Oracle® VM Server for SPARC 3.3 管理ガイド

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更新: 2015 年 10 月
 
 

自動回復ポリシー

    自動回復ポリシーには、制御ドメインに自動的に保存された 1 つの構成が対応する実行中の構成よりも新しい場合に、構成の回復を処理する方法を指定します。自動回復ポリシーを指定するには、ldmd SMF サービスの autorecovery_policy プロパティーを設定します。このプロパティーには、次の値を指定できます。

  • autorecovery_policy=1 自動保存構成が、対応する実行中の構成よりも新しい場合に、警告メッセージをログに記録します。これらのメッセージは、ldmd SMF ログファイルに記録されます。構成の回復を手動で実行する必要があります。これはデフォルトのポリシーです。

  • autorecovery_policy=2 自動保存構成が、対応する実行中の構成よりも新しい場合に、通知メッセージを表示します。この通知メッセージは、毎回の Logical Domains Manager の再起動後に最初に ldm コマンドが発行されたときに、いずれかの ldm コマンドの出力になります。構成の回復を手動で実行する必要があります。

  • autorecovery_policy=3 自動保存構成が、対応する実行中の構成よりも新しい場合に、構成を自動的に更新します。この処理により、次の電源再投入時に使用される SP 構成が書き換えられます。この構成を利用可能にするには、電源再投入をもう 1 回実行する必要があります。この構成は、制御ドメインに保存されている、より新しい構成で更新されます。このアクションは、現在実行中の構成には影響を与えません。この処理は、次の電源再投入時に使用される構成にのみ影響します。新しい構成が SP に保存され、次回システムの電源再投入時にこの構成がブートされるというメッセージも記録されます。これらのメッセージは、ldmd SMF ログファイルに記録されます。

自動回復ポリシーを変更する方法

  1. 制御ドメインにログインします。
  2. 管理者になります。

    Oracle Solaris 11.3 については、Securing Users and Processes in Oracle Solaris 11.3 の第 1 章About Using Rights to Control Users and Processesを参照してください。

  3. autorecovery_policy プロパティー値を表示します。
    # svccfg -s ldmd listprop ldmd/autorecovery_policy
  4. ldmd サービスを停止します。
    # svcadm disable ldmd
  5. autorecovery_policy プロパティー値を変更します。
    # svccfg -s ldmd setprop ldmd/autorecovery_policy=value

    たとえば、自動回復を実行するようにポリシーを設定するには、プロパティー値を 3 に設定します。

    # svccfg -s ldmd setprop ldmd/autorecovery_policy=3
  6. ldmd サービスをリフレッシュして再起動します。
    # svcadm refresh ldmd
    # svcadm enable ldmd
使用例 15-1  ログへの記録から自動回復への自動回復ポリシーの変更

次の例は、autorecovery_policy プロパティーの現在の値を表示し、その値を新しい値に変更する方法を示しています。このプロパティーの元の値は 1 です。この場合、自動保存の変更はログに記録されます。ldmd サービスの停止および再起動には svcadm コマンド、プロパティー値の表示および設定には svccfg コマンドが使用されます。

# svccfg -s ldmd listprop ldmd/autorecovery_policy
ldmd/autorecovery_policy integer 1
# svcadm disable ldmd
# svccfg -s ldmd setprop ldmd/autorecovery_policy=3
# svcadm refresh ldmd
# svcadm enable ldmd