kstat - 旧式のカーネル統計の表示
kstat [-lpq] [-T u | d ] [-c class] [-m module]
[-i instance] [-n name] [-s statistic]
[interval [count]]
kstat [-lpq] [-T u | d ] [-c class]
[module:instance:name:statistic]...
[interval [count]]
kstat ユーティリティーは、システムで使用できるカーネル統計 (kstat) を調べ、コマンド行に指定された条件に一致する統計情報を報告します。一致する各統計は、そのモジュール、インスタンス、および名前のフィールド、およびその実際の値とともに表示されます。
カーネル統計は、ドライバや読み込み可能なモジュールなどのさまざまなカーネルサブシステムによって発行されるため、各 kstat にはその発行元を示すモジュールフィールドがあります。各モジュールには統計を報告すべきカウント可能なエンティティー (sd(4D) ドライバに関連付けられた複数のディスクなど) が含まれている場合があるため、kstat には、各エンティティーの統計にインデックスを付けるためのインスタンスフィールドもあります。kstat インスタンスにはゼロから始まる番号が付けられます。最後に、kstat にはそのモジュール内で一意の名前が付けられます。
各 kstat は、特別な kstat タイプ、名前-値ペアの配列、または raw データです。名前-値の場合は、報告される各値にラベルが付けられ、それを統計と呼んでいます。既知の raw および特別な kstat には、その各値を表す統計ラベルが kstat によって付けられます。したがって、発行される値はすべて、module:instance:name:statistic として参照できます。
モジュールオペランドもオプションもなしで呼び出された場合、kstat はシステムで定義されているすべての統計を照合します。呼び出しの例を下記で示します。すべての時間はシステムブートからの小数秒で表示されます。
次のオプションで指定されるテストは論理積がとられ、一致するすべての kstat が選択されます。シェルのメタメタキャラクタを含んでいる正規表現は、それを適切な引用符で囲むことによって、シェルから保護する必要があります。
–c、–i、–m、–n、および –s オプションの引数は、シェルの glob パターンまたは「/」文字で囲まれた Perl 正規表現として指定できます。
指定されたクラスに一致する kstat だけを表示します。class は、kstat の「タイプ」を分類するカーネル定義の文字列です。
指定されたインスタンスに一致する kstat だけを表示します。
値は表示せずに、一致する kstat の名前を一覧表示します。
指定されたモジュールに一致する kstat だけを表示します。
指定された名前に一致する kstat だけを表示します。
解析可能な形式で出力を表示します。このドキュメントでは、出力例はすべてこの形式で示されています。このオプションが指定されていない場合、kstat は人間が読める表形式で出力を生成します。
出力を表示するのではなく、指定された条件との照合に関して該当する終了ステータスを返します。
指定された統計に一致する kstat だけを表示します。
各統計ブロックの前に、date(1) 形式 (d) または time(2) から返される値の英数字表現 (u) でタイムスタンプを表示します。
次のオペランドがサポートされています。
上記のモジュール、インスタンス、名前、および統計を指定するための代替方法。モジュール、インスタンス、名前、または統計の各指定子には、シェルの glob パターンまたは「/」文字で囲まれた Perl 正規表現を指定できます。単一のオペランド内で両方の指定子タイプを使用できます。指定子を空のままにすることは、その指定子に「*」glob パターンを使用することと同等です。
レポートの間隔 (秒単位)。
表示するレポートの数。
次の例で、ブロック内のコマンド行はすべて、すぐ下に示されている同じ出力を生成します。もちろん、正確な統計と値はマシンによって異なります。
使用例 1 kstat コマンドを使用するexample$ kstat -p -m unix -i 0 -n system_misc -s 'avenrun*' example$ kstat -p -s 'avenrun*' example$ kstat -p 'unix:0:system_misc:avenrun*' example$ kstat -p ':::avenrun*' example$ kstat -p ':::/^avenrun_\d+min$/' unix:0:system_misc:avenrun_15min 3 unix:0:system_misc:avenrun_1min 4 unix:0:system_misc:avenrun_5min 2使用例 2 kstat コマンドを使用する
example$ kstat -p -m cpu_stat -s 'intr*' example$ kstat -p cpu_stat:::/^intr/ cpu_stat:0:cpu_stat0:intr 29682330 cpu_stat:0:cpu_stat0:intrblk 87 cpu_stat:0:cpu_stat0:intrthread 15054222 cpu_stat:1:cpu_stat1:intr 426073 cpu_stat:1:cpu_stat1:intrblk 51 cpu_stat:1:cpu_stat1:intrthread 289668 cpu_stat:2:cpu_stat2:intr 134160 cpu_stat:2:cpu_stat2:intrblk 0 cpu_stat:2:cpu_stat2:intrthread 131 cpu_stat:3:cpu_stat3:intr 196566 cpu_stat:3:cpu_stat3:intrblk 30 cpu_stat:3:cpu_stat3:intrthread 59626使用例 3 kstat コマンドを使用する
example$ kstat -p :::state ':::avenrun*' example$ kstat -p :::state :::/^avenrun/ cpu_info:0:cpu_info0:state on-line cpu_info:1:cpu_info1:state on-line cpu_info:2:cpu_info2:state on-line cpu_info:3:cpu_info3:state on-line unix:0:system_misc:avenrun_15min 4 unix:0:system_misc:avenrun_1min 10 unix:0:system_misc:avenrun_5min 3使用例 4 kstat コマンドを使用する
example$ kstat -p 'unix:0:system_misc:avenrun*' 1 3 unix:0:system_misc:avenrun_15min 15 unix:0:system_misc:avenrun_1min 11 unix:0:system_misc:avenrun_5min 21 unix:0:system_misc:avenrun_15min 15 unix:0:system_misc:avenrun_1min 11 unix:0:system_misc:avenrun_5min 21 unix:0:system_misc:avenrun_15min 15 unix:0:system_misc:avenrun_1min 11 unix:0:system_misc:avenrun_5min 21使用例 5 kstat コマンドを使用する
example$ kstat -p -T d 'unix:0:system_misc:avenrun*' 5 2 Thu Jul 22 19:39:50 1999 unix:0:system_misc:avenrun_15min 12 unix:0:system_misc:avenrun_1min 0 unix:0:system_misc:avenrun_5min 11 Thu Jul 22 19:39:55 1999 unix:0:system_misc:avenrun_15min 12 unix:0:system_misc:avenrun_1min 0 unix:0:system_misc:avenrun_5min 11使用例 6 kstat コマンドを使用する
example$ kstat -p -T u 'unix:0:system_misc:avenrun*' 932668656 unix:0:system_misc:avenrun_15min 14 unix:0:system_misc:avenrun_1min 5 unix:0:system_misc:avenrun_5min 18
次の終了ステータスが返されます。
1 つまたは複数の統計が一致しました。
一致する統計はありませんでした。
無効なコマンド行オプションが指定された。
致命的なエラーが発生しました。
カーネル統計ドライバ
属性についての詳細は、マニュアルページの attributes(7) を参照してください。
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date(1)、sh(1)、time(2)、gmatch(3GEN)、kstat(3KSTAT)、kstat(4D)、sd(4D)、attributes(7)、kstat(9S)、kstat2(3KSTAT2)、kstat2(8)
パターン引数に glob または Perl RE のメタキャラクタが含まれており、それがシェルのメタキャラクタでもある場合、パターンを適切なシェル引用符で囲む必要があります。
このコマンドの使用は非推奨です。将来の Oracle Solaris リリースで削除される可能性があります。kstat2 コマンドの使用が推奨されています。詳細は、kstat2(8) のマニュアルページを参照してください。