仮想 SCSI HBA と仮想 SAN の構成は非常に柔軟です。ldm add-vsan コマンドによって使用される物理 SCSI HBA イニシエータポートは、SCSI をサポートするあらゆるタイプのバス (ファイバチャネル、SAS、SATA など) を駆動できます。仮想 SCSI HBA と仮想 SAN は、同じドメイン内で実行できます。仮想 SAN はまた、ldm add-io コマンドを使用して物理 SCSI HBA カードをサービスドメインに追加したあと、I/O ドメイン内でも実行できます。
仮想 SAN は、概念的には物理 SAN に関連付けられますが、その関連付けは必要ありません。サーバーの 1 つまたは複数のローカルディスクで構成される仮想 SAN を作成できます。たとえば、一部のシステムには、次の ldm list-hba の出力で SASHBA として示されているマザーボードの SAS HBA から到達可能なディスクが存在します。
primary# ldm list-hba -d primary NAME MY_VSAN ---- ---- /SYS/MB/SASHBA0/HBA0/PORT4 c5t5000CCA0564DEF39d0s0 /SYS/MB/SASHBA0/HBA0/PORT1 c3t5000CCA0564F1A7Dd0s0 /SYS/MB/SASHBA0/HBA0/PORT2 c4t5000CCA0564F6B89d0s0 /SYS/MB/SASHBA0/HBA0/PORT8 c6t5000CCA0564FCF6Dd0s0
サーバーのローカルディスクをカプセル化する仮想 SAN を定義する場合は、primary ドメインのブート元のディスクの仮想 LUN を誤って作成してしまわないように、必ず次の zpool コマンドを使用してください。たとえば、次の zpool コマンドは、root rpool が /SYS/MB/SASHBA0/HBA/PORT2 イニシエータポートから到達可能なディスク c4t5000CCA0564F6B89d0 上にマウントされることを確認します。
# zpool iostat -v capacity operations bandwidth pool alloc free read write read write ----------------------- ----- ----- ----- ----- ----- ----- rpool 25.0G 531G 0 10 257 81.7K c4t5000CCA0564F6B89d0 25.0G 531G 0 10 257 81.7K ----------------------- ----- ----- ----- ----- ----- -----
仮想 SAN を構成する場合は、LUN 0 を持つ SCSI ターゲットデバイスの物理 LUN のみがゲストドメインに表示されることに注意してください。この制約は、ターゲットの LUN 0 が SCSI REPORT LUNS コマンドに応答することを要求する Oracle Solaris OS 実装によって課されます。