Oracle® VM Server for SPARC 3.3 管理ガイド

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更新: 2015 年 10 月
 
 

仮想 SCSI HBA と仮想 SAN の構成

仮想 SCSI HBA と仮想 SAN の構成は非常に柔軟です。ldm add-vsan コマンドによって使用される物理 SCSI HBA イニシエータポートは、SCSI をサポートするあらゆるタイプのバス (ファイバチャネル、SAS、SATA など) を駆動できます。仮想 SCSI HBA と仮想 SAN は、同じドメイン内で実行できます。仮想 SAN はまた、ldm add-io コマンドを使用して物理 SCSI HBA カードをサービスドメインに追加したあと、I/O ドメイン内でも実行できます。

仮想 SAN は、概念的には物理 SAN に関連付けられますが、その関連付けは必要ありません。サーバーの 1 つまたは複数のローカルディスクで構成される仮想 SAN を作成できます。たとえば、一部のシステムには、次の ldm list-hba の出力で SASHBA として示されているマザーボードの SAS HBA から到達可能なディスクが存在します。

primary# ldm list-hba -d primary
NAME MY_VSAN

---- ----
/SYS/MB/SASHBA0/HBA0/PORT4
    c5t5000CCA0564DEF39d0s0
/SYS/MB/SASHBA0/HBA0/PORT1
    c3t5000CCA0564F1A7Dd0s0
/SYS/MB/SASHBA0/HBA0/PORT2
   c4t5000CCA0564F6B89d0s0
/SYS/MB/SASHBA0/HBA0/PORT8
    c6t5000CCA0564FCF6Dd0s0

サーバーのローカルディスクをカプセル化する仮想 SAN を定義する場合は、primary ドメインのブート元のディスクの仮想 LUN を誤って作成してしまわないように、必ず次の zpool コマンドを使用してください。たとえば、次の zpool コマンドは、root rpool が /SYS/MB/SASHBA0/HBA/PORT2 イニシエータポートから到達可能なディスク c4t5000CCA0564F6B89d0 上にマウントされることを確認します。

# zpool iostat -v
                            capacity     operations    bandwidth
pool                     alloc   free   read  write   read  write
-----------------------  -----  -----  -----  -----  -----  -----
rpool                    25.0G   531G      0     10    257  81.7K
c4t5000CCA0564F6B89d0    25.0G   531G      0     10    257  81.7K
-----------------------  -----  -----  -----  -----  -----  -----

仮想 SAN を構成する場合は、LUN 0 を持つ SCSI ターゲットデバイスの物理 LUN のみがゲストドメインに表示されることに注意してください。この制約は、ターゲットの LUN 0 が SCSI REPORT LUNS コマンドに応答することを要求する Oracle Solaris OS 実装によって課されます。