
primary# ldm -V
すべてのドメインの省略形式のリストを生成するには:
primary# ldm list
すべてのドメインの長形式のリストを生成するには:
primary# ldm list -l
すべてのドメインの拡張リストを生成するには
primary# ldm list -e
すべてのドメインの解析可能でマシンが読み取り可能なリストを生成するには:
primary# ldm list -p
次に示す 1 つ以上の format オプションを入力して、出力をリソースのサブセットとして生成できます。1 つ以上の形式を指定する場合、スペースなしでコンマを使用して項目を区切ります。
primary# ldm list -o resource[,resource...] domain-name
console – 出力には、仮想コンソール (vcons) および仮想コンソール端末集配信装置 (vcc) サービスが含まれます。
core – 出力には、コア全体が割り当てられているドメインについての情報が含まれます。
cpu – 出力には、仮想 CPU (vcpu)、物理 CPU (pcpu)、およびコア ID についての情報が含まれます。
crypto– 暗号化装置の出力には、モジュラー演算ユニット (mau)、およびサポートされているその他の暗号化装置 (Control Word Queue、CWQ) などが含まれます。
disk – 出力には、仮想ディスク (vdisk) および仮想ディスクサーバー (vds) が含まれます。
domain-name – 出力には、変数 (var)、ホスト ID (hostid)、ドメインの状態、フラグ、およびソフトウェアの状態が含まれます。
memory – 出力には、memory が含まれます。
network – 出力には、メディアアクセス制御 (mac) アドレス、仮想ネットワークスイッチ (vsw)、および仮想ネットワーク (vnet) デバイスが含まれます。
physio – 物理入出力には、Peripheral Component Interconnect (pci) およびネットワークインタフェースユニット (niu) が含まれます。
resmgmt – 出力には、動的なリソース管理 (DRM) のポリシー情報が含まれ、現在実行中のポリシーと、コア全体の構成に関連する制約の一覧が表示されます。
serial – 出力には、仮想論理ドメインチャネル (vldc) サービス、仮想論理ドメインチャネルクライアント (vldcc)、仮想データプレーンチャネルクライアント (vdpcc)、および仮想データプレーンチャネルサービス (vdpcs) が含まれます。
stats – 出力には、リソース管理ポリシーに関連する統計情報が含まれます。
status – 出力には、進行中のドメインの移行に関連するステータス情報が含まれます。
次の例に、指定可能なさまざまな出力のサブセットを示します。
制御ドメインの CPU 情報を一覧表示するには:
primary# ldm list -o cpu primary
ゲストドメインのドメイン情報を一覧表示するには:
primary# ldm list -o domain ldm2
ゲストドメインのメモリーおよびネットワーク情報を一覧表示するには:
primary# ldm list -o network,memory ldm1
ゲストドメインの DRM ポリシー情報を一覧表示するには:
primary# ldm list -o resmgmt,stats ldm1
ドメインの変数とその値を表示するには:
primary# ldm list-variable variable-name domain-name
たとえば、次のコマンドは、ldg1 ドメインの boot-device 変数の値を表示します。
primary# ldm list-variable boot-device ldg1 boot-device=/virtual-devices@100/channel-devices@200/disk@0:a
ドメインにバインドされたリソースを一覧表示するには:
primary# ldm list-bindings domain-name
SP に格納されている論理ドメイン構成を一覧表示するには:
ldm list-config コマンドは、サービスプロセッサに格納されている論理ドメイン構成を一覧表示します。–r オプションとともに使用する場合、このコマンドは、制御ドメインに存在する自動保存ファイルの構成を一覧表示します。
構成の詳細については、ドメイン構成の管理を参照してください。ほかの例については、ldm(1M) マニュアルページを参照してください。
primary# ldm list-config factory-default 3guests foo [next poweron] primary reconfig-primary
構成名の右にあるラベルの意味は、次のとおりです。
[current] – 最後にブートされた構成。これは、現在動作している構成に一致する間、つまり再構成を開始するまでの間のみ表示されます。再構成を行なったあとは、注釈が [next poweron] に変更されます。
[next poweron] – 次回電源を再投入するときに使用される構成。
[degraded] – 構成は、以前にブートした構成の縮退バージョンです。
すべてのサーバーリソース (バインドされたリソースおよびバインドされていないリソース) を一覧表示するには:
primary# ldm list-devices -a
割り当て可能なメモリーの量を一覧表示するには:
primary# ldm list-devices mem MEMORY PA SIZE 0x14e000000 2848M
メモリーのどの部分が論理ドメインで利用不可かを判定するには:
primary# ldm list-devices -a mem MEMORY PA SIZE BOUND 0x0 57M _sys_ 0x3900000 32M _sys_ 0x5900000 94M _sys_ 0xb700000 393M _sys_ 0x24000000 192M _sys_ 0x30000000 255G primary 0x3ff0000000 64M _sys_ 0x3ff4000000 64M _sys_ 0x3ff8000000 128M _sys_ 0x80000000000 2G ldg1 0x80080000000 2G ldg2 0x80100000000 2G ldg3 0x80180000000 2G ldg4 0x80200000000 103G 0x81bc0000000 145G primary
使用可能なサービスを一覧表示するには:
primary# ldm list-services
Logical Domains Manager にとって制約とは、特定ドメインへの割り当てが要求されたリソースを指します。使用可能なリソースに応じて、ドメインに追加するように要求したすべてのリソースを受け取るか、まったく受け取らないかのいずれかです。list-constraints サブコマンドは、ドメインに割り当てるように要求したリソースを一覧表示します。
1 つのドメインの制約を一覧表示するには:
# ldm list-constraints domain-name
特定のドメインの制約を XML 形式で一覧表示するには:
# ldm list-constraints -x domain-name
すべてのドメインの制約を解析可能な形式で一覧表示するには:
# ldm list-constraints -p
ldm list-rsrc-group コマンドを使用すると、リソースグループに関する情報を表示できます。
次のコマンドは、すべてのリソースグループに関する情報を表示します。
primary# ldm list-rsrc-group NAME CORE MEMORY IO /SYS/CMU4 12 256G 4 /SYS/CMU5 12 256G 4 /SYS/CMU6 12 128G 4 /SYS/CMU7 12 128G 4
ほかの ldm list-* コマンドと同様、解析可能な出力、詳細出力、および特定のリソースグループおよびドメインに関する情報を表示するためのオプションを指定できます。詳細については、ldm(1M) のマニュアルページを参照してください。
次の例は、–l オプションを使用して、/SYS/CMU5 リソースグループに関する詳細情報を表示します。
primary# ldm list-rsrc-group -l /SYS/CMU5 NAME CORE MEMORY IO /SYS/CMU5 12 256G 4 CORE CID BOUND 192, 194, 196, 198, 200, 202, 208, 210 primary 212, 214, 216, 218 primary MEMORY PA SIZE BOUND 0xc0000000000 228M ldg1 0xc0030000000 127G primary 0xc1ffc000000 64M _sys_ 0xd0000000000 130816M primary 0xd1ffc000000 64M _sys_ IO DEVICE PSEUDONYM BOUND pci@900 pci_24 primary pci@940 pci_25 primary pci@980 pci_26 primary pci@9c0 pci_27 primary