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マニュアルページ セクション 8: システム管理コマンド

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更新: 2018年8月8日
 
 

archiveadm(8)

名前

archiveadm - Oracle Solaris アーカイブユーティリティー

形式

archiveadm <subcommand> [options] <arguments>
            create  <archive name>
                [-z|--zone <zone(s)>]
                [-D|--exclude-dataset <dataset(s)>]
                [-Z|--exclude-zone <zone(s)>]
                [-r|--recovery]
                [-e|--exclude-media]
                [-s|--skip-capacity-check]
                [--dehydrate[--publisher <publisher name(s)>]]

                [   --root-only] 
            info  <archive name>
                [-p|--parsable | -t|--targets [-s|--system <system name>]]
                [-k|--key]
                [-c|--cert]
                [-C|--ca-cert]
                [-v|--verbose]
            info  <archive name>
                -o|--output property[,...]
                [-p|--parsable]
                [-s|--system <system_name>]
                [-H|--exclude-headers]
            create-media    <archive name>
                [-g|--global-zone <global-zone>]
                [-s|--source <ISO image> | <repository URI>]
                [-k|--key <ssl_key]
                [-c|--cert <ssl_cert]
                [-d|--dataset <name>]
                [-f|--format <iso or usb>]
                [-o|--output <path for final image>]
            rehydrate  <dehydrated archive name> <archive name>

説明

archiveadm ユーティリティーは、システムのクローニングや回復のために、実行中の Oracle Solaris システムのシステムアーカイブイメージを作成するための機能をユーザーに提供します。また、このユーティリティーを使用すると、作成済みのアーカイブに関する情報を取得したり、アーカイブからブート可能メディアを作成したりすることもできます。

作成されるアーカイブタイプは、Oracle Solaris 統合アーカイブです。Oracle Solaris 統合アーカイブは、Oracle Solaris ブート環境および ZFS データストリームに基づいたマルチシステムアーカイブです。統合アーカイブには、アーカイブ作成中に選択された 1 つまたは複数のシステムが含まれています。あとでシステムを選択的に配備できるように、各システムを統合アーカイブ全体の中の独自のアーカイブ内にカプセル化できます。あるいは、単一のモノリシックアーカイブを作成することもできます。この場合は、複数の組み込みシステムを備えた、単独で配備可能なアーカイブが生成されます。

統合アーカイブには、ファイルシステム、ボリューム、およびスナップショットを含む ZFS データセットだけが含まれています。ほかのすべてのファイルシステムおよびボリュームタイプは、統合アーカイブから除外されます。ゾーン内のすべてのファイルシステムリソースも、ゾーンのアーカイブデータから除外されます。ただし、fs リソースのタイププロパティーの値が lofszfs のどちらかであるとき、special プロパティーで参照されるデータが、ZFS ファイルシステムを参照する場合、大域ゾーンのアーカイブに含められることがあります。

作成されたあと、Oracle Solaris 統合アーカイブは Oracle Solaris Automated Installer または Oracle Solaris ゾーンソフトウェアユーティリティーで配備できます。

Oracle Solaris Automated Installer の配備中、IPS パブリッシャーで実行される処理と同様に、アーカイブファイルはインストールサービス構成パラメータとして設定されます。クライアントがサービスをブートすると、インストールソフトウェアが必要な ZFS プール (元のシステムのローカルで設定されたすべての ZFS プールプロパティーを含む) を使用してシステムを構成したあと、アーカイブされたシステムが新しいプールに受信されます。

ホストシステムからの Oracle Solaris ゾーンの配備中、zonecfg(8) および zoneadm(8) ユーティリティーが使用されます。新しいゾーンは、zonecfg(8) を使用して、Oracle Solaris 統合アーカイブから構成データを抽出することで構成できます。zoneadm(8) ユーティリティーは、アーカイブからゾーンを直接インストールするために使用できます。ゾーンはまた、新しい Oracle Solaris Automated Installer 配備の一部として、大域ゾーンとともにインストールすることもできます。

デフォルトでは、Oracle Solaris 統合アーカイブは、システムのアクティブなブート環境および関連するデータセットに基づいた軽量の形式で作成されます。ゾーンシステムアーカイブのコンテキストでの関連するデータセットは、そのゾーンの委任されたデータセットです。ホスト大域ゾーンのアーカイブの場合、関連するデータセットは、システム上の任意のゾーン設定されていないデータセットです。これらのアーカイブは、システムのクローニングの目的に適しているため、「クローンアーカイブ」と呼ばれます。これらのアーカイブは、複数のノードにわたってカスタマイズされた同じイメージの迅速な配備に最適です。

アクティブなブート環境だけでなく、すべてのブート環境をオプションで含むアーカイブを作成できます。このタイプのアーカイブは、システム復旧の目的により適しているため、「復旧用のアーカイブ」と呼ばれます。このモードは、選択されたゾーンを含む単一のシステムとしてのアーカイブを作成します。選択された大域ゾーン内のすべての非大域ゾーンがアーカイブ内に組み込まれ、すべてのシステムのすべてのブート環境が含まれます。

クローンアーカイブ作成中、特定のシステムをアーカイブに明示的に含めるか、またはアーカイブから除外することができます。特定のシステムのリストを含めると、その他のすべてのシステムが暗黙的に除外されることに注意してください。反対に、特定のシステムのリストを除外すると、その他のすべてのシステムが暗黙的に含まれます。

復旧用のアーカイブを作成する場合は、特定のシステムを 1 つ選択できます。システムがインストール済みゾーンを含むホストである場合は、これらのゾーンがアーカイブ内に組み込まれます。特定のゾーンの復旧用のアーカイブが望ましい場合は、そのゾーンを選択できます。復旧用のアーカイブでは、システムの除外は許可されません。

また、特定のデータセットを除外することもできます。これにより、アーカイブのサイズがさらに削減される場合があります。デフォルトでは、すべてのスワップおよびダンプデバイスがすべてのアーカイブから除外されます。さらに、VARSHARE データセットがクローンアーカイブから除外されます。これは、復旧用のアーカイブに含まれます。

archiveadm ユーティリティーは、アーカイブのクローニングプロセス中に元に戻す必要のあるファイルについてパッケージのマニフェストで指定できる、system:clone という名前の pkg(1) 戻しタグをサポートします。これらのファイルは、配布時の状態に戻されます。

アーカイブの作成時に、pkg(1) 戻しタグを使用して一部の内容が初期の状態に戻されます。回復用のアーカイブの作成時には、system:dev-init 戻しタグが使用されます。クローンアーカイブの作成時には、system:dev-init および system:clone 戻しタグが使用されます。回復用のアーカイブとクローンアーカイブの両方でデバイス構成がクリアされるという影響があります。クローンアーカイブのみが、ログファイルの内容のようなインスタンス固有の情報を含み、一部の構成ファイルはその初期状態に戻されます。詳細は、Packaging and Delivering Software With the Image Packaging System in Oracle Solaris 11.4を参照してください。

ルートプールだけからのデータを含むアーカイブをオプションで作成できます。create サブコマンドで –-root-only オプションを使用すると、すべての非ルートプールがアーカイブから除外されます。

配備中、アーカイブされたシステムをクローンの統合アーカイブから選択的に配備できます。また、システムをゾーンとして配備することもできます。これにより、Global-to-Non-global (G2N) 変換機能が提供されます。単一システムの復旧用のアーカイブは選択できないことに注意してください。復旧用のアーカイブ全体が単一の配備として配備されます。

共有ストレージリソースにゾーンをアーカイブするには、これらのゾーンは個別のシステムとしてアーカイブする必要があります。これは、クローンアーカイブおよび回復用アーカイブの両方に当てはまります。さらに、回復用アーカイブから除外できる唯一のゾーンは共有ストレージ上のゾーンです。それ以外の除外のどれにも失敗します。

Oracle Solaris 統合アーカイブから、ブート可能なインストールメディアを作成できます。ユーザーは、構築領域や、インストールメディアの内容を定義するオプションを指定できます。次に、結果として得られるメディアイメージを使用して、復旧メディアやそれ以外のカスタムインストールメディアを作成できます。

このユーティリティーの 3 つの主な機能はそれぞれ、下の「サブコマンド」のセクションで説明されています。

オプション

次のオプションがサポートされています。

–h,–-help

このユーティリティーの使用法を示すヘルプメッセージを出力します。

サブコマンド

サポートされているサブコマンドは次のとおりです。

archiveadm create <archive name>
[–r|–-recovery]
[–z|–-zone <zone(s)>]
[–Z|–-exclude-zone < zone(s)>]
[–D|–-exclude-dataset < dataset(s)>]
[–e|–-exclude-media ]
[–s|–-skip-capacity-check]
[–-dehydrate[–-publisher <publisher name(s)>]]
[–-root-only]

create コマンドは、新しい Oracle Solaris 統合アーカイブの作成を起動します。このコマンドには、新しいアーカイブの場所と名前が必要です。これは、書き込み可能なディレクトリ内の新しいアーカイブファイル名へのパスとして渡されます。create コマンドを使用するには、ユーザーが solaris.user.manage 承認を持っている必要があります。

オプションを指定しない場合、create は、このコマンドが呼び出されたシステムのアーカイブを構築します。システムが大域ゾーンである場合は、ホスト上のすべての仮想システムが含まれます。アーカイブは、各システムのアクティブなブート環境と、すべての関連するデータセットで構成されます。ゾーンの場合は、関連するデータセットのリストが、委任されたデータセットのリストに等しくなります。大域ゾーンでは、ゾーンと連携していないすべてのデータセットがアーカイブされます。

すべてのスワップおよびダンプデバイスがすべてのアーカイブから除外されます。VARSHARE データセットは、デフォルトでは、すべてのクローンアーカイブから除外されます。

–r|–-recovery

このオプションは、システム復旧に適したアーカイブを作成します。このアーカイブタイプは、選択されたゾーンを含む単一の配備可能システムで構成されます。ゾーンが大域ゾーンである場合、アーカイブにはそのゾーンと、それがホストするすべての非大域ゾーンが含まれます。すべてのシステムのすべてのブート環境 (アクティブでないブート環境を含む) がアーカイブに含まれます。

[–z|–-zone <zone(s) >]

このオプションは、アーカイブされるゾーン名またはゾーン名のリストを指定するために使用されます。これにより、その他のすべてのシステムがアーカイブ対象から暗黙的に除外されます。

[–Z|–-exclude-zone < zone(s)>]

このオプションは、アーカイブから除外されるゾーン名またはゾーン名のリストを指定するために使用されます。これにより、その他のすべてのシステムが暗黙的に含まれます。–-zone–-exclude-zone は相互に排他的です。このオプションは、–-recovery が使用されている場合は無効です。

[–D|–-exclude-dataset < dataset(s)>]

このオプションは、1 つまたは複数のデータセットをアーカイブから除外するために使用されます。渡されたデータセット名は、アーカイブから再帰的に除外されます。つまり、除外されたデータセットの階層的な「子」であるデータセットもすべて除外されます。


注 -  このオプションは、カーネルゾーンではなく大域ゾーンまたは非大域ゾーンのアーカイブを作成しながら、1 つ以上のデータセットを除外するために使用されます。
[–-root-only]

このオプションは、すべての非ルートプールデータを除外するために使用します。生成されるアーカイブイメージから、個々の非ルートプールが再帰的に除外されます。これは、ルートのみのアーカイブが必要であり、非ルートプールのリストが不明である場合に便利です。

[–e|–-exclude-media]

このオプションを使用すると、統合アーカイブ内の配備可能なシステムごとのブート可能メディアの生成がスキップされる可能性があります。このメディアは、アーカイブの移植性を向上させるために、自動的に配備可能システムごとに作成されます。これが望ましくない場合は、このオプションを使用できます。

[–s|–-skip-capacity-check]

アーカイブストリーム作成の前に、ステージングディレクトリ内で容量のチェックが実行されます。このオプションは、ユーザーがこの容量のチェックをスキップしたい場合に使用できます。

[–-dehydrate[–-publisher <publisher name(s)>]]

このオプションは、アーカイブ作成中にアーカイブイメージをデハイドレートするために使用されます。クローンアーカイブだけがデハイドレーションをサポートします。

さらに、デハイドレートされる特定のパブリッシャーを指定するために –-publisher オプションが用意されていることがあり、これを使用すると、アーカイブを部分的にデハイドレートされたままにしておけます。複数のパブリッシャーがある場合、出力は、パブリッシャーのコンマ区切りのリストで区切られます。

デハイドレーションの実装は、その動作を pkg dehydrate コマンドから取得します。デハイドレーションで削除されるものの詳細は、pkg(1) のマニュアルページでこれらに関する記述を参照してください。

archiveadm info <archive name>
[–v|–-verbose]
[–k|–-key]
[–c|–-cert]
[–C|–-ca-cert]
[–p|–-parsable]
[–t|–-targets]
[–o|–-output property[,...]]
[–s|–-system <system_name>]
[–H|–-exclude-headers]

info コマンドは、URI として渡された Oracle Solaris アーカイブファイルの内容に関する情報を提供します。このパスがシステムでアクセス可能なファイルへの相対パスまたは絶対パスである場合、「file」の URI タイプはオプションです。サポートされているその他の URI タイプは、HTTP と HTTPS です。

このコマンドの出力は、アーカイブ作成時間や、ホスト名、アーキテクチャー、Oracle Solaris バージョンといった元のシステムに関連した情報などの、アーカイブ関連のデータを提供します。また、配備可能システムアーカイブのリスト (システム名ごと) も提供します。

[–v|–-verbose]

このオプションは、アクティブなブート環境の名前、インストールされている Oracle Solaris のバージョン、各システムアーカイブを配備するために必要なサイズを含む、配備可能システムアーカイブに関連したより詳細な情報を提供します。また、verbose モードには、アーカイブを作成したときにホストにインストールされた Oracle Solaris OS のバージョン、統合アーカイブファイルの一意の ID (UUID)、各システムアーカイブの UUID が示されます。

[–k|–-key]
[–c|–-cert]
[–C|–-ca-cert]

これらのオプションは、指定されたパスが HTTPS URI である場合に HTTPS 資格証明を渡すために使用されます。これらのオプションでは、クライアント証明書、CA 証明書、および鍵が設定されます。

[–p|–-parsable]

このオプションは、書式設定された出力の代わりに、アーカイブ情報に関連した解析可能なコロン区切りの一連の値を提供します。これは、スクリプトやデータ入力アプリケーションに役立ちます。冗長と非冗長の両方の解析可能な出力に、出力をラベル付けするヘッダーが含まれます。

–p オプションを –o オプションとともに使用すると、–o オプションで指定されたプロパティーのみが要求された順序で出力されます。

[–t|–-targets]

このオプションは、元のシステム上のストレージ構成に特に関連した情報を一覧表示します。Automated Installer にクライアントシステムの構成方法に関するガイドラインを提供するために、配備中に使用されるデータとともに、構成メタデータがアーカイブされます。このオプションは、ユーザーに AI が配備時に作成しようとする内容を検査するための方法を提供します。

このオプションを使用すると、元のシステムのターゲット構成を取得できます。これを使用すると、AI マニフェストのストレージ構成が再作成される可能性があります。少しの変更で使用できるように、マニフェストの内容は XML で表示されます。

複数の配備可能なシステムを含むアーカイブの場合、–s オプションを –t オプションとともに使用すると、ターゲット構成データを必要とするシステムを指定できます。

[–o|–-output property[,...]]

このオプションは、ユーザー指定のプロパティーの情報を表形式で表示します。大文字と小文字を区別しない、プロパティーのコンマ区切りリストを受け入れます。プロパティーは、後述するネイティブプロパティーのいずれかである必要があります。

–o オプションで指定するプロパティーは、同じプロパティーカテゴリに存在する (すべてネイティブアーカイブプロパティーか、すべてネイティブシステムプロパティー) 必要があります。

次のネイティブアーカイブプロパティーがサポートされています。

ARCHIVE_UUID

この統合アーカイブの 128 ビットの一意の識別子。

ARCHIVE_VERSION

この統合アーカイブのバージョン。

CREATION_TIME

この統合アーカイブの作成時のタイムスタンプ (UTC)。

DEHYDRATED_PUBLISHERS

デハイドレートされたアーカイブのパブリッシャー (存在する場合)。

HOST_OS_VERSION

統合アーカイブが作成されたホストにインストールされている Oracle Solaris のバージョン。たとえば、11.4

HOST_OS_BRANCH

統合アーカイブが作成されたホストにインストールされている osnet-incorporation パッケージの IPS 枝番。たとえば、11.4.0.0.0.123.0

ISA

「sparc」または「i386」。

OS_NAME

Solaris 名。たとえば、「Oracle Solaris 11.4 X86」。

RECOVERY

アーカイブタイプが「回復」である場合は「はい」、それ以外は「いいいえ」。

SOURCE_HOST

元のアーカイブされたシステムのホスト名。

SYSTEMS

この統合アーカイブ内に含められた配備可能なシステム。出力は、システム名のコンマ区切りのリストになります。

次のネイティブシステムプロパティーがサポートされています。

ACTIVE_BE

アーカイブが作成されたときの元のシステムでのアクティブなブート環境の名前。クローンアーカイブを再配備するときに、アクティブな BE はこの名前に一致します。回復用アーカイブの再配備時、配備でのアクティブな BE は、「-recovery」の名前が付加されたこの BE のコピーになります。

AI_MEDIA

アーカイブされたこのシステムに関連付けられた AI メディアの名前。

BRAND

アーカイブされているゾーンのブランド。

NAME

システムの名前。

OS_BRANCH

osnet-incorporation の OS 枝番。たとえば、「11.4.0.0.0.55.0」。

OS_VERSION

このシステムにインストールされている Oracle Solaris ソフトウェアのバージョン。たとえば、「11.4」。

ROOT_ONLY

このシステムがルートデータだけを含んでいる場合は「はい」、それ以外の場合は「いいえ」。

SIZE

システムの展開に必要な推定最小サイズ。スワップまたはダンプあるいはその両方と、アーカイブで考慮されていないほかのシステム構成アクションを考慮するために、追加の領域を追加する必要があります。

SYSTEM_UUID

このシステムの 128 ビットの一意の識別子。

[–s|–-system <system_name>]

このオプションは、配備可能なシステムアーカイブの名前を指定します。–s オプションとともに、–o オプションまたは –t オプションが必要です。

ネイティブシステムプロパティーの表示に –o オプションが使用されている場合、–s オプションでシステムを明示的に指定する必要があります。この使用法では、–s オプションでシステム名のコンマ区切りリストが受け入れられます。<system_name は、ネイティブアーカイブプロパティー「システム」の出力に一覧表示される値のいずれかにすることも、アーカイブされたすべてのシステムを表示する特別な値 all にすることもできます。

–s オプションを –t オプションとともに使用すると、<system_name> によってターゲット構成データを必要とするシステムが指定されます。

[–H|–-exclude-headers]

このオプションは、解析可能なモードと解析不可のモードの両方で、ヘッダーのない出力を行うために使用されます。

–H のオプションには –o オプションが必要です。

archiveadm create-media <archive name>
[–g|–-global-zone <global-zone>]
[–s|–-source < ISO image> | <repository URI>]
[–k|–-key <ssl_key>]
[–c|–-cert <ssl_cert >]
[–d|–-dataset < name>]
[–f|–-format < iso or usb>]
[–o|–-output < path for final image>]

create-media コマンドは、統合アーカイブからブート可能メディアを作成するために使用されます。次に、結果として得られるメディアイメージを使用して、アーカイブの内容からシステムをブートおよびインストールすることができます。アーカイブファイルは、パスとして渡されます。このパスは、相対パスまたは絶対パスのどちらでもかまいません。

[–g|–-global-zone]

メディアはアーカイブされた大域ゾーンから作成されます。このスイッチを使用すると、ユーザーはメディアの作成元の大域ゾーンを選択できます。結果として得られるメディアでは、指定された大域ゾーンのアーカイブが、埋め込まれたゾーンも含めて配備されます。

[–s|–-source]

ブート可能メディアは、Solaris AI イメージに基づいています。このスイッチを使用すると、ユーザーは AI イメージのソースを指定できます。有効なソースは、互換性のある Solaris Automated Install ISO イメージファイルへのパスか、または互換性のある pkg://solaris/install-image/solaris-auto-install パッケージを含む Solaris IPS リポジトリの URI のどちらかです。互換性は、Solaris のバージョンに基づいています。

ソースが渡されない場合は、create-media を実行しているシステム上に設定されたすべての IPS パブリッシャーが検索され、solaris-auto-install パッケージの互換性のあるバージョンであるかどうか確認されます。

[–k|–-key]
[–c|–-cert]

これらのオプションは、指定されたソースが HTTPS URI である場合に HTTPS 資格証明を渡すために使用されます。これらのオプションでは、クライアント証明書と鍵が設定されます。

[–d|–-dataset]

このスイッチを使用すると、ユーザーは、メディア作成のためのステージング領域として使用される ZFS データセットを指定できます。これが渡されない場合は、rpool 上のデフォルトのステージング領域が使用されます。

[–f|–-format]

結果として得られるブート可能メディアの形式を ISO または USB イメージファイルのどちらかから選択します。結果として得られるメディアイメージが 4G バイトより大きい場合は、USB 形式のみがサポートされます。

[–o|–-output]

結果として得られるメディアイメージファイルの名前。指定されない場合は、デフォルト名が使用されます。

rehydrate <dehydrated archive name> <archive name>

rehydrate コマンドは、デハイドレートされた統合アーカイブからリハイドレートされた統合アーカイブを作成するために使用されます。結果のアーカイブは、完全にリハイドレートされたアーカイブになります。リハイドレーションは、デハイドレーションによって削除されたファイルとハードリンクをすべて再インストールし、アーカイブイメージを元の状態に復元します。リハイドレーションの実装は、その動作を pkg rehydrate コマンドから取得します。リハイドレーションがデハイドレートされたアーカイブに復元するものの詳細は、pkg(1) のマニュアルページでこれらに関する記述を参照してください。

デハイドレートされたアーカイブとリハイドレートされたアーカイブはどちらもパスとして渡されます。これらのパスは、相対パスまたは絶対パスのどちらでもかまいません。

使用例 1 デフォルトのアーカイブの作成

この例では、オプションなしでアーカイブを作成します。これにより、ホスト上のすべてのシステムを含む統合アーカイブが作成されます。

# archiveadm create ./archive.uar
使用例 2 データセットが除外されたアーカイブの作成

この例では、data/scratch および tank/tmp データセットが除外されたアーカイブを作成します。

# archiveadm create -D data/scratch,tank/tmp ./archive.uar
使用例 3 単一のゾーンのアーカイブ

この例では、ゾーンのアクティブなブート環境、関連する rpool データセット、およびすべての委任されたデータセットで構成される単一システムのアーカイブを作成します。

# archiveadm create -z zone1 ./archive.uar
使用例 4 ゾーンが除外されたアーカイブの作成

この例では、「zone3」および「zone4」ゾーンが除外されたアーカイブを作成します。

# archiveadm create -Z zone3,zone4 ./archive.uar
使用例 5 solaris-kz ゾーンのアーカイブ

この例では、solaris-kz ブランドゾーンで構成される単一システムのアーカイブを作成します。カーネルゾーン内に配備されているゾーンはすべて、単一システムのアーカイブ内にアーカイブされます。

# archiveadm create -z kz1 ./archive.uar
使用例 6 指定したパブリッシャーを使用した、デハイドレートされたアーカイブの作成

この例では、solaris および nightly パブリッシャーをデハイドレートして、デハイドレートされたアーカイブを作成します。

# archiveadm create --dehydrate --publisher solaris,nightly ./archive.uar
使用例 7 基本アーカイブ情報の取得

この例では、アーカイブに関連した基本情報を取得します。


# archiveadm info ./archive.uar
        Archive Information
                          Creation Time:  2017-03-29T01:29:29Z
                            Source Host:  myhost
                           Architecture:  i386
                       Operating System:  Oracle Solaris 11.4 X86
                  Dehydrated Publishers:  nightly, solaris
                     Deployable Systems:  global,zone1
使用例 8 冗長アーカイブ情報の取得

この例では、アーカイブとその配備可能システムアーカイブに関連した冗長情報を取得します。


# archiveadm info --verbose archive.uar
        Archive Information
                         Creation Time:  2017-03-29T01:29:29Z
                           Source Host:  myhost
                          Architecture:  i386
                      Operating System:  Oracle Solaris 11.4 X86
                 Dehydrated Publishers:  nightly, solaris
                      Recovery Archive:  No
                             Unique ID:  d1689f79-0bca-6cea-e06c-f335e98006f0
                       Host OS Version:  11.4
                        Host OS Branch:  11.4.0.0.0.121.1
                       Archive Version:  1.0
  
                   Deployable Systems
                     'global'
                       OS Version:  11.4
                        OS Branch:  11.4.0.0.0.121.1
                        Active BE:  mybe1
                            Brand:  solaris
                   Installed Size:  21.44GB
                        Unique ID:  73ec33b8-55c2-6291-cabd-943f3b1c359e
                     'zone1'
                       OS Version:  11.4.0.0.0.105.2
                        Active BE:  solaris-6
                            Brand:  solaris
                      Size Needed:  345.90MB
使用例 9 ストレージ構成情報の取得

この例では、Solaris Automated Installer を使用してアーカイブが配備された場合に必要になるターゲットのリソースに関連した情報をアーカイブから取得します。


# archiveadm info --targets archive.uar
<target name="origin">
      <disk in_zpool="rpool" in_vdev="rpool-none" whole_disk="true">
        <disk_name name="SYS/HDD0" name_type="receptacle"/>
        <disk_prop dev_type="scsi" dev_vendor="HITACHI" dev_chassis="SYS"
dev_size="585937500secs"/>
        <gpt_partition name="0" action="create" force="false" part_type="bbp">
          <size val="524288secs" start_sector="256"/>
        </gpt_partition>
        <gpt_partition name="1" action="create" force="false" part_type="solaris">
          <size val="585396539secs" start_sector="524544"/>
        </gpt_partition>
        <gpt_partition name="8" action="create" force="false" part_type="reserved">
          <size val="16384secs" start_sector="585921083"/>
        </gpt_partition>
      </disk>
      <disk in_zpool="data" in_vdev="data-none" whole_disk="true">
        <disk_name name="SYS/HDD1" name_type="receptacle"/>
        <disk_prop dev_type="scsi" dev_vendor="HITACHI" dev_chassis="SYS"
dev_size="585937500secs"/>
        <gpt_partition name="0" action="create" force="false" part_type="solaris">
          <size val="585920827secs" start_sector="256"/>
        </gpt_partition>
        <gpt_partition name="8" action="create" force="false" part_type="reserved">
          <size val="16384secs" start_sector="585921083"/>
        </gpt_partition>
      </disk>
      <logical noswap="false" nodump="false">
        <zpool name="data" action="create" is_root="false" mountpoint="/data">
          <vdev name="data-none" redundancy="none"/>
        </zpool>
        <zpool name="rpool" action="create" is_root="true" mountpoint="/rpool">
          <vdev name="rpool-none" redundancy="none"/>
        </zpool>
      </logical>
    </target>
使用例 10 メディアの作成

この例では、ブート時に「archive.uar」から大域ゾーンを配備するブート可能な USB イメージを作成します。これは、usbcopy(8) コマンドを使用して USB デバイスにコピーできます。AI イメージコンポーネントは、IPS パブリッシャーの現在のリストがソースになります。

# archiveadm create-media ./archive.uar
使用例 11 IPS パブリッシャーからのメディアの作成

この例では、AI イメージコンポーネントが特定の IPS パブリッシャーをソースとしているブート可能メディアを作成します。

# archiveadm create-media -s http://server.domain:port
                ./archive.uar
使用例 12 ユーザーが選択した構築領域でのメディアの作成

この例は、AI ISO イメージをブートアーカイブのソースとして使用してメディアを作成する方法を示しています。

# archiveadm create-media -d data/build
                -s S11-2-x86-AI.iso ./archive.uar
使用例 13 デハイドレートされたアーカイブからのリハイドレートされたアーカイブの作成

この例は、デハイドレートされたアーカイブからリハイドレートされたアーカイブを作成する方法を示しています。

# archiveadm rehydrate ./dehydrated_archive.uar ./rehydrated_archive.uar
使用例 14 選択した大域ゾーンからのメディアの作成

この例は、アーカイブされた特定の大域ゾーンからメディアを作成する方法を示しています。

# archiveadm create-media -g kz-global ./archive.uar
使用例 15 ネイティブアーカイブプロパティーの取得

この例は、ネイティブアーカイブのプロパティーを取得する方法を示しています。

# archiveadm info -o SOURCE_HOST,ISA,RECOVERY,SYSTEMS
                ./archive.uar
SOURCE_HOST   ISA  RECOVERY SYSTEMS
-----------   ---  -------- -------
ss12-aiserver i386 No       sys1,sys2,sys3,sys4
使用例 16 ネイティブシステムプロパティーの取得

この例は、ネイティブシステムのプロパティーを取得する方法を示しています。

# archiveadm info -o NAME,ACTIVE_BE,BRAND
                -s sys1,sys2,sys3 ./archive.uar
Name Active_BE Brand
---- --------- -----
sys1 solaris-1 solaris
sys2 solaris-2 solaris
使用例 17 ヘッダーなしの解析可能ネイティブシステムプロパティーの取得

この例は、ヘッダーなしで解析可能なネイティブシステムのプロパティーを取得する方法を示しています。

# archiveadm info -o NAME,ACTIVE_BE,BRAND
                -s all -p -H ./archive.uar
sys1|solaris-1|solaris
sys2|solaris-2|solaris
sys3|solaris-3|solaris
sys4|solaris-4|solaris

属性

属性についての詳細は、マニュアルページの attributes(7) を参照してください。

属性タイプ
属性値
使用条件
install/archive|
インタフェースの安定性
不確実

関連項目

ai_manifest(5)zoneadm(8)zonecfg(8)