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マニュアルページ セクション 8: システム管理コマンド

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更新: 2018年8月8日
 
 

beadm(8)

名前

beadm - ZFS ブート環境の管理

形式

beadm create [-a] [-d description]
     [-e non-activeBeFmri | BeFmri@snapshot]
     [-o property=value] ... BeFmri
beadm create BeFmri@snapshot
beadm destroy [-fF] {BeFmri | BeFmriPattern}... | BeFmri@snapshot ...                  
beadm destroy [-fF] -O
beadm list [[[-a | -ds] [-Z]] | [-o attr[,attr]...]...] [-H]
    [{BeFmri| BeFmriPattern}...]
beadm list -z zonename [-z zonename]... 
     [[-a | -ds] | [-o attr[,attr]...]...] [-H]
beadm mount [-b] BeFmri mountpoint
beadm unmount [-f] BeFmri
beadm rename BeFmri newBeFmri
beadm set-policy {-n [-]policy [-n 
[-]policy2] ...} BeFmri [BeFmri2 .
beadm activate BeFmri

説明

beadm コマンドは、ZFS ブート環境 (BE) を管理するためのユーザーインタフェースです。このユーティリティーは、単一のシステムで複数の Oracle Solaris インスタンスを管理するシステム管理者によって使用されます。ユーザーは BeFmris を使用して、管理される BE を識別します。BeFmris の詳細は、fmri(7) のマニュアルページを参照してください。

beadm を使用すると、次の操作を行うことができます。

  • アクティブな BE に基づいた、新しい BE の作成

  • アクティブでない BE に基づいた、新しい BE の作成

  • 既存の BE のスナップショットの作成

  • 既存のスナップショットに基づいた、新しい BE の作成

  • 既存のアクティブでない BE のアクティブ化

  • BE のマウント

  • BE のアンマウント

  • BE を破棄します。

  • BE のスナップショットの破棄

  • 既存のアクティブでない BE の名前変更

  • policy 属性を一連の BE で設定します。

  • スナップショット、データセット、および非大域ゾーン BE に関する情報を表示します。

サブコマンド

beadm コマンドには、下記のようなサブコマンドおよびオプションがあります。これらのサブコマンドおよびオプションの多くの使用法については、次の「使用例」で説明しています。

beadm (引数なし)

コマンドの使用法を表示します。

beadm create [–a] [–d description] [–e non-activeBeFmri | BeFmri@snapshot] [–o property=value] ... BeFmri

BeFmri という新しいブート環境を作成します。–e オプションを指定しない場合、新しいブート環境は現在実行中のブート環境のクローンとして作成されます。–d オプションを指定する場合、記述が x86 システムの GRUB メニューまたは SPARC システムのブートメニューにある BE エントリのタイトルとしても使用されます。–d オプションを指定しない場合、beName がタイトルとして使用されます。また、ブート不可能な BE と、ブート不可能な BE のスナップショットは、–e オプションを使用して指定できません。

–a

作成と同時に、新しく作成された BE をアクティブにします。デフォルトでは、新しく作成された BE をアクティブにしません。

–d description

関連付けられた記述を含む新しい BE を作成します。

–e non-activeBeFmri

新しい BE と同じ zpool にある既存のアクティブでない BE から新しい BE を作成します。zpool をまたがって BE をコピーすることはできません。ゾーン BE では、このオプションでブート可能 BE のみ使用できます。

–e beFmri@snapshot

beFmri という BE の既存のスナップショットから新しい BE を作成します。ゾーン BE では、ブート可能な BE のスナップショットのみがこのオプションとともに使用できます。

–o property=value

特定の ZFS プロパティーを使って新しい BE のデータセットを作成します。複数の –o オプションを指定できます。–o オプションの詳細は、zfs(8) を参照してください。

beadm create BeFmri@snapshot

BeFmri という既存の BE のスナップショットを作成します。ゾーン BE の内側では、ブート可能な BE のスナップショットのみを作成できます。

beadm destroy [–fF] {BeFmri | BeFmriPattern} ... | BeFmri@snapshot ...

指定された BeFmri または BeFmriPattern に一致する 1 つ以上の既存のブート環境または既存のブート環境のスナップショットを破棄します。

BeFmriPattern では、ユーザーは、1 つ以上の BE に一致する BeFmri の BE 名または zbe-name フィールドに、glob(3C) スタイルのワイルドカードとして、? および * 文字を含めることができます。? および * 文字は、BeFmrizpool フィールドと zonename フィールドでは許可されません。

ブート環境を破棄すると、そのブート環境のスナップショットもすべて破棄されます。このコマンドを使用するときは、注意が必要です。

大域ゾーンから実行しており、指定された BeFmri または BeFmriPattern が非大域ゾーン BE を参照している場合、リブート時にアクティブとマークされていない非大域ゾーン BE のみ破棄できます。

ゾーン BE の内側で実行するときは、ブート可能な BE またはブート可能ではないがリブート時にアクティブとしてマークされない BE のみ破棄できます。

–f

ブート環境が現在マウントされている場合、強制的にアンマウントします。

–F

ブート環境を破棄するための確認を求めずにアクションを強制的に実行します。

–O

すべての孤立したブート環境を破棄します。このオプションは、Solaris ブランドゾーン内からのみ使用できます。

beadm list [[[–a | –ds] [–Z]] | [–o attr[,attr]...]...] [–H] [{BeFmri| BeFmriPattern}...]

指定された BeFmri または BeFmriPattern に一致する既存のブート環境に関する情報を一覧表示します。BeFmri または BeFmriPattern が提供されていない場合は、現在実行されている BE の zpool のすべてのブート環境の情報のみが一覧表示されます。現在実行中の BE が含まれていない zpool 内の BE を表示するには、BeFmriPattern be://<zpool_name>/* を指定します。

Flags フィールドは、ブート環境が現在アクティブであるか (N で表現)、リブート時にアクティブになるか (R で表現)、またはその両方であるか (NR で表現) を示します。ゾーン BE の内側にあるブート不可能な BE は、感嘆符 (!) で表現されます。そのようなゾーンでは、! フラグはブート環境のブートアーティファクトがブートプールに存在しないことを意味し、そのために BE は直接にはブート不可能になります。(BE のブートアーティファクトをブートプールに転送するには、activate サブコマンドを使用して BE をアクティブにするか、set-policy サブコマンドを使用して BE のポリシーを noevict に変更します)。対応する大域ゾーンブート環境のないゾーンブート環境は O で表され、孤立していることを示します。

–a

ブート環境に関する利用可能なすべての情報を一覧表示します。この情報には、従属ファイルシステムおよびスナップショットが含まれます。

–d

ブート環境に属しているすべての従属ファイルシステムに関する情報を一覧表示します。

–s

ブート環境のスナップショットに関する情報を一覧表示します。

–Z

大域ゾーン BE に関連付けられたすべてのゾーン BE を一覧表示します。このオプションは、大域ゾーンで実行されている場合にのみ有効です。

–o attr

指定された属性を、リストの先頭属性の値に従って並べ替えて表示します。–o オプションは複数回指定できます。または、属性名をコンマで区切ることにより、1 つの -o オプションの引数として複数の属性を指定できます。

属性を表形式で表示するために、–o オプションを単独で指定できます。セミコロン区切りの解析可能な出力のために、–H オプションと一緒に指定することもできます。

属性が複数の値を持ち、–H オプションが指定されていない場合、各値が個別の行で、その固有の列見出しの下に表示されます。複数値の属性が単一の値を持つ属性と一緒に指定されている場合、単一値の属性のデータはその固有の列見出しの下に 1 回だけ表示されます。

属性が複数の値を持ち、–o–H の両方のオプションが指定されている場合、複数の値は、区切り文字としてコロンを使用して、1 つの文字列に結合されます。

指定された属性は次のいずれかの属性である必要があります。属性名は大文字と小文字が区別されます。

created

BE の作成タイムスタンプ。

datasets

ブート環境に属するすべての下位ファイルシステムを一覧表示します。この属性には複数の値を含めることができます。

flags

前述の Flags フィールドと同じ情報を表示します。

fmri

BE の FMRI。

mountpoint

マウントされている場合は、BE のマウントポイント。BE がマウントされていない場合、これは空白になります。

name

BE の名前。

ngz_bes

大域ゾーン BE に関連付けられたすべての非大域ゾーン BE の FMRI。このフィールドは、大域ゾーンの BE にのみ適用できます。これは非大域ゾーン BE の場合は空白になります。この属性には複数の値を含めることができます。

parent_fmri

非大域ゾーン BE の親 BE の FMRI。このフィールドは、非大域ゾーンの BE にのみ適用できます。これは大域ゾーン BE の場合は空白になります。

parent_uuid

非大域ゾーン BE の親 BE の UUID。このフィールドは、非大域ゾーンの BE にのみ適用できます。これは大域ゾーン BE の場合は空白になります。

policy

BE のポリシー。

root_dataset

BE のルートデータセットの ZFS ファイルシステム名。

snapshots

ブート環境に属するすべての ZFS スナップショットを一覧表示します。この属性には複数の値を含めることができます。

space

BE の合計サイズ。

uuid

BE の UUID。このフィールドは、非大域ゾーン BE の場合は空白になります。

zpool

BE が存在する zpool の名前。

–H

機械可読な出力を要求します。出力形式はセミコロン区切りのフィールドを含む行のリストです。space フィールドはバイト単位で表示され、created フィールドは UTC 形式で表示されます。

オプションが指定されていない場合、ブート環境ごとに次のフィールドを含む 1 行が表示されます。大域ゾーンで実行されている場合、該当する場合に、uuid フィールドは BE の uuid フィールドです。このフィールドは、値がない場合は空白になります。非大域ゾーン BE で実行されている場合、uuid フィールドは、関連付けられている親 BE の uuid を表します。

be-name;uuid;flags;mountpoint;space;policy;created

–a–d、または –s オプションが指定されている場合、 1 つまたは複数の次の行がブート環境ごとに表示されます。fs_name は、–d または –s オプションが指定されているかどうかに応じて、ZFS ファイルシステム名または ZFS スナップショット名のいずれかになります。

be-name;fs_name;flags;mountpoint;space;policy;created

–Z オプションが指定されている場合、次のフィールドを含む 1 つまたは複数の行が、非大域ゾーン BE ごとに表示されます。be-name は、非大域ゾーン BE に関連付けられた大域ゾーン BE の名前です。その他のすべてのフィールドは、非大域ゾーン BE の属性です。

be-name;ngz-be-fmri;flags;mountpoint;space;created

–o オプションが指定されている場合、指定された属性の値は、セミコロン区切りのフィールドを含む行として表示されます。

beadm list –z zonename [–z zonename]... [[–a | –ds] | [–o attr[,attr]...]...] [–H]

指定されたゾーン内のすべてのゾーン BE に関する情報を一覧表示します。このコマンドは、大域ゾーンから実行する場合にのみ有効です。指定された zonename は、現在実行中のグローバルブート環境に定義されている必要があります。

–a

各ゾーンブート環境に関する利用可能なすべての情報を一覧表示します。この情報には、従属ファイルシステムおよびスナップショットが含まれます。

–d

各ゾーンブート環境に属しているすべての従属ファイルシステムに関する情報を一覧表示します。

–s

各ゾーンブート環境のスナップショットに関する情報を一覧表示します。

–o attr

各ゾーンブート環境の指定された属性に関する情報を、リストの先頭属性の値に従って並べ替えて表示します。–o オプションは複数回指定できます。または、属性名をコンマで区切ることにより、1 つの –o オプションの引数として複数の属性を指定できます。前述の有効な属性名のリストを参照してください。

–H

ヘッダー情報を一覧表示しません。一覧情報の各フィールドは、セミコロンで区切られます。

オプションが指定されていない場合、ゾーンブート環境ごとに次のフィールドを含む 1 行が表示されます。

zbe_fmri;parent_fmri;flags;mountpoint;space;created

–a–d、または –s オプションが指定されている場合、 1 つまたは複数の次の行がゾーンブート環境ごとに表示されます。

zbe_fmri;parent_fmri;fs_name;flags;mountpoint;space;created

–o オプションが指定されている場合、指定された属性は、セミコロン区切りのフィールドを含む行として表示されます。

–z zonename

指定されたゾーン内のすべてのゾーン BE を一覧表示します。複数のゾーンのゾーン BE を一覧表示するには、複数の –z オプションを指定します。

beadm mount [–b] BeFmri mountpoint

マウントポイントBeFmri というブート環境をマウントします。マウントポイントは、既存の空ディレクトリである必要があります。

–b 引数がコマンド行に含まれている場合、および指定された BE に関連付けられたアクティブなブートプールデータセットがある場合は、そのブートプールデータセットは <mountpoint>/bootpool_data の下にマウントする必要があります。このディレクトリは、データセットがマウントされると自動的に作成され、BE が beadm unmount サブコマンドでアンマウントされると自動的に削除されます。別のメカニズムを使用して BE をアンマウントすると、この作成されたディレクトリがクリーンアップされないことに注意してください。

beadm unmount [–f] BeFmri

BeFmri というブート環境をアンマウントします。

–f

ブート環境が現在ビジー状態であっても強制的にアンマウントします。

beadm rename BeFmri newBeFmri

BeFmri というブート環境の名前を newBeFmri に変更します。ゾーン BE では、ブート可能な BE の名前変更のみを行えます。

beadm set-policy {–n [-]policy [–n [-]policy2] ...} BeFmri [BeFmri2 .

ブート環境の指定されたリストに対して、指定したポリシーのセットを設定 (または設定解除) します。複数の –n 引数は許可されています。–n で指定されたポリシー文字列は、ハイフンで始まる場合があります。ポリシーがハイフンで始まる場合、そのポリシーはブート環境の指定されたリストから削除されます。サポートされているポリシーの現在のセットは次のとおりです。

static

ルートプールの関連付けられたブート環境は手動で管理されます。また、ブートプール内のコンパニオンブート可能データセット (アクティブなブートプールが存在する場合) はシステムによって管理されます)。

noevict

ブート環境のルートプールデータセットの static ポリシーと同じですが、ブートプール内のコンパニオンとなるブート可能データセット (アクティブなブートプールが存在する場合) が作成され (そのデータセットが存在していない場合)、使用可能なブートプール領域が不足して別のブート環境の関連付けられたブート可能データセットをこのブートプールに転送できない場合でも削除されません。システムの最大パフォーマンスを確保するため、ブートプールが最大容量の 85% を超えることは許可されていません。

beadm activate BeFmri

BeFmri によって指定された BE を次回のリブート時にアクティブな BE にします。ゾーンの BE で、ブート可能な BE のみアクティブにできます。

ゾーン BE のサポート

beadm は、ゾーン BE の概念を、厳密にはそれが非大域ゾーンの BE に属している場合にサポートします。beadm は、大域ゾーン BE または非大域ゾーンの内部からゾーン BE を管理できます。

大域ゾーンから、ゾーン BE を管理するために、すべての beadm コマンドとオプションを使用できます。ゾーン名とゾーン BE 名の両方を指定する BE FMRI で大域ゾーンからゾーン BE を指定する必要があります。

beadm は、いくつかの例外を除き、大域ゾーンから行うのとほとんど同様に非大域ゾーンの内側で機能します。指定されたゾーン BE (または BE のスナップショット) に対し、ブート可能かブート可能でないかを判断するための区別がつけられます。ゾーン BE がブート可能であるのは、それが現在アクティブになっている大域ゾーンの BE に関連付けられている (つまり、アクティブな大域ゾーンの BE の UUID と同じ親 ID を共有する) 場合です。それ以外の場合、それはブート可能ではなく、beadm list のアクティブ列に「!」のマークが付きます。注: 非大域ゾーンの管理者は beadm activate を使ってそのような BE をアクティブとしてマークできますが、非大域ゾーンをリブートしても BE はロードされません。これは、その BE が非アクティブな大域ゾーンの BE に関連付けられているからです。ゾーン移行のためなど、ゾーン BE がこのシステムに存在しない大域ゾーンブート環境に関連付けられている場合に孤立したとみなされます。そのため、これらの条件に基づいて、beadm はブート不可能な BE でいくつかの動作を制限します。

  • ブート不可能でかつ、リブート時にアクティブとマークされていたゾーン BE は、ブート不可能なゾーン BE が孤立していないかぎり、破棄できません。

  • ブート不可能な BE をアクティブ化することはできません。

  • ブート不可能な BE のスナップショットを作成することはできません。

  • beadm create–e オプションでブート不可能な BE または BE のスナップショットを使用することはできません。

  • ブート不可能な BE の名前変更を行うことはできません。

使用例 1 アクティブな BE を使用した新しい BE の作成

次のコマンドは、現在の BE のクローンを作成して、BE1 という新しい BE を作成します。

# beadm create BE1
使用例 2 アクティブでない BE を使用した新しい BE の作成

次のコマンドは、BE1 という既存のアクティブでない BE のクローンを作成して、BE2 という新しい BE を作成します。

# beadm create -e BE1 BE2
使用例 3 既存の BE のスナップショットの作成

次のコマンドは、BE1 という既存の BE の now というスナップショットを作成します。

# beadm create BE1@now
使用例 4 スナップショットのクローンの作成による、新しい BE の作成

次のコマンドは、BE1 の既存のスナップショットのクローンを作成して、BE3 という新しい BE を作成します。

# beadm create -e BE1@now BE3
使用例 5 新しいゾーン BE の作成

次のコマンドは、zone1 の現在実行中のゾーン BE に基づいて、ZBE1 という新しいゾーン BE を作成します。

# beadm create zbe://zone1/ZBE1
使用例 6 圧縮を有効にした状態での新しい BE の作成

次のコマンドは、現在実行中の BE に基づいて、BE5 という新しい BE を作成します。このコマンドは、圧縮を有効にして、新しい BE のデータセットを作成します。

# beadm create -o compression=on BE5
使用例 7 新しい BE の作成と説明の提供

次のコマンドは、現在実行中の BE に基づいて BE6 という新しい BE を作成し、その説明を提供します。

# beadm create -d "BE6 used as test environment" BE6
使用例 8 BE の有効化

次のコマンドは、BE3 という既存の有効でない BE を有効にします。

# beadm activate BE3
使用例 9 BE のマウント

次のコマンドは、BE3 という BE を /mnt にマウントします。

# beadm mount BE3 /mnt
使用例 10 BE のアンマウント

次のコマンドは、BE3 という BE をアンマウントします。

# beadm unmount BE3
使用例 11 BE の破棄

次のコマンドは、確認を求めずに BE3 という BE を破棄します。

# beadm destroy -F BE3
使用例 12 スナップショットの破棄

次のコマンドは、BE1now というスナップショットを破棄します。

# beadm destroy BE1@now
使用例 13 BE の名前の変更

次のコマンドは、BE1 という既存の有効でない BE の名前を BE3 に変更します。

# beadm rename BE1 BE3
使用例 14 すべての BE の一覧表示

次のコマンドは、既存の BE をすべて一覧表示します。

# beadm list
BE Name        Flags Mountpoint Space   Policy Created         
-------------- ----- ---------- ------- ------ ----------------
BE1            -     -          5.27M   static 2015-10-16 10:45
BE2            NR    /          4.37G   static 2015-10-19 07:04
BE3            -     -          2.00K   static 2015-10-20 05:59
solaris        -     -          64.61M  static 2015-10-16 08:34
使用例 15 データセットおよびスナップショット情報を含むすべての BE の一覧表示

次のコマンドは、既存の BE をすべて一覧表示し、それらのブート環境に関するデータセットおよびスナップショット情報をすべて一覧表示します。

# beadm list -d -s

BE Name        Flags Mountpoint Space   Policy Created          
-------------- ----- ---------- ------- ------ ---------------- 
BE1            -     -          5.27M   static 2015-10-16 10:45 


    In-BE Datasets     Mountpoint Space   Created          
    ------------------ ---------- ------- ---------------- 
    rpool/ROOT/BE1     -          5.27M   2015-10-16 10:45 
    rpool/ROOT/BE1/var -          392.50K 2015-10-16 10:45 


    Snapshots Space Created 
    --------- ----- ------- 


BE Name        Flags Mountpoint Space   Policy Created          
-------------- ----- ---------- ------- ------ ---------------- 
BE2            NR    /          4.37G   static 2015-10-19 07:04 


    In-BE Datasets     Mountpoint Space Created          
    ------------------ ---------- ----- ---------------- 
    rpool/ROOT/BE2     /          4.11G 2015-10-19 07:04 
    rpool/ROOT/BE2/var /var       1.85G 2015-10-19 07:04 


    Snapshots                              Space   Created         
    -------------------------------------- ------- ----------------
    rpool/ROOT/BE2@2015-10-16-17:45:07     48.33M  2015-10-16 10:45
    rpool/ROOT/BE2@2015-10-16-16:45:00     47.58M  2015-10-16 09:45
    rpool/ROOT/BE2@2015-10-20-05:59:31     55.82M  2015-10-20 05:59
    rpool/ROOT/BE2@install                 47.80M  2015-10-16 08:37
    rpool/ROOT/BE2@2015-10-19-07:04:08     71.54M  2015-10-19 07:04
    rpool/ROOT/BE2/var@2015-10-16-17:45:07 360.38M 2015-10-16 10:45
    rpool/ROOT/BE2/var@2015-10-16-16:45:00 1.12M   2015-10-16 09:45
    rpool/ROOT/BE2/var@2015-10-20-05:59:31 963.00K 2015-10-20 05:59
    rpool/ROOT/BE2/var@2015-10-19-07:04:08 1.13M   2015-10-19 07:04
    rpool/ROOT/BE2/var@install             1.22M   2015-10-16 08:37


BE Name        Flags Mountpoint Space   Policy Created          
-------------- ----- ---------- ------- ------ ---------------- 
BE3            -     -          2.00K   static 2015-10-20 05:59 


    In-BE Datasets     Mountpoint Space Created          
    ------------------ ---------- ----- ---------------- 
    rpool/ROOT/BE3     -          2.00K 2015-10-20 05:59 
    rpool/ROOT/BE3/var -          1.00K 2015-10-20 05:59 


    Snapshots Space Created 
    --------- ----- ------- 


BE Name        Flags Mountpoint Space   Policy Created          
-------------- ----- ---------- ------- ------ ---------------- 
solaris        -     -          64.61M  static 2015-10-16 08:34 


    In-BE Datasets         Mountpoint Space  Created          
    ---------------------- ---------- ------ ---------------- 
    rpool/ROOT/solaris     -          64.61M 2015-10-16 08:34 
    rpool/ROOT/solaris/var -          3.27M  2015-10-16 08:34 


    Snapshots Space Created 
    --------- ----- ------- 
使用例 16 BE に関するデータセットおよびスナップショット情報の一覧表示

次のコマンドは、BE2 に関するすべての情報を一覧表示します。

# beadm list -a BE2
BE Name Flags Mountpoint Space Policy Created          
------- ----- ---------- ----- ------ ---------------- 
BE2     NR    /          4.37G static 2015-10-19 07:04 

    Details:
    --------
    Zpool.......... rpool 
    UUID........... 34ee56de-24fb-4765-a935-afb71dab2850 
    FMRI........... be://rpool/BE2 
    Root Dataset... rpool/ROOT/BE2 


    In-BE Datasets     Mountpoint Space Created          
    ------------------ ---------- ----- ---------------- 
    rpool/ROOT/BE2     /          4.11G 2015-10-19 07:04 
    rpool/ROOT/BE2/var /var       1.85G 2015-10-19 07:04 


    Snapshots                              Space   Created         
    -------------------------------------- ------- ----------------
    rpool/ROOT/BE2@2015-10-16-17:45:07     48.33M  2015-10-16 10:45
    rpool/ROOT/BE2@2015-10-16-16:45:00     47.58M  2015-10-16 09:45
    rpool/ROOT/BE2@2015-10-20-05:59:31     55.82M  2015-10-20 05:59
    rpool/ROOT/BE2@install                 47.80M  2015-10-16 08:37
    rpool/ROOT/BE2@2015-10-19-07:04:08     71.54M  2015-10-19 07:04
    rpool/ROOT/BE2/var@2015-10-16-17:45:07 360.38M 2015-10-16 10:45
    rpool/ROOT/BE2/var@2015-10-16-16:45:00 1.12M   2015-10-16 09:45
    rpool/ROOT/BE2/var@2015-10-20-05:59:31 963.00K 2015-10-20 05:59
    rpool/ROOT/BE2/var@2015-10-19-07:04:08 1.13M   2015-10-19 07:04
    rpool/ROOT/BE2/var@install             1.22M   2015-10-16 08:37
使用例 17 機械解析可能な形式での一覧表示

次のコマンドは、すべての BE に関する情報を機械解析可能な形式で一覧表示します。

# beadm list -H
BE1;73425d63-27d3-47b4-88ef-ee019ca325c2;-;-;5528064;static;1445017508
BE2;34ee56de-24fb-4765-a935-afb71dab2850;NR;/;4693830144;static;1445263448
BE3;356b3e5c-dae2-4d84-914c-f7eed84fa0c4;-;-;2048;static;1445345971
solaris;83d3ee87-62da-4eec-bfa0-b964ff27c01d;-;-;67743744;static;1445009664
使用例 18 指定された大域ゾーン BE に関連付けられたゾーン BE での一覧表示

次のコマンドは、BE2 に属するすべてのゾーン BE を一覧表示します。このコマンドは、大域ゾーンから実行されます。

# beadm list -Z BE2
BE Name Flags Mountpoint Space Policy Created          
------- ----- ---------- ----- ------ ---------------- 
BE2     NR    /          4.37G static 2015-10-19 07:04 


    Non-global Zone BE Names  Flags Mountpoint               Space  
    ------------------------- ----- ------------------------ -------
    zbe://zone1/solaris       N     /system/zones/zone1/root 1.04M  
    zbe://zone1/zbe2          -     -                        2.00K  
    zbe://zone1/zbe1          R     -                        17.10M 
    zbe://zone2/solaris       NR    /system/zones/zone2/root 803.80M
    zbe://zone4/solaris       NR    /system/zones/zone4/root 803.87M
    zbe://zone3/solaris       NR    /system/zones/zone3/root 803.84M
使用例 19 ゾーン内のゾーン BE での一覧表示

次のコマンドは、zone1 内のすべてのゾーン BE を一覧表示します。このコマンドは、大域ゾーンから実行されます。

# beadm list -z zone1
Non-global Zone BE Names  Parent BE      Flags Mountpoint               Space  
------------------------- -------------  ----- ------------------------ -------
zbe://zone1/BE10          -	         RO    -                        705.10M
zbe://zone1/BE3           be://rpool/BE3 R     -                        803.73M
zbe://zone1/solaris       be://rpool/BE2 N     /system/zones/zone1/root 1.04M  
zbe://zone1/zbe1          be://rpool/BE2 R     -                        17.10M 
zbe://zone1/zbe2          be://rpool/BE2 -     -                        2.00K  
使用例 20 ゾーン BE 内のブート不能 BE の表示

このコマンドは、zbe:/zone1/solaris で実行されます。ブート可能とブート不能の両方の BE を一覧表示します。ブート可能でない BE は、アクティブ列の感嘆符 (!) で示されます。孤立した BE は、アクティブ列に O が含まれます。

# beadm list
BE Name Flags Mountpoint Space   Policy Created         
------- ----- ---------- ------- ------ ----------------
BE10    !RO   -          705.10M static 2015-10-21 05:00
BE3     !R    -          803.73M static 2015-10-20 05:59
solaris N     /          1.04M   static 2015-10-19 14:47
zbe1    R     -          17.10M  static 2015-10-20 07:25
zbe2    -     -          2.00K   static 2015-10-20 07:25
使用例 21 一連のブート環境に対するポリシーフラグの設定

次のコマンドは、BE1BE2、および BE3 という名前の BE の noevict 属性を設定します (また、BE1BE2、および BE3 からブートプールにブートアーティファクトを転送します)。

# beadm set-policy -n noevict BE1 BE2 BE3
# beadm list
BE  Flags Mountpoint Space  Policy          Created                
--  ----- ---------- -----  ------          -------                
BE1 -     -          6.13M  noevict,static  2014-10-20 09:14      
BE2 NR    /          52.86M noevict,static  2014-10-21 04:33      
BE3 -     -          559.0K noevict,static  2014-10-22 01:59      
BE4 !-    -          313.1M static          2014-10-22 04:19

次のコマンドは noevict 属性をクリアします (その属性を含まない値に属性リストを設定することによって)。

# beadm set-policy -n -noevict BE2
# beadm list
BE  Flags Mountpoint Space  Policy         Created                
--  ----- ---------- -----  ------         -------                
BE1 -     -          6.13M  noevict,static 2014-10-20 09:14      
BE2 NR    /          52.86M static         2014-10-21 04:33      
BE3 -     -          559.0K noevict,static 2014-10-22 01:59      
BE4 !-    -          313.1M static         2014-10-22 04:19
使用例 22 すべての BE の指定された属性の一覧表示

次のコマンドは、すべての BE の BE 名、作成日、ルートデータセット属性を一覧表示します。

# beadm list -o name,created,root_dataset
BE Name        Created          Root Dataset
-------------- ---------------- --------------
BE1            2015-10-16 10:45 rpool/ROOT/BE1
BE2            2015-10-19 07:04 rpool/ROOT/BE2
BE3            2015-10-20 05:59 rpool/ROOT/BE3
solaris        2015-10-16 08:34 rpool/ROOT/solaris
使用例 23 いくつかの BE の指定された属性の一覧表示

次のコマンドは、BeFmriPattern に一致するすべての BE の BE 名、下位ファイルシステム、作成日を一覧表示します。

# beadm list -o name,datasets,created be://rpool/BE*
BE Name        Datasets		    Created         
-------------- ----------------     --------------
BE1            rpool/ROOT/BE1	    2015-10-16 10:45
	        rpool/ROOT/BE1/var
	        rpool/ROOT/BE1/my_fs
BE2            rpool/ROOT/BE2       2015-10-19 07:04
	       rpool/ROOT/BE2/var
BE3            rpool/ROOT/BE3       2015-10-20 05:59
	       rpool/ROOT/BE3/var
使用例 24 指定された属性の一覧表示

次のコマンドは、すべての BE の BE name, flags, mountpoint, policy および作成日を一覧表示します。これらは、デフォルトの beadm list 出力に含まれる属性です。通常含まれる Space 属性はここでは指定されません。多数のゾーンを持つシステムでは、Space 属性を明示的に含めないことが役立つ場合があります。このようなシステム上の各 BE のサイズの計算は時間がかかるため、結果的に beadm list コマンドが遅くなるからです。

# beadm list -o name,flags,mountpoint,policy,created
BE Name          Flags Mountpoint Policy Created    
---------------- ----- ---------- ------ ----------------    
BE1              -     -          static 2016-09-06 10:15    
BE2              -     -          static 2016-09-06 11:38    
BE3              -     -          static 2016-09-14 15:24    
solaris          -     -          static 2010-09-01 12:32  

終了ステータス

0

成功。

>0

失敗。

ファイル

<log_dir>/beadm/beadm.yyyymmdd_hhmmss.<pid>.log

beadm デバッグ出力を取得するために使用されるログ。コマンドの呼び出しごとに、次の 3 つの場所のいずれかにログファイルが作成されます。

  1. /var/share/beadm: これは、使用可能で、ユーザーがこのディレクトリに対する書き込み権限を持つ場合に優先される場所です。

  2. /system/volatile/beadm: /var/share データセットがまだマウントされていない場合に、このディレクトリが使用されます。

  3. /tmp/beadm: ユーザーが前述の 2 つのディレクトリへの書き込み権限を持たない場合に、このディレクトリが使用されます。

ファイル名の時間指定部分については、次に説明します。

  • yyyymmdd_hhmmss (例: 20071130_140558)。

  • yyyy (2007 年)

  • mm (11 月)

  • dd (30 日)

  • hh (14 時)

  • mm (05 分)

  • ss (58 秒)

コマンドが成功した場合、ログファイルは自動的に削除されます。コマンドが失敗した場合、エラーメッセージにログファイルのフルパスが含まれます。ログファイルを削除することはユーザーの責任です。

属性

属性についての詳細は、マニュアルページの attributes(7) を参照してください。

属性タイプ
属性値
使用条件
system/boot-environment-utilities
インタフェースの安定性
確実

関連項目

zfs(8)fmri(7)attributes(7)