modinfo - ロードされているカーネルモジュールについての情報の表示
/usr/sbin/modinfo [-aw] [-c | [-i module] [-pP] [-o field[,...]]]
modinfo ユーティリティーは、ロードされているモジュールに関する情報を表示します。表示形式は次のとおりです。
ID LOADADDR SIZE INFO REV NAMEDESC
ここで、ID は 10 進数のモジュール ID、LOADADDR は特権ユーザーの場合は開始テキストアドレス (16 進表記) ですが特権のないユーザーの場合は「--」です。SIZE はテキスト、データ、および bss のバイト単位の合計サイズ (16 進表記)、INFO はモジュール固有の情報、REV はロード可能モジュールシステムのリビジョン、NAMEDESC はモジュールのファイル名と説明です。
モジュール固有の情報として表示される内容は、モジュールの種類により異なります。すなわち、ドライバであれば ブロックメジャー番号とキャラクタメジャー番号、システムコールであればシステムコール番号、その他の種類は指定されていません。
サポートしているオプションは、次のとおりです。
モジュールがロードされた回数と、モジュールの現在の状態を表示します。このオプションは –a を含み、–i、–o、–p、または –P と一緒には使用できません。
指定したモジュールに関する情報のみを表示します。「モジュール」が数字で始まっている場合、10 進数のモジュール ID として解釈されますが、それ以外の場合はモジュール名として解釈されます。10 進数のモジュール ID はリブート後に変わることがあります。
表示する出力フィールドのコンマ区切りのリスト (大文字と小文字は区別されません)。フィールド名は、次に示すフィールドのいずれか、またはすべてのフィールドを表示するための特殊な値allにする必要があります。id、loadaddr、size、info、rev、path、name、desc、namedesc、loadcnt、state、all の各フィールドがサポートされます。ロードされたモジュールの場合、「path」は、モジュールのロード時に使用されたカーネルが表示される実際のパスです。ロードされていないモジュールの場合、カーネルがモジュールをロードするために使用するパスが生成されます。出力は、ソフトウェアがシステムで追加または削除された場合に発生するバインディングと一致しないことがあります。そのような変更が原因で、次回モジュールがロードされるときに別のパスが使用される場合があります。modinfo(8) は、モジュールがどこからロードされるかを特定できない場合、パスの前に疑問符を出力します。このオプションは、–w を暗黙的に含みます。
安定したマシン解析可能な形式を使用して表示します。このオプションには –o オプションが必要です。次の「解析可能な出力形式」を参照してください。
パスとヘッダー情報のみを表示します。これは、「-p -o path」の別名です。
現在ロードされていないモジュールを含め、すべてのモジュールに関する情報を表示します。
モジュールに関する情報を、80 文字の位置で切り落としません。
複数のフィールドを入力した場合、出力形式は、コロン (:) で区切られたフィールドで構成された 1 つ以上の行です。出力には、–o オプションを使用して要求されたフィールドのみが、要求された順序で表示されます。複数のフィールドを要求した場合、すべてのリテラルのコロン文字は、バックスラッシュ (\) でエスケープされてから出力されます。同様に、バックスラッシュ文字もエスケープされます (\\)。このエスケープ形式は、環境変数を IFS=: として設定したシェルの read(1) 関数を使用して解析可能です。
1 つのフィールドのみを要求した場合はエスケープが実行されないことに注意してください。
次の例では、モジュール 3 に関する情報を表示しています。
example% modinfo -i 3 ID LOADADDR SIZE INFO REV NAMEDESC 3 fffffffffbdcf000 7410 1 1 specfs (filesystem for specfs)
example% modinfo -i specfs ID LOADADDR SIZE INFO REV NAMEDESC 3 fffffffffbdcf000 7410 1 1 specfs (filesystem for specfs)使用例 2 カーネルモジュールのステータスの表示
次の例では、いくつかのカーネルモジュールのステータスを表示しています。
example% modinfo ID LOADADDR SIZE INFO REV NAMEDESC 0 fffffffffb800000 3b3cb4 -- 0 unix () 1 fffffffffb9f8208 43e068 -- 0 genunix () 3 fffffffffbdcf000 7410 1 1 specfs (filesystem for specfs) 4 fffffffffbdd6370 5d80 3 1 fifofs (filesystem for fifo) 5 fffffffff80b4000 267c8 53 1 dtrace (Dynamic Tracing) 6 fffffffffbddc038 9608 16 1 devfs (devices filesystem) 7 fffffffffbde53f0 21830 17 1 dev (/dev filesystem) 8 fffffffffbe064e8 8078 -- 1 dls (Data-Link Services) 9 fffffffffbe0e248 4c908 -- 1 mac (MAC Services) 10 fffffffffbe59968 25c20 5 1 procfs (filesystem for proc)使用例 3 –c オプションの使用
–c オプションを指定して modinfo コマンドを実行すると、読み込まれているモジュールのインスタンスの数と、そのモジュールの現在の状態が表示されます。
example% modinfo -c ID LOADCNT NAME STATE 0 1 unix LOADED/INSTALLED 1 1 genunix LOADED/INSTALLED 2 0 cl_bootstrap UNLOADED/UNINSTALLED 3 1 specfs LOADED/INSTALLED 4 1 fifofs LOADED/INSTALLED 5 1 dtrace LOADED/INSTALLED 6 1 devfs LOADED/INSTALLED 7 1 dev LOADED/INSTALLED 8 1 dls LOADED/INSTALLED 9 1 mac LOADED/INSTALLED 10 1 procfs LOADED/INSTALLED 11 0 lbl_edition UNLOADED/UNINSTALLED使用例 4 –o および –p オプションの使用
–o および –p オプションを指定して modinfo コマンドを使用すると、ユーザー指定のフィールドがマシン解析可能な形式で表示されます。
example% modinfo -o id,desc,path -i specfs ID DESC PATH 3 filesystem for specfs /kernel/fs/amd64/specfs
example% modinfo -o id,desc,path -i specfs -p 3:filesystem for specfs:/kernel/fs/amd64/specfs
属性についての詳細は、マニュアルページの attributes(7) を参照してください。
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