Oracle Solaris 11 OS では、多くの新しいネットワーク機能が導入されました。これらについては、Oracle Solaris 11.3 のドキュメントにある Oracle Solaris 11 ネットワークドキュメントで説明されています。
Oracle VM Server for SPARC ソフトウェアを使用する場合、次の Oracle Solaris 11 ネットワーク機能を理解することが重要です。
すべてのネットワーク構成は、ipadm コマンドと dladm コマンドで実行します。
「デフォルトのバニティー名」機能は、すべての物理ネットワークアダプタに対して、net0 などの汎用リンク名を生成します。この機能は、仮想スイッチ (vswn) および仮想ネットワークデバイス (vnetn) の汎用名も生成し、これらは、OS から物理ネットワークアダプタのように見えます。物理ネットワークデバイスに関連付けられている汎用リンク名を特定するには、dladm show-phys コマンドを使用します。
デフォルトで Oracle Solaris 11, 物理ネットワークデバイス名には汎用の「バニティー」名が使用されます。Oracle Solaris 10. で使用されていた nxge0 などのデバイスドライバ名の代わりに、net0 などの汎用名が使用されます。
次のコマンドは、nxge0 などのドライバ名の代わりに、汎用名 net0 を指定して、primary ドメインの仮想スイッチを作成します。
primary# ldm add-vsw net-dev=net0 primary-vsw0 primary
Oracle Solaris 11 OS は仮想ネットワークインタフェースカード (VNIC) を使用して、内部仮想ネットワークを作成します。
VNIC は物理ネットワークデバイスから作成し、ゾーンに割り当てることができる物理ネットワークデバイスの仮想インスタンスです。
Oracle VM Server for SPARC ソフトウェアの構成時に、Oracle Solaris 11 DefaultFixed ネットワーク構成プロファイル (NCP) を使用します。
Oracle Solaris 11 ドメインの場合、DefaultFixed NCP を使用します。このプロファイルは、インストール中またはインストール後に有効にできます。Oracle Solaris 11 のインストール時に、手動ネットワーク構成を選択します。
プライマリネットワークインタフェースを仮想スイッチ (vsw) インタフェースで置換しないでください。サービスドメインは、既存のプライマリネットワークインタフェースを使用して、同じ仮想スイッチに接続されている仮想ネットワークデバイスを含むゲストドメインと通信できます。
仮想スイッチに物理ネットワークアダプタの MAC アドレスを使用すると、プライマリネットワークインタフェースと競合するため、仮想スイッチに物理ネットワークアダプタの MAC アドレスを使用しないでください。
netadm list コマンドを使用して、DefaultFixed NCP が有効になっていることを確認します。Oracle Solaris Administration: Network Interfaces and Network Virtualization の第 7 章Using Datalink and Interface Configuration Commands on Profilesを参照してください。
次の図は、Oracle Solaris 10 OS を実行するゲストドメインが Oracle Solaris 11 サービスドメインと完全な互換性があることを示しています。唯一の違いは、Oracle Solaris 11 OS で追加または拡張された機能です。
図 12-1 Oracle Solaris 11 OS の Oracle VM Server for SPARC ネットワークの概要
図は、nxge0 や vnet0 などのネットワークデバイス名を、Oracle Solaris 11 ドメインで netn などの汎用リンク名で表現できることを示しています。また、次の点にも注意してください。
サービスドメインの仮想スイッチはゲストドメインに接続され、ゲストドメインが互いに通信できます。
仮想スイッチは物理ネットワークデバイス nxge0 にも接続され、ゲストドメインが物理ネットワークと通信できます。
仮想スイッチにより、ゲストドメインはサービスドメインネットワークインタフェース net0 に加え、nxge0 と同じ物理ネットワークデバイス上の VNIC とも通信できます。これには、ゲストドメインと Oracle Solaris 11 サービスドメインの間の接続が含まれます。仮想スイッチ自体 (vswn デバイス) をネットワークデバイスとして構成しないでください。この機能は Oracle Solaris 11 では非推奨になり、サポートされなくなっています。
Oracle Solaris 10 ゲストドメイン内の仮想ネットワークデバイス vnet0 は、ifconfig コマンドを使用してネットワークインタフェースとして構成できます。
Oracle Solaris 11 ゲストドメイン内の仮想ネットワークデバイス vnet0 は、net0 などの汎用リンク名で表示されることがあります。ipadm コマンドを使ってネットワークインタフェースとして構成できます。
仮想スイッチは、通常の物理ネットワークスイッチと同様に動作し、それが接続されているさまざまなシステム間で、ネットワークパケットをスイッチングします。システムは、ゲストドメイン、サービスドメイン、物理ネットワークなどです。