evsstat - エラスティック仮想スイッチ (EVS) の統計情報の報告
evsstat [-f {<fname>=<val>[,...]}[,...] [[-c] -o <field>[,...]] [-u R|K|M|G|T|P] [-T d|u] [<evsname>[/<vportname>]] [interval] [count]
evsstat コマンドは、EVS の各 VPort の実行時統計情報を報告します。基本的には、VPort に関連付けられた VNIC の統計情報を報告します。EVS および仮想ポートの詳細は、evsadm のマニュアルページを参照してください。
evsstat コマンドは RAD (Remote Administration Daemon) クライアントであり、リモート EVS コントローラと通信してすべての evsstat サブコマンドを実行します。evsstat を使用する前に、EVS コントローラの解決可能なホスト名または IP アドレスを指定する必要があります。これは、「set-prop」サブコマンドを使用して「controller」プロパティーを設定することにより実行できます。
evsadm set-prop -p controller=ssh://[username@]evs-controller.example.com # evsadm show-prop NAME VALUE DEFAULT controller ssh://[username@]evs-controller.example.com --
ここで、オプションの「username」は、「Elastic Virtual Switch Administration RBAC」プロファイルを割り当てられているユーザーです。詳細は、prof_attr(5) のマニュアルページを参照してください。構成を簡略化するために、必須の EVS IPS パッケージ (service/network/evs) をインストールすると、EVS の操作を実行するためのすべての承認および特権を持つ「evsuser」と呼ばれるユーザーが作成されます。付属の「evsuser」を使用するには、controller プロパティーを次のように設定します。
# evsadm set-prop -p controller=ssh://evsuser@evs-controller.example.com
SSH プロトコルを使用して、EVS コントローラと通信します。通信を非対話型にするには、ホスト間 (つまり、evsadm が実行されるホストと EVS コントローラの間) で事前共有公開鍵を使用して SSH 認証を設定する必要があります。詳細については、evsadm(8) のマニュアルページおよびManaging Network Virtualization and Network Resources in Oracle Solaris 11.4ガイドの EVS の章を参照してください。
すべての有効なフィールドに対して、evsstat は数値を表示します。適用できない値に対しては「--」を表示します。不明な値に対しては「?」を表示します。
evsstat は、前述の「形式」に示されているコマンドの形式になります。
evsstat コマンドには、次のオプションとオペランドがあります。
指定されている場合は、指定された EVS の統計情報のみを表示します。それ以外の場合は、すべての EVS の統計情報を表示します。
指定されている場合は、指定された VPort に接続されている VNIC の統計情報のみを表示します。vportname を指定するには、evsname が必要です。
出力をフィルタ処理するために使用される、コンマで区切られた名前と値のペア (行の選択)。複数のフィルタが指定されている場合、表示される出力は、フィルタ間での AND 操作の結果です。フィルタ値が複数値である場合、表示される出力は、フィルタ値間での OR 操作の結果です。サポートされるフィルタは次のとおりです。
テナント名で VPort をフィルタ処理する
EVS 名で VPort をフィルタ処理する
vport 名で vport をフィルタ処理する
ホスト名で VPort をフィルタ処理する
表示する出力フィールドの大文字と小文字が区別されないコンマ区切りリストを表示します (列の選択)。フィールド名は、次に示すフィールドのいずれか、またはサポートされるすべてのフィールドを表示するための特殊な値allにする必要があります。サポートされるフィールドの一覧:
vport
evs
tenant
vnic
host
ipkts
rbytes
opkts
obytes
idrops
odrops
安定した、マシン解析可能な形式で出力を表示します。このオプションには –o オプションが必要です。下の「解析可能な出力形式」を参照してください。
使用した場合、すべての統計情報の表示単位を選択できます (たとえば、R: 生カウント、K: キロビット、M: メガビット、T: テラビット、P: ペタビット)。使用しない場合、必要に応じて異なる単位が使用され、xy.zU 形式で統計情報が表示されます (x、y、および z は数値、U は該当する単位です)。
時間の内部表現の出力表現に u を指定します。詳細は、time(2) を参照してください。標準の日付フォーマットに d を指定します。詳細は、date(1) を参照してください。
指定されている場合は、出力行がリフレッシュされる間隔を示します。出力の最初の行は、VNIC が仮想ポートに接続されてからの総数を示すサマリーです。2 行目以降は、正規化された (1 秒あたりの) 統計情報を示します。指定されていない場合は、指定されたリンクが作成されてからの 1 つのサマリーが得られます。
統計情報をリフレッシュする回数を指定します。回数を指定するには、間隔が必要です。
次のコマンドは、すべての EVS の統計情報を表示します。統計情報は、3 桁の数値 + 小数点 + 2 桁の数値に、該当する単位が付けられた形で表示されます。
# evsstat VPORT EVS TENANT IPKTS RBYTES OPKTS OBYTES sys-vport0 evs0 sys-tenant 101.88K 32.86M 40.16K 4.37M sys-vport2 evs0 sys-tenant 4.50M 6.78G 1.38M 90.90M sys-vport0 evs1 sys-tenant 132.89K 12.25M 236 15.82K sys-vport1 evs1 sys-tenant 144.47K 13.32M 247 16.29K使用例 2 1 つの EVS の統計情報の表示
次のコマンドは、EVS evs0 のすべての VPort の統計情報を表示します。
# evsstat evs0 VPORT EVS TENANT IPKTS RBYTES OPKTS OBYTES sys-vport0 evs0 sys-tenant 101.88K 32.86M 40.16K 4.37M sys-vport2 evs0 sys-tenant 4.50M 6.78G 1.38M 90.90M使用例 3 1 つの VPort の統計情報の表示
次のコマンドは、1 つの VPort の統計情報を表示します。
# evsstat evs0/sys-vport2 VPORT EVS TENANT IPKTS RBYTES OPKTS OBYTES sys-vport2 evs0 sys-tenant 4.50M 6.78G 1.38M 90.90M使用例 4 統計情報のリフレッシュ
次のコマンドは、VPort の統計情報を 1 秒間隔で 3 回リフレッシュします。
# evsstat evs0/sys-vport2 1 3 VPORT EVS TENANT IPKTS RBYTES OPKTS OBYTES sys-vport2 evs0 sys-tenant 4.50M 6.78G 1.38M 90.90M sys-vport2 evs0 sys-tenant 4.50M 6.78G 1.38M 90.90M sys-vport2 evs0 sys-tenant 4.50M 6.78G 1.38M 90.90M使用例 5 統計情報の特定のセットの選択
次のコマンドは、一連の統計情報または目的とする特定の情報を選択する方法を示しています。
# evsstat -o vport,evs,vnic,host,ipkts,opkts VPORT EVS VNIC HOST IPKTS OPKTS sys-vport0 evs0 vnic0 host1 101.88K 40.16K sys-vport2 evs0 vnic0 host2 4.50M 1.38M sys-vport0 evs1 vnic1 host1 132.89K 236 sys-vport1 evs1 vnic1 host2 144.47K 247使用例 6 ヘルプの表示
次のコマンドは、evsstat の使用法を表示します。
# evsstat help evsstat [-f {<fname>=<val>[,...]}[,...] [[-c] -o <field>[,...]] [-u R|K|M|G|T|P] [<evsname>[/<vportname>]] [interval] [count]
属性についての詳細は、マニュアルページの attributes(7) を参照してください。
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画面出力は「不確実」です。呼び出しは「確実」です。