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マニュアルページ セクション 8: システム管理コマンド

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更新: 2018年8月8日
 
 

evsstat (8)

名前

evsstat - エラスティック仮想スイッチ (EVS) の統計情報の報告

形式

evsstat [-f {<fname>=<val>[,...]}[,...] [[-c] -o <field>[,...]]
                    [-u R|K|M|G|T|P] [-T d|u] [<evsname>[/<vportname>]]
     		  [interval] [count]

説明

evsstat コマンドは、EVS の各 VPort の実行時統計情報を報告します。基本的には、VPort に関連付けられた VNIC の統計情報を報告します。EVS および仮想ポートの詳細は、evsadm のマニュアルページを参照してください。

evsstat コマンドは RAD (Remote Administration Daemon) クライアントであり、リモート EVS コントローラと通信してすべての evsstat サブコマンドを実行します。evsstat を使用する前に、EVS コントローラの解決可能なホスト名または IP アドレスを指定する必要があります。これは、「set-prop」サブコマンドを使用して「controller」プロパティーを設定することにより実行できます。

evsadm set-prop -p controller=ssh://[username@]evs-controller.example.com
# evsadm show-prop
NAME            VALUE                                         DEFAULT 
controller      ssh://[username@]evs-controller.example.com   --

ここで、オプションの「username」は、「Elastic Virtual Switch Administration RBAC」プロファイルを割り当てられているユーザーです。詳細は、prof_attr(5) のマニュアルページを参照してください。構成を簡略化するために、必須の EVS IPS パッケージ (service/network/evs) をインストールすると、EVS の操作を実行するためのすべての承認および特権を持つ「evsuser」と呼ばれるユーザーが作成されます。付属の「evsuser」を使用するには、controller プロパティーを次のように設定します。

# evsadm set-prop -p controller=ssh://evsuser@evs-controller.example.com

SSH プロトコルを使用して、EVS コントローラと通信します。通信を非対話型にするには、ホスト間 (つまり、evsadm が実行されるホストと EVS コントローラの間) で事前共有公開鍵を使用して SSH 認証を設定する必要があります。詳細については、evsadm(8) のマニュアルページおよびManaging Network Virtualization and Network Resources in Oracle Solaris 11.4ガイドの EVS の章を参照してください。

すべての有効なフィールドに対して、evsstat は数値を表示します。適用できない値に対しては「--」を表示します。不明な値に対しては「?」を表示します。

evsstat は、前述の「形式」に示されているコマンドの形式になります。

オプション

evsstat コマンドには、次のオプションとオペランドがあります。

evsname

指定されている場合は、指定された EVS の統計情報のみを表示します。それ以外の場合は、すべての EVS の統計情報を表示します。

vportname

指定されている場合は、指定された VPort に接続されている VNIC の統計情報のみを表示します。vportname を指定するには、evsname が必要です。

–f {<fname>=<val>[,...]}[,...], –-filter {<fname>=<val>[,...]}[,...]

出力をフィルタ処理するために使用される、コンマで区切られた名前と値のペア (行の選択)。複数のフィルタが指定されている場合、表示される出力は、フィルタ間での AND 操作の結果です。フィルタ値が複数値である場合、表示される出力は、フィルタ値間での OR 操作の結果です。サポートされるフィルタは次のとおりです。

tenant

テナント名で VPort をフィルタ処理する

evs

EVS 名で VPort をフィルタ処理する

vport

vport 名で vport をフィルタ処理する

host

ホスト名で VPort をフィルタ処理する

–o field[,...]、–-output=field[,...]

表示する出力フィールドの大文字と小文字が区別されないコンマ区切りリストを表示します (列の選択)。フィールド名は、次に示すフィールドのいずれか、またはサポートされるすべてのフィールドを表示するための特殊な値allにする必要があります。サポートされるフィールドの一覧:

  • vport

  • evs

  • tenant

  • vnic

  • host

  • ipkts

  • rbytes

  • opkts

  • obytes

  • idrops

  • odrops

–c, –-parseable

安定した、マシン解析可能な形式で出力を表示します。このオプションには –o オプションが必要です。下の「解析可能な出力形式」を参照してください。

-u R|K|M|G|T|P

使用した場合、すべての統計情報の表示単位を選択できます (たとえば、R: 生カウント、K: キロビット、M: メガビット、T: テラビット、P: ペタビット)。使用しない場合、必要に応じて異なる単位が使用され、xy.zU 形式で統計情報が表示されます (x、y、および z は数値、U は該当する単位です)。

–T d|u

時間の内部表現の出力表現に u を指定します。詳細は、time(2) を参照してください。標準の日付フォーマットに d を指定します。詳細は、date(1) を参照してください。

interval

指定されている場合は、出力行がリフレッシュされる間隔を示します。出力の最初の行は、VNIC が仮想ポートに接続されてからの総数を示すサマリーです。2 行目以降は、正規化された (1 秒あたりの) 統計情報を示します。指定されていない場合は、指定されたリンクが作成されてからの 1 つのサマリーが得られます。

count

統計情報をリフレッシュする回数を指定します。回数を指定するには、間隔が必要です。

使用例 1 統計情報の表示

次のコマンドは、すべての EVS の統計情報を表示します。統計情報は、3 桁の数値 + 小数点 + 2 桁の数値に、該当する単位が付けられた形で表示されます。

# evsstat

VPORT        EVS   TENANT      IPKTS    RBYTES   OPKTS  OBYTES
sys-vport0   evs0  sys-tenant  101.88K  32.86M   40.16K 4.37M
sys-vport2   evs0  sys-tenant    4.50M   6.78G    1.38M 90.90M
sys-vport0   evs1  sys-tenant  132.89K  12.25M      236 15.82K
sys-vport1   evs1  sys-tenant  144.47K  13.32M      247 16.29K
使用例 2 1 つの EVS の統計情報の表示

次のコマンドは、EVS evs0 のすべての VPort の統計情報を表示します。

# evsstat evs0

VPORT         EVS   TENANT      IPKTS    RBYTES   OPKTS   OBYTES
sys-vport0    evs0  sys-tenant  101.88K  32.86M   40.16K   4.37M
sys-vport2    evs0  sys-tenant    4.50M   6.78G    1.38M  90.90M
使用例 3 1 つの VPort の統計情報の表示

次のコマンドは、1 つの VPort の統計情報を表示します。

# evsstat evs0/sys-vport2

VPORT        EVS   TENANT       IPKTS   RBYTES   OPKTS OBYTES
sys-vport2   evs0  sys-tenant   4.50M   6.78G    1.38M 90.90M
使用例 4 統計情報のリフレッシュ

次のコマンドは、VPort の統計情報を 1 秒間隔で 3 回リフレッシュします。

# evsstat evs0/sys-vport2 1 3

VPORT         EVS   TENANT       IPKTS   RBYTES   OPKTS OBYTES
sys-vport2    evs0  sys-tenant   4.50M   6.78G    1.38M 90.90M
sys-vport2    evs0  sys-tenant   4.50M   6.78G    1.38M 90.90M
sys-vport2    evs0  sys-tenant   4.50M   6.78G    1.38M 90.90M
使用例 5 統計情報の特定のセットの選択

次のコマンドは、一連の統計情報または目的とする特定の情報を選択する方法を示しています。

# evsstat -o vport,evs,vnic,host,ipkts,opkts
     
VPORT              EVS         VNIC       HOST  IPKTS   OPKTS
sys-vport0         evs0        vnic0      host1 101.88K  40.16K
sys-vport2         evs0        vnic0	  host2   4.50M   1.38M
sys-vport0         evs1        vnic1      host1 132.89K    236
sys-vport1         evs1        vnic1      host2 144.47K    247
使用例 6 ヘルプの表示

次のコマンドは、evsstat の使用法を表示します。

# evsstat help
evsstat [-f {<fname>=<val>[,...]}[,...] [[-c] -o <field>[,...]]
   [-u R|K|M|G|T|P] [<evsname>[/<vportname>]] [interval] [count]

属性

属性についての詳細は、マニュアルページの attributes(7) を参照してください。

属性タイプ
属性値
使用条件
service/network/evs
インタフェースの安定性
下記を参照

画面出力は「不確実」です。呼び出しは「確実」です。

関連項目

attributes(7), dladm(8), evsadm(8), kstat(8)